ANA国際線、2026年度下期はムンバイ・シンガポール・バンコク・パースを増便 成田=ホノルルは期間減便へ【8月18日発表】

シンガポール・チャンギ空港のANAボーイング787-9型機 JA924A

ANAが2026年8月18日、「2026年度下期 ANAグループ航空輸送事業計画」の一部変更を発表しました。国際線の運航便数は前年同期比104パーセント。増便の中心はアジアとオセアニアで、成田=ムンバイ、成田=シンガポール、成田=バンコク、成田=パースの4路線が対象です。羽田=ミラノ線も下期のうちに毎日運航へ増便されます。

わたしがこの発表で目を留めたのは、増える路線だけではありませんでした。成田=ホノルル線のNH182/181便が、期間によって週3往復まで落とされる設定になっています。増便のニュースの陰に隠れがちですが、冬にハワイを計画している人にはこちらのほうが影響が大きいはずです。

この記事では、公式発表の便名一覧をもとに、どの路線が何往復から何往復に変わるのか、いつからなのかを整理します。

発表の全体像 — 増便はアジアとオセアニアに集中

対象期間は2026年10月25日からはじまる冬ダイヤです。ただし増便の一部は、それより早い9月1日からスタートします。

まず数字で全体をつかんでおきます。

事業 運航便数(前年同期比)
ANA 国際線 104パーセント
ANA 国内線 101パーセント
Peach 国際線 109パーセント
Peach 国内線 110パーセント

国際線の104パーセントは、便数の総量としては大きな伸びではありません。全体をふくらませるというより、伸びる需要のある路線に絞って便を足していく組みかたです。ANAはこの下期を「訪日旅客の高需要期」と位置づけていて、増便の顔ぶれもそれに沿っています。

国内線側の再編については、同じ日の発表を別の記事にまとめています。伊丹発着の路線が大きく組み替わりました。

参考:ANA国内線、2026年度下期は伊丹を再編 札幌・函館・那覇を増便、羽田・福岡・松山・大分は減便

増便される4路線 — 便名と往復数の一覧

公式の便名一覧から、便数が変わる路線だけを抜き出しました。

路線 便名 これまで 変更後 開始日
成田 - ムンバイ NH829/830 週3往復(火・金・日) 週7往復 9月1日
成田 - シンガポール NH803/804 運航なし 週7往復 9月1日
成田 - バンコク NH807/808 運航なし 週4往復 → 週7往復 9月1日 → 10月25日
成田 - パース NH881/882 週3往復(月・木・土) 週7往復 10月25日
羽田 - ミラノ NH207/208 週3往復(月・水・土) 週7往復 下期中(別途案内)

表を見てわかるのは、増便の型が2つに分かれていることです。ムンバイとパースとミラノは、いま走っている週3往復の便をそのまま週7往復に増やす形。シンガポールとバンコクは、既存の便はそのままに、2本目の便名を新しく立てる形です。後者はいわゆるダブルデイリー化にあたります。

成田=ムンバイ — 週3往復から毎日運航へ

成田=ムンバイ線のNH829/830便は、現在は火曜・金曜・日曜の週3往復です。これが9月1日から週7往復になり、冬ダイヤに入っても通期で毎日運航がつづきます。

インド・デリーの国際空港ターミナル
インド・デリーの国際空港ターミナル(写真:Wikimedia Commons / Biswarup Ganguly / CC BY 3.0)

週3往復の路線は、日程を組むときにどうしても不便でした。行きが火曜なら帰りも決まった曜日にしか選べません。毎日運航になると、滞在日数を自分の都合で決められるようになります。インドは日系の駐在需要も観光需要も伸びている市場で、ANAが下期を通して毎日にすると決めたのは、需要の読みがはっきりしたということだと思います。

特典航空券の面でも、便数が2倍以上になれば空席の出る絶対量が増えます。これまでムンバイ行きの特典が取りづらかった人には、9月以降に条件が変わる可能性があります。

成田=シンガポールと成田=バンコク — 2本目の便が立つ

この2路線は増やしかたが少し違います。

シンガポール・チャンギ空港のターミナル
シンガポール・チャンギ空港のターミナル(写真:Wikimedia Commons / *angys* / CC BY-SA 4.0)

成田=シンガポール線は、これまでNH801/802便の週7往復だけでした。ここに9月1日からNH803/804便が加わり、週7往復が2本で1日2往復になります。冬ダイヤに入っても継続です。

羽田=シンガポール線はNH841/844便とNH843/842便の2本が週7往復ずつで変わりません。合わせると、東京とシンガポールのあいだは1日4往復。これはかなり厚い設定です。

成田=バンコク線も同じ形で、既存のNH805/806便に加えてNH807/808便が新しく立ちます。ただしこちらは段階的です。

期間 NH807/808便
9月1日 - 10月23日 週4往復(火・水・金・日)
10月25日 - 週7往復

冬ダイヤに入れば成田=バンコクも1日2往復です。羽田=バンコク線は3本の便名がそれぞれ週7往復で走っていますから、東京とバンコクのあいだは合計で1日5往復になります。

成田=パース — 10月25日から毎日運航

オセアニアではパース線が動きます。NH881/882便が月曜・木曜・土曜の週3往復から、10月25日の冬ダイヤ初日に週7往復へ。西オーストラリアへの直行便が毎日になります。

パースは日本との時差が1時間しかなく、夜に出て朝に着く便のとりかたが体にやさしい路線です。それでいて週3往復だったため、旅程が組みにくいのが弱点でした。毎日運航はこの弱点を消します。

なおシドニー線は羽田=シドニーのNH879/880便とNH889/890便が週7往復ずつで、変更はありません。

羽田=ミラノ — 毎日運航へ、ただし開始日は未定

欧州線で唯一便数が増えるのがミラノです。羽田=ミラノ線のNH207/208便は現在、月曜・水曜・土曜の週3往復。これを2026年度下期のうちに週7往復へ増便すると発表されました。

ただし開始日と発売日は「別途ご案内」となっていて、この時点では決まっていません。ミラノ行きを冬に計画している人は、続報を待つ必要があります。

あわせてANAは、冬季の欧州線について「季節ごとの需要変動に応じて運航機種を調整する」と書いています。便数は据え置きでも、投入される機材が変わる路線が出てくるということです。機材が変わればビジネスクラスの座席も変わりますから、欧州線を予約する人は座席表の確認をおすすめします。

参考:ANA THE Room 就航路線2026完全版|どの路線で乗れるか 便番号・確認方法・シートの特徴まで

成田=ホノルル — 期間ごとに週3往復まで落ちる

増便の話がつづきましたが、この発表にはもうひとつ、見落とせない中身があります。成田=ホノルル線のNH182/181便が、期間によって週3往復と毎日運航を行き来する設定になりました。

期間 NH182/181便
10月25日 - 11月5日 週3往復(火・金・日)
11月6日 - 11月20日 毎日運航
11月21日 - 12月16日 週3往復(火・金・日)
12月17日 - 1月10日 毎日運航
1月11日 - 3月18日 週3往復(火・金・日)
3月19日 - 3月26日 毎日運航
3月27日 - 4月中旬 週3往復(火・金・日)

毎日運航になっているのは、年末年始をはさむ12月17日から1月10日、11月の連休のころ、それに3月の春休み前半です。つまり多客期だけ便を立てて、それ以外は週3往復に絞る設計です。

誤解のないように書いておくと、成田=ホノルル線がまるごと減るわけではありません。もう1本のNH184/183便は週7往復のまま変わらず、羽田=ホノルルのNH186/185便も週7往復のままです。成田=ホノルルは合計で週10往復から14往復のあいだを動くことになります。

実務としてどこが効くかというと、特典航空券です。ハワイ線の特典は座席の出かたが便ごとに違います。週3往復の期間は、そもそも飛んでいる便が少ないので選択肢が減ります。1月から3月中旬にかけて特典でハワイを狙っている人は、この期間が週3往復であることを前提に日程を考えたほうがいいと思います。

787-9「THE Room FX」は11月以降 — 投入路線はまだ未定

機材については、新型のビジネスクラスシート「THE Room FX」とプレミアムエコノミー・エコノミーの新シートを搭載したボーイング787-9型機を、2026年11月以降に受領すると書かれています。

気をつけたいのは、その次の一文です。「具体的な投入路線と時期については決定次第あらためて公表いたします」。つまり今回の増便一覧と、THE Room FXがどの路線に入るかは、まだ結びついていません。増便される路線に新シートが入ると決まったわけではないということです。

受領時期そのものも、当初の計画から後ろにずれています。もともとは2026年8月からの受領予定でした。この経緯は別の記事にまとめています。

参考:ANA新機材の受領がずれた —— 787-9「THE Room FX」は11月以降、737-8は10月以降、777-9は2027年度後半へ

予約するときに気をつけたいこと

今回の発表を予約の実務に落とすと、確認すべき点は3つです。

  • 9月1日から動く路線と、10月25日から動く路線が混ざっている。ムンバイとシンガポールは9月1日、パースは10月25日、バンコクは9月1日と10月25日の2段階です。
  • ミラノは日付が出ていない。増便自体は決まっていますが、いつからかは別の発表を待つことになります。
  • 成田=ホノルルのNH182/181便は期間で往復数が変わる。日程を先に決めてから便を探すと、飛んでいない曜日にぶつかることがあります。

すべての計画は、関係当局への申請・届出・認可が前提です。発表の一覧に載っていない路線・便名については、現時点で運航計画はないとされています。

最新の運航スケジュールと発売状況は、ANA公式サイトの「運航開始・再開・休止路線のご案内(国際線)」で確認できます。予約の前にはこちらをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 増便はいつからはじまりますか?

A. 路線によって違います。成田=ムンバイと成田=シンガポールは9月1日から。成田=バンコクは9月1日に週4往復ではじまり、10月25日から週7往復になります。成田=パースは10月25日からです。羽田=ミラノは下期中とされていますが、具体的な日付はまだ発表されていません。

Q. 成田=ホノルル線は減便されるのですか?

A. 路線がなくなるわけではありません。NH182/181便が期間によって週3往復(火・金・日)と毎日運航を行き来する設定になります。もう1本のNH184/183便は週7往復のまま、羽田=ホノルルのNH186/185便も週7往復のままです。成田=ホノルル全体では週10往復から14往復のあいだで推移します。

Q. 成田=シンガポールが1日2往復になると、なにが変わりますか?

A. 出発時間の選択肢が増えます。羽田=シンガポール線も2本が週7往復で走っているため、東京とシンガポールのあいだは合計で1日4往復になります。乗り継ぎの組みかたや、特典航空券の空席を探せる便数も増えます。

Q. 新しいビジネスクラス「THE Room FX」はどの路線に入りますか?

A. まだ決まっていません。THE Room FXを搭載したボーイング787-9は2026年11月以降に受領予定とされていますが、投入路線と時期は「決定次第あらためて公表」と書かれています。今回増便される路線に入ると決まったわけではありません。

Q. Peachの国際線はどうなりますか?

A. 運航便数は前年同期比109パーセントに拡大します。2026年9月20日に開設する成田=仁川線は下期も毎日運航がつづきます。関空=仁川・香港・台北線や成田=台北線などでは、需要に応じて期間ごとに便数を増減させる柔軟な設定がとられます。

出典:ANAホールディングス「2026年度下期 ANAグループ航空輸送事業計画を一部変更」(第26-024号・2026年8月18日発表)。アイキャッチ写真:S5A-0043(Wikimedia Commons・CC BY 4.0)、シンガポール・チャンギ空港にて。機体はボーイング787-9型機のJA924A、NH841便(羽田発シンガポール行き)。

この記事を書いた人
TE travel 編集部
TE travel は、Team Elite メンバーによる旅行記録サイトです。ANAダイヤモンド・マリオット チタンエリート・ヒルトン ダイヤモンドなど、各プログラムの上級ステータスを実際に取得・維持しながら、ファーストクラス・ビジネスクラス・ラグジュアリーホテルを体験した記録を発信しています。ポイント・マイルの使い方から、上級会員だけが知る現場の実感まで、数字では伝わらない情報をお届けします。