ワンワールドの世界一周航空券は、スターアライアンスとは異なる個性をもっている。
スターアライアンスがヨーロッパ・北米を中心とした骨格を持つのに対し、ワンワールドはカタール航空・ロイヤルヨルダニアン・ロイヤルエアマロックといった中東・アフリカ系の航空会社が加盟している。その結果、ワジラムの赤い砂漠、ペトラの遺跡、サハラの夜空——スターアライアンスでは組みにくい旅の文脈が自然に生まれる。
この記事では、ワンワールドの世界一周航空券(oneworld Explorer)の仕組みと料金を解説したうえで、中東・砂漠を起点にした個性的なルートを5つ紹介する。日本出発の場合はJALが窓口になる。
ワンワールド世界一周航空券とは
「oneworld Explorer(ワンワールド エクスプローラー)」は、ワンワールド加盟航空会社のネットワークを使って地球を一周するチケットだ。
スターアライアンスのRTW航空券が総飛行マイル数で料金が決まるのに対し、ワンワールド エクスプローラーは訪問する「地域数(大陸数)」によって料金が決まる。3地域・4地域・5地域・6地域の4段階があり、地域が多いほど料金が上がる仕組みだ。
また、ワンワールドの世界一周航空券は現金(航空運賃)のみで購入するチケットで、JALマイルなどのマイレージポイントを使って発券する仕組みはもともと存在しない。マイルを使って世界一周を組みたい場合は、各区間を個別の特典航空券として別々に発券するしかない。
ワンワールドの主な加盟航空会社
| 航空会社 | ハブ空港 | 主なカバーエリア |
|---|---|---|
| JAL(日本航空) | 成田・羽田 | 日本発着の起点。アジア・北米・欧州に就航 |
| カタール航空 | ドーハ(DOH) | 中東の要。欧州・アフリカ・アジア全域に細かく就航 |
| ブリティッシュ エアウェイズ | ロンドン・ヒースロー(LHR) | 欧州最大級のハブ。北米・中東・アジアへの接続が豊富 |
| アメリカン航空 | JFK・LAX・DFWほか | 米国内の移動に欠かせない。大西洋路線も豊富 |
| キャセイパシフィック航空 | 香港(HKG) | アジアのハブ。ロンドン・ニューヨーク・シドニーに直行 |
| カンタス航空 | シドニー(SYD) | オセアニアへのアクセス。ロンドン・ロサンゼルス直行あり |
| フィンエアー | ヘルシンキ(HEL) | 北欧・北極圏への玄関口。東京・アジア直行便あり |
| イベリア航空 | マドリード(MAD) | スペイン・南米への結節点 |
| ロイヤルヨルダニアン | アンマン(AMM) | ヨルダン発着。ペトラ・ワジラム砂漠への起点 |
| ロイヤルエアマロック | カサブランカ(CMN) | モロッコ発着。サハラ砂漠・マラケシュへの起点 |
| マレーシア航空 | クアラルンプール(KUL) | 東南アジアのハブ。ロンドン直行便あり |
ケニア航空はワンワールドのアフィリエイト会員(準加盟)であり、RTW航空券に組み込むことができる。ナイロビを経由するアフリカサファリルートの設計が可能になる。
スターアライアンスとの比較
| 項目 | ワンワールド | スターアライアンス |
|---|---|---|
| 料金の決まり方 | 訪問地域数(大陸数) | 総飛行マイル数 |
| マイルでの発券 | もともとなし | 2025年に廃止 |
| 日本の窓口 | JAL | ANA |
| 中東・砂漠へのアクセス | カタール・ヨルダン・モロッコ | ターキッシュ航空(イスタンブール) |
| オセアニア | カンタス(シドニー) | ニュージーランド航空(オークランド) |
| 北欧 | フィンエアー(ヘルシンキ) | SAS・LOT(コペンハーゲン・ワルシャワ) |
基本ルールと条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旅行方向 | 東回り・西回りどちらか一方向のみ(途中で逆戻り不可) |
| 大洋横断 | 太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ横断すること |
| 最小地域数 | 3地域以上の訪問が必要 |
| 最大ストップ数 | 最大16都市まで |
| 有効期間 | 最初の搭乗日から最長1年間 |
| 発着地 | 同じ国から出発し、同じ国に戻ること(日本発日本着) |
| 地域カテゴリー | アジア・中東・アフリカ・欧州・北米・南米・太平洋の7区分 |
ワンワールドでは「中東」と「アフリカ」が別の地域カテゴリーとして扱われる。ドーハ(カタール)とカサブランカ(モロッコ)を両方まわると「中東1地域+アフリカ1地域」としてカウントされるため、地域数が増えやすい。これはルートを豊かにする一方で、料金帯も上がることを意味する。
料金の仕組み
oneworld Explorer の料金は、訪問する地域数と搭乗クラスの組み合わせで決まる。地域数とは「日本を含めて何地域を旅するか」ではなく、「スタート地点を含む旅程全体でいくつの地域を通過するか」で数える。
| 地域数 | エコノミー(目安) | ビジネス(目安) | ファースト(目安) |
|---|---|---|---|
| 3地域 | 32万〜42万円 | 80万〜105万円 | 150万〜185万円 |
| 4地域 | 42万〜55万円 | 105万〜135万円 | 195万〜245万円 |
| 5地域 | 52万〜68万円 | 130万〜165万円 | 240万〜300万円 |
| 6地域 | 65万〜80万円 | 160万〜200万円 | 300万〜380万円 |
燃油サーチャージと空港税は別途加算される。2026年時点では合計で5万〜20万円程度の幅がある。実際の総額はJALに直接問い合わせるか、旅行代理店で確認してほしい。
5つのルートを地図で見る
各線は実際の大圏航路(最短経路)を示している。
おすすめルート5選

ルート1|中東・砂漠・モロッココース(ワンワールドだけができる旅)
ワンワールドのRTW航空券でいちばん差別化できるのが、このルートだ。カタール航空・ロイヤルヨルダニアン・ロイヤルエアマロックという中東・アフリカ系の航空会社を使うことで、砂漠・遺跡・スーク(市場)を軸にした旅が一本の旅程で成立する。
ペトラはヨルダン南部に位置し、2,000年以上前にナバテア人が岩壁を彫り抜いてつくった古代都市だ。近郊のワジラムは真っ赤な砂岩砂漠で、映画「オデッセイ」のロケ地にもなった場所。カサブランカを拠点にサハラ砂漠(メルズーガ)を訪れれば、夜は星が地面まで落ちてくるような絶景が待っている。
| 区間 | 移動手段 | 見どころ |
|---|---|---|
| 成田 → ドーハ | JAL / カタール航空 | スーク・ワキーフ(伝統市場)・イスラム美術館・砂漠ドライブ |
| ドーハ → アンマン | ロイヤルヨルダニアン / カタール航空 | ペトラ(ナバテアの岩窟都市)・ワジラム砂漠・死海 |
| アンマン → カサブランカ | ロイヤルヨルダニアン / ロイヤルエアマロック | マラケシュ(ジャマ・エル・フナ広場)・サハラ砂漠(メルズーガ)・フェズの旧市街 |
| カサブランカ → マドリード | ロイヤルエアマロック / イベリア航空 | プラド美術館・アルハンブラ宮殿(グラナダ)・バルセロナへの途中下車も可 |
| マドリード → ロンドン | イベリア航空 / ブリティッシュ エアウェイズ | 大英博物館・タワーブリッジ・コッツウォルズ |
| ロンドン → ニューヨーク | ブリティッシュ エアウェイズ / アメリカン航空 | マンハッタン・ブルックリン・メトロポリタン美術館 |
| ニューヨーク → 成田 | JAL | 帰国 |
通過地域:アジア・中東・アフリカ・欧州・北米 → 5地域
推奨滞在期間:4〜6週間
料金の目安:エコノミー 52万〜68万円 / ビジネス 130万〜165万円(燃油サーチャージ・空港税別)
ヨルダン国内の移動(アンマン〜ペトラ〜ワジラム)は陸路でも可能で、RTWチケットに影響しない。ペトラへは徒歩や馬、ロバで遺跡内を移動する。ワジラム砂漠には夜空が見える砂漠キャンプが複数あり、1泊2日の砂漠体験をルートに組み込めると旅の密度がぐっと上がる。

ルート2|オセアニア・アウトバックコース
カンタス航空でしかいけないオーストラリアの大地を世界一周の旅程に組み込む。シドニー・ウルル(エアーズロック)・ケアンズという、地球の体積を感じさせる景観が待っている。香港をハブに使い、キャセイパシフィックで移動するルートだ。
| 区間 | 移動手段 | 見どころ |
|---|---|---|
| 成田 → 香港 | JAL / キャセイパシフィック | 旺角・赤柱(スタンレー)・ビクトリアピーク |
| 香港 → シドニー | キャセイパシフィック / カンタス | オペラハウス・ボンダイビーチ・ブルーマウンテンズ。国内線でウルル(エアーズロック)へ |
| シドニー → ロサンゼルス | カンタス(QF11) | サンタモニカ・グリフィス天文台・グランドキャニオン(車またはツアー) |
| ロサンゼルス → ニューヨーク | アメリカン航空 | マンハッタン・ブルックリン・自由の女神 |
| ニューヨーク → ロンドン | ブリティッシュ エアウェイズ / アメリカン航空 | テート・モダン・コベントガーデン・バース |
| ロンドン → 成田 | JAL / ブリティッシュ エアウェイズ | 帰国 |
通過地域:アジア・太平洋・北米・欧州 → 4地域
推奨滞在期間:4〜5週間
料金の目安:エコノミー 42万〜55万円 / ビジネス 105万〜135万円(燃油サーチャージ・空港税別)
カンタスのシドニー〜ロサンゼルス線(QF11)は約15時間のノンストップ便で、ビジネスクラスのフラットベッドシートが充実している。オーストラリア国内でウルルを訪れるには、シドニーからアリス・スプリングスへの国内線を別途用意する。

ルート3|北欧・フィンランドコース
フィンエアーがヘルシンキと東京を結んでいることを活かすルート。ヘルシンキは建築・デザイン・サウナ文化の街で、夏は白夜、冬はオーロラが見られる。スターアライアンスにも北欧系の加盟会社はいるが、フィンエアーはワンワールド唯一のフィンランドの航空会社だ。
| 区間 | 移動手段 | 見どころ |
|---|---|---|
| 成田 → ヘルシンキ | フィンエアー(AY073) | ヘルシンキ大聖堂・デザイン地区・ラップランド(オーロラ) |
| ヘルシンキ → ロンドン | フィンエアー / ブリティッシュ エアウェイズ | 大英博物館・ハンプトンコート・エジンバラ |
| ロンドン → マドリード | ブリティッシュ エアウェイズ / イベリア航空 | プラド美術館・王宮・グラナダ(アルハンブラ宮殿) |
| マドリード → ニューヨーク | イベリア航空 / アメリカン航空 | マンハッタン・MOMA・チェルシー市場 |
| ニューヨーク → ロサンゼルス | アメリカン航空 | ゲッティー美術館・マリブ・サンタバーバラ |
| ロサンゼルス → 成田 | JAL(JL62) | 帰国 |
通過地域:アジア・欧州・北米 → 3地域
推奨滞在期間:3〜4週間
料金の目安:エコノミー 32万〜42万円 / ビジネス 80万〜105万円(燃油サーチャージ・空港税別)
フィンエアーのヘルシンキ〜東京線は約10時間のフライトで、北極圏ルートを飛ぶ。ラップランドへはヘルシンキから国内線(AY便)でロヴァニエミへ約1時間半。冬(11月〜3月)にオーロラを狙うなら、ヘルシンキに数日余裕を持たせてラップランドに足を延ばすスケジュールが現実的だ。

ルート4|香港・東南アジアコース
キャセイパシフィックとマレーシア航空という2つの東南アジア系航空会社を使い、香港とクアラルンプールを経由してロンドンへ抜けるルート。比較的ストップ数が少なく、移動の疲れを最小限にしたい人に向いている。
| 区間 | 移動手段 | 見どころ |
|---|---|---|
| 成田 → 香港 | JAL / キャセイパシフィック | 旺角の夜市・赤柱・ランタオ島(大仏) |
| 香港 → クアラルンプール | キャセイパシフィック / マレーシア航空 | ペトロナスツインタワー・ペナン島・ランカウイ島 |
| クアラルンプール → ロンドン | マレーシア航空(MH4) | 約13時間のノンストップ。ロンドン着後すぐに動ける |
| ロンドン → ニューヨーク | ブリティッシュ エアウェイズ / アメリカン航空 | マンハッタン・ブルックリン橋・ブロードウェイ |
| ニューヨーク → 成田 | JAL(JL005) | 帰国 |
通過地域:アジア・欧州・北米 → 3地域
推奨滞在期間:3〜4週間
料金の目安:エコノミー 32万〜42万円 / ビジネス 80万〜105万円(燃油サーチャージ・空港税別)
マレーシア航空のクアラルンプール〜ロンドン線は、東南アジアから欧州への移動として移動距離に対してコスパよく設計できる区間だ。クアラルンプールからペナン島やランカウイへは国内線(マレーシア航空またはエアアジア)で約1時間以内。

ルート5|アフリカサファリコース
ナイロビ(ケニア)はワンワールドのアフィリエイト会員であるケニア航空のハブだ。RTW航空券に組み込むことができ、マサイマラ国立保護区でのサファリ体験を世界一周の旅程のなかに収められる。
スターアライアンスでもエチオピア航空・南アフリカ航空でアフリカに入れるが、ワンワールドのルートはドーハで中東に立ち寄ってからナイロビへ飛ぶ設計がしやすく、中東とアフリカを同時に体験する旅が組みやすい。
| 区間 | 移動手段 | 見どころ |
|---|---|---|
| 成田 → 香港 | JAL / キャセイパシフィック | 香港トランジット・市内1泊も可 |
| 香港 → ナイロビ | ケニア航空(KQ102 / カタール経由) | マサイマラ国立保護区(サファリ)・アンボセリ国立公園(キリマンジャロを望む) |
| ナイロビ → ドーハ | カタール航空 / ケニア航空 | スーク・ワキーフ・カタール国立博物館・砂漠サンドバギング |
| ドーハ → ロンドン | カタール航空(QR7 DOH-LHR) | 大英博物館・テムズ川・ロンドン塔 |
| ロンドン → ニューヨーク | ブリティッシュ エアウェイズ | マンハッタン滞在 |
| ニューヨーク → 成田 | JAL(JL005) | 帰国 |
通過地域:アジア・アフリカ・中東・欧州・北米 → 5地域
推奨滞在期間:4〜6週間
料金の目安:エコノミー 52万〜68万円 / ビジネス 130万〜165万円(燃油サーチャージ・空港税別)
マサイマラでのサファリは、ナイロビから小型チャーター機かツアー車で入る。7月〜10月のヌーの大移動の時期に合わせると、地球最大の生命の移動を目の前で見ることができる。
5ルートの比較一覧
| ルート | 地域数 | エコノミー目安 | ビジネス目安 | 推奨期間 |
|---|---|---|---|---|
| 中東・砂漠・モロッコ | 5地域 | 52万〜68万円 | 130万〜165万円 | 4〜6週間 |
| オセアニア・アウトバック | 4地域 | 42万〜55万円 | 105万〜135万円 | 4〜5週間 |
| 北欧・フィンランド | 3地域 | 32万〜42万円 | 80万〜105万円 | 3〜4週間 |
| 香港・東南アジア | 3地域 | 32万〜42万円 | 80万〜105万円 | 3〜4週間 |
| アフリカサファリ | 5地域 | 52万〜68万円 | 130万〜165万円 | 4〜6週間 |
ファーストクラスで世界一周する
ワンワールドにはJAL・キャセイパシフィック・ブリティッシュ エアウェイズという、世界でも高水準のファーストクラス・プロダクトを持つ航空会社が揃っている。これらをつなぎ合わせると、ほぼ全区間ファーストクラスで移動する世界一周が設計できる。
ファーストクラスを提供する主な加盟航空会社
| 航空会社 | プロダクト名 | 主な就航路線 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| JAL | JAL ファーストクラス(The Suite) | 成田 ↔ ニューヨーク・ロンドン・ロサンゼルス・パリ | スライド式扉の完全個室。ダブルベッド構成可。B777搭載 |
| キャセイパシフィック | First Class | 香港 ↔ ロンドン・ニューヨーク・シドニー | 香港発着の長距離路線に設定あり。プライバシーの高い個室設計 |
| ブリティッシュ エアウェイズ | First | ロンドン・ヒースロー ↔ ニューヨーク・香港・ドーハほか | ヒースローのファーストクラスラウンジ「Concorde Room」が魅力 |
| カンタス | First | シドニー ↔ ロンドン(A380、シンガポール経由) | シドニーのファーストラウンジ(シャワー・ダイニング)が充実 |
| アメリカン航空 | Flagship First | JFK ↔ ロンドン(ヒースロー)など一部路線に限定 | 設定路線・座席数が非常に限られる。予約はかなり難しい |
カタール航空の最上級プロダクト「Qsuite」はビジネスクラスの位置づけで、ファーストクラスは設定していない。ドーハ発着の区間はビジネス(Qsuite)になることを念頭に置いておくとよい。
オールファースト世界一周ルート(東回り)
ワンワールドで実現できるファーストクラス主体の世界一周は、東回り(日本 → 北米 → 欧州 → アジア → 日本)が組みやすい。
| 区間 | 航空会社 | 機材 | 体験 |
|---|---|---|---|
| 成田 → ロサンゼルス | JAL JL62 | B777-300ER | JAL The Suite(個室)。約11時間 |
| ロサンゼルス → ニューヨーク | アメリカン航空 AA1 | B777 | Flagship First(設定便のみ)。約5時間 |
| ニューヨーク → ロンドン | ブリティッシュ エアウェイズ BA178 | B777 / A380 | BA First。ヒースロー着後 Concorde Room でシャワー・食事 |
| ロンドン → 香港 | キャセイパシフィック CX251 | A350-900 | キャセイ First。約12時間 |
| 香港 → 成田 | JAL JL38 / キャセイ CX543 | B787 / A350 | JAL またはキャセイの短距離ファースト。約4時間で帰国 |
通過地域:アジア・北米・欧州 → 3地域
料金の目安:ファースト 150万〜185万円(燃油サーチャージ・空港税別)
JAL の成田〜ロサンゼルス線ファーストクラスは座席数が少なく、繁忙期は数か月前に満席になることが多い。ファーストクラスで全区間を組みたい場合は、発券前に各区間の空席状況を確認してから旅程を確定させる必要がある。
西回りルート|キャセイパシフィック中心(香港 → ロンドン → ニューヨーク)
香港を経由してロンドンへ抜け、大西洋を渡ってニューヨークから成田へ戻る西回りルート。キャセイパシフィックのファーストクラスはロンドン線(CX251)でも提供されており、JAL → キャセイ → ブリティッシュ エアウェイズ → JAL という全区間ファーストの設計ができる。
| 区間 | 航空会社 | 機材 | 体験 |
|---|---|---|---|
| 成田 → 香港 | JAL JL081 | B767 / B787 | 短距離区間。香港で1〜2泊して次の便へ |
| 香港 → ロンドン | キャセイパシフィック CX251 | A350-900 | キャセイ First。約13時間のノンストップ。プライバシーの高い個室設計 |
| ロンドン → ニューヨーク | ブリティッシュ エアウェイズ BA177 | B777 / A380 | BA First。ヒースロー出発前に Concorde Room でシャワー・ダイニング |
| ニューヨーク → 成田 | JAL JL005 | B777-300ER | JAL The Suite(完全個室)。約14時間で帰国 |
通過地域:アジア・欧州・北米 → 3地域
料金の目安:ファースト 150万〜185万円(燃油サーチャージ・空港税別)
オセアニア経由ルート|カンタス ファーストクラスを体験する
カンタス航空はシドニー〜ロンドン線(QF1/2、A380)でファーストクラスを提供している。ロンドンからシドニーへ渡り、そこから成田へ戻るルートを設計することで、世界一周の旅程にカンタスのファーストクラスを組み込める。シドニーのカンタス・ファーストラウンジはシャワー・フルサービスダイニング・スパを備え、発着時の体験も充実している。
| 区間 | 航空会社 | 機材 | 体験 |
|---|---|---|---|
| 成田 → ニューヨーク | JAL JL006 | B777-300ER | JAL The Suite。約13時間。JFK到着後マンハッタンへ |
| ニューヨーク → ロンドン | ブリティッシュ エアウェイズ BA178 | B777 | BA First。大西洋を渡る約7時間のフライト |
| ロンドン → シドニー | カンタス QF1(シンガポール経由) | A380 | カンタス First。約22時間(シンガポール停泊込み)。A380の1階最前部14席 |
| シドニー → 成田 | JAL JL771 / キャセイ CX171 | B787 / A330 | 約9〜10時間で帰国 |
通過地域:アジア・北米・欧州・太平洋 → 4地域
料金の目安:ファースト 195万〜245万円(燃油サーチャージ・空港税別)
カンタス QF1 はシンガポール(チャンギ国際空港)で一度着陸し、乗客はラウンジへ移動したあと再搭乗する。シンガポールで途中下車して市内を数時間散策することもできる(トランジットビザ不要)。ファーストクラスは14席のみで早期予約が必須だ。
中東経由ルート|カタール Qsuite + JAL ファーストの組み合わせ
カタール航空にファーストクラスはなく、最上級プロダクトは「Qsuite」というビジネスクラスだ。ただし Qsuite の完成度はファーストクラスに匹敵するほど高く、スライド式パネルで仕切られた個室、ダブルベッド構成、向かい合わせ4席の「ダブルスイート」構成など、独自の設計が光る。カップルや夫婦で旅する場合は、成田〜ドーハ〜ロンドンの長距離区間をふたりの個室として使うことができる。
| 区間 | 航空会社 | クラス | 体験 |
|---|---|---|---|
| 成田 → ドーハ | カタール航空 QR807 | Qsuite(ビジネス) | 個室スタイルのビジネスクラス。約11時間 |
| ドーハ → ロンドン | カタール航空 QR7 | Qsuite(ビジネス) | ドーハ発着のラウンジ Al Mourjan でシャワー・食事 |
| ロンドン → ニューヨーク | ブリティッシュ エアウェイズ BA177 | First Class | BA First。Concorde Room 発。約7時間 |
| ニューヨーク → 成田 | JAL JL005 | First Class(The Suite) | JAL The Suite 完全個室。約14時間で帰国 |
通過地域:アジア・中東・欧州・北米 → 4地域
料金の目安:発券クラスの組み合わせ次第でビジネス料金またはファースト料金が適用される。JALに発券前に確認すること。
予約の流れと注意点
日本出発のワンワールド RTW 航空券は、JAL または JAL 系の旅行代理店から発券するのがもっとも手続きがしやすい。JAL の予約センターに電話し、「oneworld Explorer(ワンワールド エクスプローラー)を検討している」と伝えると案内してもらえる。
ワンワールド エクスプローラーはオンラインの自動予約システムには対応していないため、電話または店頭での相談が必要になる。旅程の変更には基本的に手数料がかかり、出発日の変更は可能な場合が多いが、都市の追加・変更は再発券になることもある。
また、ワンワールドでは料金が地域数で決まるため、飛行距離が長くなっても地域数が変わらなければ料金は変わらない。同じ「3地域」の旅程なら、短距離でも長距離でも料金は同じになる。これを理解したうえでルートを設計すると、同じ料金でより広い範囲を旅することができる。
よくある質問
ワンワールドの世界一周航空券はマイルで発券できますか?
もともとできない。スターアライアンスが2025年にマイル発券を廃止したのとは異なり、ワンワールドの世界一周航空券(oneworld Explorer)はもともとマイルで発券する仕組みを持っていない。購入は現金(航空運賃)のみだ。マイルを使って似たような旅を組みたい場合は、各区間を個別の特典航空券として別々に発券するしかない。
スターアライアンスとワンワールドの世界一周、どちらを選ぶべきですか?
旅の目的地によって選ぶとよい。中東・砂漠・モロッコ・オーストラリアを旅したいならワンワールド(JAL、カタール航空、ロイヤルヨルダニアン、ロイヤルエアマロック、カンタスなどを使える)。北欧・東欧・東南アジアを軸にした旅ならスターアライアンス(フィンエアー以外の北欧系やタイ航空などが加盟)。また、スターアライアンスは総飛行マイル数で料金が決まるのに対し、ワンワールドは地域数で決まるため、行きたい都市の数と位置によってコスパが変わる。
ペトラやワジラム砂漠はワンワールドの世界一周航空券で行けますか?
行ける。ロイヤルヨルダニアンがワンワールドの加盟会社で、アンマン(ヨルダンの首都)に就航している。アンマンからペトラまでは車で約2〜3時間、ワジラム砂漠まで約3〜4時間。ドーハ(カタール航空)経由でアンマンへ入り、ペトラとワジラムをまわってから次のストップへ移動するルートが設計しやすい。
世界一周航空券の飛行中もマイルは積算されますか?
積算される。RTWチケットで搭乗したフライトのマイルは、JALマイレージバンクなど発券した航空会社のマイレージプログラムに加算される。ただし、ファーレクラスや購入した運賃の種別によって積算率が変わることがある。発券時に各区間の積算率を確認しておくとよい。
中東やアフリカを旅程に入れると料金はどのくらい上がりますか?
ワンワールドでは「中東」と「アフリカ」が別の地域としてカウントされる。ヨーロッパ・北米のみ(3地域)の旅程に中東を加えると4地域、さらにアフリカを加えると5地域になる。3地域から4地域への変更で料金はエコノミーで約10万円前後、ビジネスで約25〜30万円前後の上昇が目安になる。ただし中東・アフリカを加えることで得られる体験の密度を考えると、費用対効果は高いと感じる旅人が多い。
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