ANAグループのANA Xが2026年8月31日、旅と地域に特化した動画配信サービス「ANA Traveler’s TV(エイエヌエー トラベラーズ ティービー)」を開局しました。全国のローカル放送局とケーブルテレビ局がつくってきた番組を、これからその地域を訪れる人のためのガイドとして配信するというものです。開局は同日10時、開局時のコンテンツ数は320本。月額980円のプランには27マイルが付きます。

地元向けだった番組を、旅の前に見る
ANA Traveler’s TVがあつかうのは、地域の情報番組・バラエティ・ドラマ・ドキュメンタリーです。これまで放送エリアのなかだけで見られてきた映像を、その地域を訪れる人のためのコンテンツとして配信しなおします。
プレスリリースの書き出しは「その番組は、地元の方だけのものじゃなかった」という一文でした。ローカル番組は、その土地の制作者が知っている名店や、季節のうつろい、方言、そこに住む人たちの表情を映しています。ガイドブックや検索結果には出てこない情報が、放送が終わったあとは倉庫に眠っている。そこに旅行者を結びつける、という発想です。
コンテンツは都道府県ごと、海外は就航地ごとに整理されています。次に行く地域の番組を出発前に見ておく、という導線を意識した設計だとANA Xは説明しています。
料金は月額980円と、1週間790円の2プラン
プランは2つです。全エリアが見放題になる月額のサブスクリプションと、1エリアを1週間だけ見られる買い切りに分かれています。旅行の直前に行き先の番組だけ見たい、という使いかたを想定したのが後者です。
| プラン | 料金 | 見られる範囲 | 付与マイル |
|---|---|---|---|
| 周遊プラン | 月額980円(サブスクリプション) | 全エリア見放題 | 27マイル |
| 旅先プラン | 790円(買い切り) | 1エリア・1週間限定 | 21マイル |
無料で見られるものもあります。地域・宿泊施設・アクティビティ・世界遺産の紹介映像や体験映像、空港のライブカメラ、記事、PDFの電子冊子は無料の範囲です。まず無料の部分をのぞいてから、有料プランを検討するという入りかたができます。
月額980円の視聴チケットはANA Mallでも販売されます。ANA Mallではマイルで購入できるため、貯まったマイルを消費して見ることも可能です。ただし数に限りがあるとされています。
マイルが付くのが、ANAらしいところ
周遊プランで27マイル、旅先プランで21マイル。金額に対して大きな数字ではありません。ですが、ANAが航空以外の領域に出すサービスには、たいていマイルが結びついています。
2026年8月20日にはじまったANA光・ANAホームWi-Fiは自宅のインターネット回線で1年目に最大19,400マイル、8月に発表されたANAラグジュアリーバッグは月額9,790円で毎月500マイルでした。日常の支出をマイルの入口に変えていく、という流れのなかにANA Traveler’s TVも置かれています。

視聴料の一部は、番組をつくった側へもどります
もうひとつの特徴が、視聴料の還元です。集まった視聴料は、コンテンツごとの視聴比率に応じて、ローカル放送局・ケーブルテレビ局・地域の制作会社・クリエイターへ還元されます。
地方局の番組は、放送エリアのなかで一度消費されて終わることがほとんどでした。それを全国へ届けて、見られた分だけ制作側へ返す。番組が旅行者を呼び、その旅行者の視聴料が次の番組の制作費になる、という循環をつくろうとしています。
視聴の画面からANAの航空券予約や、宿泊・アクティビティの手配へそのまま移動できる導線も用意されました。見る、決める、予約する、までをひと続きにするという設計です。
参画するのは38の放送局と、2つのケーブル局
開局時点で名前が挙がっている放送局は、北海道放送・札幌テレビ放送・北海道テレビ放送・北海道文化放送からはじまり、青森テレビ、ABS秋田放送、山形テレビ、群馬テレビ、NST新潟総合テレビ、長野放送、テレビ山梨、石川テレビ放送、CBCテレビ、岐阜放送、三重テレビ放送、毎日放送、読売テレビ放送、京都放送、サンテレビジョン、日本海テレビ、山陰放送、テレビせとうち、南海放送、テレビ愛媛、高知放送、長崎文化放送、テレビ熊本、大分放送、テレビ宮崎、MBC南日本放送、OTV沖縄テレビ放送など38局。ケーブルテレビ局は秋田ケーブルテレビと長崎ケーブルメディアです。
一部の局との連携では、ローカルコンテンツによる地域活性化を進める合同会社LCBとも組んでいます。番組ごとに整理されたメタ情報を使い、番組に出てきたスポットから地図リンクをつくるといったことをしています。映像を見て、その場所へ行けるようにする、という部分です。
海外の就航地については、日本の放送局がつくった海外ロケ番組に加えて、現地に住む日本人クリエイターからも提供を受けます。SHIORI BARCELONA(スペイン)、アジアねこ散歩ch(イスタンブール)、FOCUS公式 韓国映像メディアといった名前が並びました。国内では青森の彼女(津軽弁のTikTokクリエイター)や、名古屋が舞台の映画「五時のメロディ」、東京・神楽坂が舞台の映画「ドーナツもり」も入っています。ANAの機内誌「翼の王国」など、グループ独自のコンテンツも用意されました。
サービスの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | ANA Traveler’s TV(エイエヌエー トラベラーズ ティービー) |
| 運営 | ANA X株式会社 |
| 開局日 | 2026年8月31日 10:00 |
| 視聴環境 | Webブラウザ(スマートフォン・タブレット・PC) |
| コンテンツ数 | 開局時320本(順次追加) |
| 参画局 | 放送局38局+ケーブルテレビ局2局ほか |
| 開局記念 | 会員登録した人へ、国内・海外それぞれ先着100名にANAトラベラーズ ダイナミックパッケージのクーポン |
目標は「787コンテンツ」
ANA Xは、開局1年後の2027年8月までに787コンテンツという目標を掲げています。ANAが世界に先駆けて就航させたボーイング787にちなんだ数字です。開局時の320本から、およそ2.5倍に増やすことになります。
この数字の意味づけがおもしろいところで、全国のどの地域を選んでも旅の役に立つ映像が必ず見つかる、その状態を測る目安として置いた、と説明されています。単純な本数競争ではなく、都道府県をひととおり埋めるための本数だ、という言いかたです。
わたしが気になっているところ
ローカル番組が旅の下調べになるという発想には、うなずけるところがあります。地方に行くとホテルのテレビで地元の情報番組が流れていて、それがいちばんおもしろかった、という経験は誰にでもあるはずです。あれを出発前に見られるなら、行き先の解像度は確実に上がります。
いっぽうで、月額980円という価格をどう見るかは分かれそうです。旅行の頻度が高い人なら、行き先ごとに番組が用意されているのは強い。ですが年に数回の旅行なら、790円の旅先プランを都度買うほうが素直だという気もします。1エリア1週間という区切りは、出発前の1週間にちょうど収まる長さです。
もうひとつ注目しているのが、視聴からANAの予約へ移動できる導線です。ANAにとってこのサービスは、番組で売上を立てるものというより、旅の検討がはじまる瞬間を自社のなかに囲い込む仕掛けだと見るのが自然です。検索エンジンで宿を探しはじめる前の段階に、映像で入り込む。その意味では、ANAアメックスの全面リニューアルやANA光と同じく、航空券の外側で顧客との接点を増やしていく動きの一つだと考えています。
コンテンツの中身は開局したばかりで、実際に見てみないとわかりません。320本がどのくらいの厚みなのか、都道府県ごとの偏りはどうか。このあたりは実際に登録して確かめたうえで、あらためて書きたいと思っています。
まとめ
- ANA Xが2026年8月31日10時、動画配信サービス「ANA Traveler’s TV」を開局
- 全国38の放送局と2つのケーブルテレビ局のローカル番組を、旅のガイドとして配信
- 周遊プランは月額980円で全エリア見放題・27マイル付与
- 旅先プランは790円で1エリア1週間・21マイル付与
- 地域紹介映像・空港ライブカメラ・記事・電子冊子などは無料
- 視聴料の一部は視聴比率に応じて制作側へ還元
- 開局時320本、2027年8月までに787コンテンツを目標
最新の情報や登録は、ANA Traveler’s TVの公式サイトおよびANA公式のプレスリリースをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. ANA Traveler’s TVはいつから見られますか?
A. 2026年8月31日10時に開局しました。Webブラウザから、スマートフォン・タブレット・パソコンで視聴できます。
Q. 料金はいくらですか?
A. 全エリア見放題の周遊プランが月額980円のサブスクリプション、1エリアを1週間だけ見られる旅先プランが790円の買い切りです。
Q. 無料で見られるコンテンツはありますか?
A. あります。地域・宿泊施設・アクティビティ・世界遺産の紹介映像や体験映像、空港のライブカメラ、記事、PDFの電子冊子などは無料で利用できます。
Q. マイルは貯まりますか?
A. 周遊プランで27マイル、旅先プランで21マイルが付与されます。また月額980円の視聴チケットはANA Mallでも販売され、こちらはマイルで購入することもできます(数量限定)。
Q. どんな番組が見られますか?
A. 全国38の放送局と2つのケーブルテレビ局が制作した情報番組・バラエティ・ドラマ・ドキュメンタリーが中心です。海外の就航地については、日本の放送局の海外ロケ番組や、現地在住の日本人クリエイターの映像も配信されます。ANAの機内誌「翼の王国」などグループ独自のコンテンツも含まれます。
あわせて読みたい
- ANA光・ANAホームWi-Fiが8月20日スタート——自宅のネット回線で1年目に最大19,400マイル
- ANAラグジュアリーバッグ2026|月額9,790円でエルメス・シャネルが借り放題、毎月500マイル貯まる新サービス
- ANAアメックスが2009年以来はじめての全面リニューアル——ゴールドは年会費42,900円へ
- ANAが静岡空港から撤退へ——新千歳・那覇線が9月30日で運休、17年の運航に幕
TE travel 

