ANAは2026年4月20日、国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を5月1日発券分から改定すると発表した。中東情勢の緊迫を受けた原油価格の高騰を反映したもので、欧州・北米・中東・オセアニア線は片道56,000円。前期比でほぼ倍増となり、ここ数年では過去最大級の値上げ幅となった。
長距離路線をビジネスクラス・ファーストクラスで利用する旅行者、そしてマイルで特典航空券を発券する陸マイラーには、いずれも見過ごせない改定だ。地域別の新料金、現行との比較、特典航空券への影響、そして発券タイミングの考え方をまとめておく。
改定の概要
- 発表日:2026年4月20日
- 適用:2026年5月1日〜6月30日に発券する航空券
- 対象:ANA運航の日本発着国際線(コードシェア便を含む適用条件は券種により異なる)
- 背景:中東情勢の緊迫による原油価格の急騰。ANAは「公共交通機関として路線網の維持と安定的なサービス提供を継続するため」と説明している
通常、ANAの燃油サーチャージは2か月ごとに直近2か月の市場価格をもとに見直される。今回は通常サイクルからずれて、当初予定の「6・7月発券分」より一足はやく5月1日から新料金に切り替わるかたちとなった。
地域別の新料金(2026年5月〜6月発券分)
1人・1区間・片道あたりの金額。往復ならこの倍になる。
| 地域 | 片道(5〜6月発券) | 往復換算 |
|---|---|---|
| 欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 56,000円 | 112,000円 |
| ハワイ・インド・インドネシア | 36,800円 | 73,600円 |
| タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 29,000円 | 58,000円 |
| ベトナム・グアム・フィリピン | 19,700円 | 39,400円 |
| 東アジア(韓国除く) | 14,700円 | 29,400円 |
| 韓国・ロシア | 6,700円 | 13,400円 |
3〜4月発券分との比較──ほぼ全地域で1.6〜2倍に
4月までの現行料金と並べると、改定の大きさがはっきりとわかる。
| 地域 | 3〜4月発券(現行) | 5〜6月発券(新) | 増額(片道) | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 欧州・北米・中東・オセアニア | 31,900円 | 56,000円 | +24,100円 | 約1.76倍 |
| ハワイ・インド・インドネシア | 20,400円 | 36,800円 | +16,400円 | 約1.80倍 |
| タイ・シンガポール・マレーシア等 | 16,300円 | 29,000円 | +12,700円 | 約1.78倍 |
| ベトナム・グアム・フィリピン | 10,500円 | 19,700円 | +9,200円 | 約1.88倍 |
| 東アジア(韓国除く) | 9,400円 | 14,700円 | +5,300円 | 約1.56倍 |
| 韓国・ロシア | 3,300円 | 6,700円 | +3,400円 | 約2.03倍 |
欧州・北米線は片道で+24,100円。家族4人で往復すれば、サーチャージだけで19万円以上の負担増となる。
特典航空券(マイル予約)への影響──むしろ現金より重い
燃油サーチャージは、マイルで発券する特典航空券にもそのままかかる。マイルでビジネスクラス欧州往復を発券しても、現金として支払う燃油サーチャージは112,000円。これに加えて空港使用料・各国出入国税が乗ってくるため、最終的な現金負担は1人あたり13万〜15万円ほどになる。
マイルでビジネスクラスに乗る計画を立てている人は、マイルでビジネスクラスに乗る方法|ANA・JAL 必要マイル数早見表と特典航空券の取り方もあわせて確認しておきたい。必要マイル数は据え置きでも、現金の負担が大きく変わるからだ。
発券タイミングをどう考えるか
- 5月以降に旅行予定がある人は、4月30日までに発券できれば現行料金が適用される(ただし旅程変更の自由度は券種次第)
- 夏休み・年末年始の長距離フライトを検討中なら、ピーク需要での座席確保とサーチャージのバランスを早めに判断したい
- マイル特典で欧州・北米を狙うなら、発券日(チケット購入日)が判定基準。座席が取れた瞬間に発券できる体制をつくっておくことが重要
- 7月以降の発券分はまた見直される。原油価格しだいではあるが、数か月単位で「下がる」ことも「さらに上がる」こともありえる
長距離路線で快適に飛ぶための比較記事
サーチャージ込みで支払いが大きくなるからこそ、座席のクオリティとマイル戦略は丁寧に選びたい。あわせて以下の記事もどうぞ。
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よくある質問
Q. 5月以降の旅行でも、4月中に発券すれば現行料金ですか?
はい。燃油サーチャージは「発券日」の料金が適用されます。2026年4月30日までに発券(=航空券として確定購入)した分は、現行の3〜4月発券料金が適用されます。ただし旅程変更や払い戻しの可否は券種ごとに異なるため、規定を確認してから決めるのが安全です。
Q. 特典航空券(マイル予約)にもサーチャージはかかりますか?
かかります。マイルで航空券そのものは引き換えられますが、燃油サーチャージ・空港使用料・各国諸税は現金で支払います。欧州・北米のビジネスクラス往復なら、サーチャージだけで112,000円。これに各種税金・使用料を加えた金額が現金で必要になります。
Q. 7月以降の発券分はどうなりますか?
燃油サーチャージは2か月ごとに見直しがあります。原油価格と為替の動向しだいで、上がることも下がることもあります。今回は中東情勢を背景にした緊急的な対応のため、情勢の変化次第では7月以降にあらためて改定される可能性もあります。
Q. ANA以外の航空会社はどうですか?
JALも同日(4月20日)に同水準の値上げを発表しました。日系2社は燃油サーチャージの動きをそろえるかたちがつづいています。外資系航空会社(シンガポール航空・キャセイパシフィック等)は、各社それぞれのタイミングと水準で見直しがあります。
公式情報の確認先
正確な金額・適用ルール・最新の改定情報は、ANA公式ページをご確認ください。
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