アジア路線のビジネスクラスは、長距離路線と比べてマイル数が少なく、初めての特典航空券に最適な選択肢だ。バンコク・シンガポール・バリ・ソウル・台北——それぞれの路線でどれだけのマイルが必要で、どの航空会社がお得なのかを整理する。なお必要マイルは2025年6月のANA・JAL特典チャート改定で見直されており、本記事は改定後の水準をもとにしている。
アジア主要路線の必要マイル数(エコノミー・ビジネス)
ANA・JAL・シンガポール航空(SQ)の3社で比較する。数字は片道・ローシーズンの目安だ。ANA・JALは2025年6月の特典チャート改定後の水準で、シーズン(L/R/H)によって変動する。燃油サーチャージは別途加算される。

| 路線(羽田/成田発) | ANA ビジネス | JAL ビジネス | SQ ビジネス |
|---|---|---|---|
| ソウル(ICN) | 18,000マイル | 18,000マイル | — |
| 台北(TPE) | 24,000マイル | — | — |
| バンコク(BKK) | 40,000マイル | — | — |
| シンガポール(SIN) | 40,000マイル | 40,000マイル | 約52,000マイル |
ANAの国際線特典は、単純なゾーン制ではなく、区間ごとに定められたチャートと、L(ローシーズン)・R(レギュラーシーズン)・H(ハイシーズン)のシーズン区分で必要マイルが決まる。同じ距離帯でもソウルとバンコクでは必要マイルが大きく変わる。JALも「ゾーン制」ではなく、区間基本マイレージにもとづく区間別の設定だ。バリのように直行の設定がない区間は、経由の組み合わせによって必要マイルが変わる。いずれも2025年6月の改定で水準が見直されているため、予約前に各社の最新チャートを必ず確認してほしい。
燃油サーチャージの影響
特典航空券でも燃油サーチャージは別途かかる。金額は各社が原油価格に連動して定期的に見直している。2026年7〜8月発券分の目安では、バンコク・シンガポール往復が約67,000円、バリ往復が約80,800円ほど加算される。マイル数だけでなく、この現金負担も含めて総コストを見ておきたい。

| 航空会社 | 燃油サーチャージ | 備考 |
|---|---|---|
| ANA | あり(油価連動) | ANAマイルで乗るANA便に加算 |
| JAL | あり(油価連動) | JALマイルで乗るJAL便に加算 |
| シンガポール航空(SQ) | なし(廃止済み) | KrisFlyer マイルで乗る場合は不要 |
シンガポール航空は燃油サーチャージを廃止しており、税金のみで乗ることができる。ただしSQのビジネス・ファーストの特典枠は自社のクリスフライヤー会員のためのもので、ANAマイルの「スターアライアンス特典」で取れるのは原則エコノミーだ(くわしくはこちら)。
空席が出やすいタイミング
アジア路線のビジネスクラス特典枠は、出発の355日前(ANAの場合)から開放される。開放直後が最も空席を取りやすい。
逆に取りにくいのは年末年始・ゴールデンウィーク・シルバーウィークの前後2週間だ。この時期に旅行を組みたい場合は、355日前の開放日に即予約することが現実的な手段になる。
また、出発3〜7日前に空席が戻ってくることがある。これはコードシェア便の在庫調整や、ビジネス旅行者のキャンセルによるものだ。直前に検索する価値はある。
ANA・JAL・SQの特徴比較
| 観点 | ANA | JAL | シンガポール航空 |
|---|---|---|---|
| アジア路線マイル数 | 区間別・改定後 | 区間別・改定後 | 中〜やや多め |
| 燃油サーチャージ | あり | あり | なし |
| シートの広さ(短距離) | フルフラット多め | フルフラット多め | フルフラット標準 |
| 機内食 | 和食が充実 | 和食が充実 | シンガポール料理が充実 |
| 空港ラウンジ | ANAラウンジ | JALサクララウンジ | シルバークリス |
初めてのアジアビジネスクラス、どの路線を選ぶか
マイルの少なさで選ぶなら、ソウル線が入り口として最もハードルが低い。ANA・JALともビジネス片道18,000マイル前後だ。フライト時間が2〜3時間なので、ビジネスクラスの体験としては短めだが、空港のラウンジや優先搭乗など「ビジネスクラスの動線」を体験するには十分だ。
本格的なビジネスクラス体験を求めるなら、バリ行きが選択肢に入る。フライト時間が7時間前後あり、フルフラットシートの恩恵を最大限に受けられる。ただし日本からバリ島(デンパサール)への直行便は、ガルーダ・インドネシア航空などが運航しており、ANAはデンパサール直行便を運航していない(ANAのバリ関連の提携も2025年3月に終了している)。ANA・スターアライアンスのマイルで向かうなら、シンガポールやジャカルタなどを経由する形になる点に注意したい。
シンガポール行きは、チャンギ空港という世界屈指の空港を経由地にできる点でも価値がある。シンガポール航空のKrisFlyer マイルを使えば燃油サーチャージが不要なので、総コストを抑えたい人には魅力的な選択肢だ。
詳しいANAビジネスクラスの搭乗体験はANAビジネスクラス完全ガイド、マイルの貯め方はANAマイルの貯め方で解説している。シンガポール航空のビジネスクラス体験はシンガポール航空ビジネスクラスガイドも参考にしてほしい。
ANAのアップグレード特典についてはANAアップグレード特典の使い方で詳しくまとめている。
よくある質問
アジア路線のビジネスクラスに乗るのに最低何マイル必要ですか?
ソウル線がもっともマイル数が少なく、ANA・JALともビジネス片道18,000マイル前後が入り口になります。バンコク・シンガポールなど東南アジア路線はビジネス片道40,000マイル程度が目安です。いずれも2025年6月の特典チャート改定後の水準で、シーズンによって変動します。
ANAマイルとJALマイル、アジア路線はどちらがお得ですか?
2025年6月の改定後は、ソウル・シンガポールなど主要区間で両社の必要マイルはほぼ同水準です。ただし燃油サーチャージは両社ともかかり、区間や時期で金額が変わります。どちらのマイルを多く持っているか、座席品質やスケジュールの好みで選ぶのが現実的です。
シンガポール航空を使うと燃油サーチャージは本当にかかりませんか?
KrisFlyerマイルを使ってシンガポール航空便に乗る場合、燃油サーチャージは不要です。ただし空港税などの諸費用は別途かかります。なおANAマイルの「スターアライアンス特典」でSQのビジネス・ファーストを取ることは、枠が開放されていないため実質できません。
アジア路線のビジネスクラス特典枠が取りやすい時期はいつですか?
年末年始・GW・シルバーウィーク以外の閑散期が取りやすい傾向があります。特に1〜2月の冬季、9〜10月の秋は比較的空席が出やすいです。開放日(ANAは355日前)の直後も狙い目です。
バリ行きビジネスクラスはANAとシンガポール航空、どちらがおすすめですか?
日本からバリ島(デンパサール)への直行便はガルーダ・インドネシア航空などが運航しており、ANAはデンパサール直行便を運航していません。ANAやスターアライアンスのマイルで向かう場合はシンガポールなどを経由します。シンガポール航空を使えばシンガポール経由となり、チャンギ空港での乗り継ぎ体験とSQのサービス品質を楽しめます。直行を最優先するならガルーダ、乗り継ぎ体験を楽しむならSQ経由、と好みとマイルの持ち分で決めるとよいでしょう。
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