ホテルのアップグレードをもらう7つのコツ|マリオット・ヒルトンのポリシー比較

このページは「マリオット日本ガイド」および「ヒルトン日本ガイド」のクラスター記事です。全体像を把握したい方は先に各ガイドをご覧ください。

ホテルのアップグレードは、運任せではない。知っておくべき条件と行動がある。マリオットとヒルトン、それぞれのポリシーの違いを理解した上で動くと、成功率は大きく変わる。

アップグレードが起きやすい3つの条件

どのホテルチェーンでも共通して、アップグレードが起きやすい条件がある。

1つ目は「客室の空き」だ。満室に近い日はアップグレードが難しい。逆に、週中(火〜木)や繁忙期を外れた時期は空室が多く、アップグレードの余地が生まれやすい。

2つ目は「エリートステータス」だ。マリオットのプラチナ以上、ヒルトンのゴールド以上になると、アップグレードが保証または優遇される。ステータスがあるだけでフロントの対応が変わる。

3つ目は「滞在実績」だ。同じホテルに繰り返し泊まっている常連客は、フロントスタッフに顔を覚えてもらえる。記念日や特別な理由を事前に伝えておくと、配慮してもらいやすい。

マリオットとヒルトンのアップグレードポリシーの違い

項目 マリオット ボンヴォイ ヒルトン オナーズ
アップグレード保証 プラチナ以上で「スイート以外のアップグレード保証」あり ダイヤモンドで「空き次第でスイートへのアップグレード」あり
対象ステータス シルバー〜チタン(ランクによって内容が異なる) シルバー〜ダイヤモンド
事前アップグレード チェックイン前日にアプリで確認可能 チェックイン前24時間以内にアプリで通知
スイートへのアップグレード プラチナプレミア・チタンで「スイート特典」あり ダイヤモンドで「エグゼクティブスイート」まで対象

マリオットのプラチナステータスは、「利用可能な客室からのアップグレード」が保証される。ただしスイートは保証の対象外で、あくまで「より良い部屋カテゴリーへの移動」が基本だ。

ヒルトンのダイヤモンドは、スイートへのアップグレードが明示されている。ただし「空き次第」という条件が付くため、満室に近い日は期待できない。

チェックイン時の一言で変わること

フロントに伝えると効果的な言葉がある。

「記念日に利用しています」「以前も泊まって気に入っています」「静かな部屋があればありがたいです」——こうした一言は、フロントスタッフの裁量を引き出しやすい。強く求めるより、感謝と希望を伝える形が好印象を与える。

逆に「アップグレードしてください」と直接要求するのは逆効果になることが多い。スタッフの心証を悪くすると、裁量の余地があっても使ってもらえなくなる。

アップグレードを引き出す7つのコツ

コツ 内容
① エリートステータスを持つ マリオットはプラチナ、ヒルトンはゴールド以上が現実的なライン
② 繁忙期を避けて宿泊する 週中・閑散期は空室が多く、アップグレードの余地が生まれやすい
③ 公式サイト・アプリで直接予約する OTAや代理店経由だとポイントもアップグレード優遇も対象外になる
④ 特別な理由を事前に伝える 予約時のメモ欄、または到着前にホテルへ連絡しておく
⑤ チェックインを急がない 午後のチェックイン時はキャンセルが出ており、午前より空室が多い
⑥ 常連として関係を築く 同じホテルに繰り返し泊まると顔を覚えてもらえる
⑦ 笑顔で感謝を伝える スタッフに気持ちよく動いてもらえる雰囲気をつくる

① エリートステータスを持つ

アップグレードの確率を大きく左右するのが、エリートステータスだ。マリオット ボンヴォイであればプラチナ(年間50泊)以上になると、「利用可能な客室からのアップグレード」が保証される。ヒルトン オナーズはゴールド(年間20滞在または40泊)以上で優遇が始まり、ダイヤモンドになるとスイートへのアップグレードも対象に入る。

ただし、泊まり続けなくてもステータスを手に入れる方法がある。クレジットカードの活用だ。ヒルトン アメックスゴールドカードを保有すると、宿泊実績なしで自動的にゴールドステータスが付与される。マリオットはボンヴォイ アメックスカードでシルバーが付く。泊まる前からステータスを持っておくと、初回の滞在から優遇を受けやすい。

ステータスがあるだけで、フロントスタッフの対応は目に見えて変わる。何も言わなくても、予約情報にステータスが紐づいているため、チェックイン前の時点で「この人はゴールドだから上の部屋を準備しておこう」という判断が自然に働く。

② 繁忙期を避けて宿泊する

アップグレードは、空き部屋があってはじめて成立する。満室に近い状態では、どれだけステータスがあっても移動できる部屋がない。

狙い目は週中(火曜・水曜・木曜)だ。ビジネスホテルでもリゾートホテルでも、週末より稼働率が低い日が多い。また、国内の大型連休(ゴールデンウィーク・お盆・年末年始)は避けるか、連休をはずした平日の前後を選ぶとよい。

海外のリゾートホテルでは、現地のイベントや祭りの時期に満室になることがある。旅程を組む前に、滞在先のエリアのイベントカレンダーを確認しておくと、同じ予算でより良い部屋に泊まれる可能性が上がる。

③ 公式サイト・アプリで直接予約する

Booking.comやじゃらんなどのOTA(オンライン旅行代理店)を経由した予約は、多くのケースでエリートステータスのベネフィットが適用されない。アップグレードはもちろん、ポイント加算やレイトチェックアウトの優遇なども対象外になる場合がある。

公式サイトやアプリから予約すると、ステータスと予約情報が連携される。マリオットのアプリでは、チェックインの数日前からアップグレードの状況が通知されることがある。ヒルトンも同様に、チェックイン前24時間以内にアプリで部屋の確認ができる仕組みを設けている。

価格だけを見るとOTAの方が安く見えることがあるが、ポイントの付与分や特典を加味すると公式の方が実質的にお得になるケースが多い。加えてアップグレードの可能性も考えると、公式予約の優位性は大きい。

④ 特別な理由を事前に伝える

記念日・誕生日・ハネムーンといった特別な理由は、事前に伝えておくと効果がある。予約確定後、ホテルに直接メールまたは電話で「妻の誕生日に利用します」「結婚記念日の滞在です」と連絡するだけで、フロントのメモ欄に記録が残る。

多くのホテルは、公式サイトの予約画面にリクエスト欄を設けている。そこに記念日の旨を書いておくのが一番手軽な方法だ。ただし「アップグレードしてください」と書くのは逆効果になりやすい。「〇〇記念に利用します。良い滞在を楽しみにしています」という形で伝える方が、スタッフの気持ちを動かしやすい。

チェックイン当日に初めて伝えるのでも遅くはないが、事前に連絡が入っている方が準備の時間があり、対応できる可能性が高くなる。

⑤ チェックインを急がない

チェックイン可能時間(多くは15時〜16時)の直後に殺到する時間帯は、フロントが最も混雑する。スタッフも多くのゲストをさばくために余裕がなく、裁量を発揮しにくい状況にある。

少し遅らせて夕方以降にチェックインすると、前泊ゲストのキャンセルや当日の空き状況が整理されており、上位カテゴリーの部屋が空いていることがある。また、フロントが落ち着いている時間帯の方が、スタッフとゆっくり話せる。

荷物だけ先に預けて観光を楽しみ、夕方にチェックインするというスタイルは、アップグレードの観点からも理にかなっている。預かってもらった荷物の受け渡し時に「いいお部屋に変わっていますよ」と言われた経験を持つ人も少なくない。

⑥ 常連として関係を築く

同じホテルに複数回泊まると、スタッフに顔を覚えてもらえる。「また来てくれた」という認識があると、対応が変わる。特にフロントのスーパーバイザーやゲストリレーションズ担当と顔見知りになると、チェックイン時の配慮が自然に働くようになる。

日本国内のホテルでは、同じチェーンの系列を繰り返し利用することで、チェーン全体としての滞在実績が積まれる。マリオットでもヒルトンでも、累積の泊数がステータスに反映されるため、「行きつけのホテル」をチェーン内に持っておくことが長期的なアップグレード体験につながる。

出張で同じホテルを定期的に利用している場合は、チェックイン時に「いつもお世話になっています」という一言が自然に出せるようになる。それだけで関係は変わる。

⑦ 笑顔で感謝を伝える

これが7つの中でいちばん軽視されがちだが、実際には大きく影響する。ホテルのフロントスタッフは日々多くのゲストに対応しており、丁寧に挨拶してくれる人のことはよく覚えている。

チェックイン時に「よろしくお願いします」と笑顔で伝えるだけで、スタッフの印象は変わる。感謝を伝えるのはチェックアウト時も同様で、「とても良い滞在でした。次もまたお願いします」という一言が、次回の滞在につながることもある。

アップグレードはルールではなく、スタッフの裁量によって実現することが多い。裁量を引き出すのは、威圧や要求ではなく、気持ちよく動きたいと思ってもらえる雰囲気だ。これは旅行のテクニックというより、人とのつきあい方の基本でもある。

NGな行動

「アップグレードしてくれないと次は来ない」「他のホテルなら必ずしてくれる」という圧力は逆効果だ。スタッフには裁量があるが、脅しや比較には応じたくない心理が働く。

また、チェックインの列が長い混雑した時間帯に長話をするのも避けたい。スタッフが忙しい状況では、裁量を発揮する余裕がない。混雑が落ち着いてから話しかける方が結果につながりやすい。

マリオットとヒルトンのエリートステータス取得方法

マリオットのプラチナステータスは年間50泊が必要だ。マリオット ボンヴォイ アメックスカードを持っていると、カード保有だけでシルバーステータスが付与される。詳しくはマリオット エリートステータス解説を参照してほしい。

ヒルトンのゴールドステータスは年間20滞在または40泊で取得できる。ヒルトン アメックスゴールドカードを持つと自動的にゴールドステータスが付与されるため、宿泊実績なしでゴールドになれる。詳しくはヒルトン ダイヤモンド特典ガイドを参照してほしい。

日本国内でのマリオットホテル一覧はマリオット日本ガイド、ヒルトンホテル一覧はヒルトン日本ガイドでまとめている。

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よくある質問

ホテルのアップグレードは何時にチェックインすると有利ですか?

午後のチェックインが有利な場合が多いです。午前は前泊のゲストがまだチェックアウト前で空室が少ないですが、午後になるとチェックアウト後の清掃が完了した部屋が増え、アップグレードの選択肢が広がります。

マリオットとヒルトン、アップグレードしてもらいやすいのはどちらですか?

どちらも同程度の体験です。ヒルトンのダイヤモンドはスイートへのアップグレードが明示されている点で優れています。マリオットはプラチナ以上で「利用可能な客室からのアップグレード」が保証されます。最終的にはホテルの空き状況と個別のスタッフ次第です。

OTAで予約するとアップグレードはしてもらえませんか?

OTA経由の予約はポイント加算対象外になるケースが多く、エリートステータスのベネフィットが適用されない場合があります。アップグレードを期待するなら公式サイトやアプリからの直接予約が基本です。

エリートステータスなしでもアップグレードしてもらえますか?

可能性はあります。特別な記念日を事前に伝える、常連として顔を覚えてもらう、閑散期に宿泊するなどの条件が重なると、ステータスがなくてもアップグレードしてもらえることがあります。

「アップグレードしてほしい」とフロントに直接言っても大丈夫ですか?

直接的な要求は逆効果になる場合があります。「記念日で利用しています」「以前も泊まって大変気に入っています」のように感謝と状況を伝える形の方が、スタッフの裁量を引き出しやすいです。