ANAスーパーフライヤーズカードの改定が見直しへ——「300万円未満でラウンジ不可」は混雑時を除き利用可に、300万円の区分は維持【9月29日発表】

【2026年9月29日更新】ANAは9月29日、見直し後の新制度を発表しました。年間決済額300万円の2区分と判定期間は据え置き、SFC LITEのラウンジは「利用不可」から「混雑時を除き利用可」に改められました。発表の中身は本文の「【続報】9月29日」の節にまとめています。7つの論点ごとの答え合わせは、別記事ANA SFC見直し 9月29日の発表をどう読むか——7つの論点の答え合わせをご覧ください。

ANAが2026年6月25日、上級会員向けクレジットカード「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」について、4月に発表していた改定内容を見直すことを明らかにしました。今回見直しの対象になるのは、SNSを中心に大きな反発を呼んでいた「年間決済額300万円未満ならANAラウンジが使えなくなる」という変更です。詳細な内容は、9月末までに改めて案内されるとしています。

さらに翌6月26日の株主総会では、平澤社長がこの見直しの経緯を自ら説明しました。その内容も本文の後半に追記しています。SFC会員として実際にカードを保有し、空港ラウンジを日常的に使っているわたしたちにとって、これは見過ごせないニュースです。なにが発表され、なぜ反発が起き、社長はなんと語り、そしていま会員はどう動けばいいのか。落ち着いて整理しておきます。

目次

4月に発表された改定内容——「300万円の壁」

そもそも、今回見直しの対象になっている改定は、2026年4月にANAが公表したものです。要点は次の一文に集約されます。

ANAの旅客機
ANAの旅客機(写真:Wikimedia Commons / ANA_Boeing_787-8_Dreamliner_cabin_panorama.jpg: Masakazu Mat / CC BY 2.0)

「ANAカード・ANA Payの年間決済額が300万円未満の場合、空港のANAラウンジが利用できなくなる」

これまでANAスーパーフライヤーズカードは、保有しているだけで国内空港のANAラウンジを利用できるのが大きな価値でした。SFC修行をして上級会員資格を得て、その資格をカードで半永久的に維持する——その見返りの中心が、まさにこのラウンジアクセスだったのです。

ところが4月の発表では、そのラウンジ利用に「年間決済額」という条件が新たに付くことになりました。しかも、ここがいちばん誤解されやすいところですが、4月案はラウンジだけの話ではありません。年間決済額によってSFCを2つの区分に分け、特典そのものを2階建てにする——それが改定の正体でした。

具体的には、ANAカード・ANA Payの年間決済額が300万円以上なら「SFC PLUS」、300万円未満なら「SFC LITE」に分かれます。そして、この2つでは受けられる特典が大きく変わります。

特典 SFC PLUS(年300万円以上) SFC LITE(年300万円未満)
ANAラウンジ利用 利用できる 利用できない
スターアライアンスのステータス ゴールド シルバー
フライトマイル積算ボーナス あり(区分到達で5,000マイル付与) 対象外

つまりSFC LITEになると、国内のANAラウンジが使えなくなるだけでなく、スターアライアンスのステータスもゴールドからシルバーへ下がります。これは想像以上に大きな話です。シルバーになると、海外のスターアライアンス・ゴールド共通ラウンジ、優先搭乗、手荷物の優先受け取りといった、世界中で効く上級会員の優遇までまとめて外れてしまうからです。「ラウンジが使えなくなる」という見出し以上に、実際の打撃は深い——これが4月案でした。

この区分は2028年4月から導入される予定で、最初の判定期間は2026年12月16日から始まります。この1年間のANAカード・ANA Payの決済額(家族カードも合算)で、2028年度にPLUSかLITEかが決まる仕組みでした。ただし、ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達したミリオンマイラーは、決済額に関わらずSFC PLUSの対象として優遇されます。

このSFC LITE・SFC PLUSという区分の中身については、別記事「SFC LITE・SFC PLUSの特典を完全比較」でくわしく解説しています。あわせて読むと、今回の見直しがどの部分に効いてくるのかがよりはっきりします。

なぜ反発が起きたのか

SFCの本質は「所属」に近いものでした。修行という手間とお金をかけて資格を取り、カードで維持する。その代わりに、空港では一段上の体験が約束される。会員はその関係を信じてカードを持ちつづけてきたのです。

年間300万円という決済条件は、ふだんからANAカードをメインカードにして高額決済をしている人にとっては難しくありません。けれど、SFCを「飛行機に乗るときの体験のために」維持してきた人にとっては、日常の買い物までANAカードに寄せないとラウンジが守れない、という話になります。条件をクリアできない会員にとっては、実質的な値上げ・サービス低下と受け取られました。

SNSでは「修行までして得た資格の意味が変わる」「後出しでルールを変えるのはどうなのか」といった声が相次ぎ、これが今回の見直しにつながったとみられます。上級会員という、ANAにとって最もロイヤルな顧客層からの反発だっただけに、ANAも対応を迫られた形です。

ネット上ではどんな声があがっているか

このニュースのコメント欄やSNSには、たくさんの声が集まっています。まったく同じ言い回しではありませんが、おおよそ次のような意見が目立ちました。わたしたちが読んでいて、温度の高さが伝わってきたものを整理しておきます。

いちばん多いのは、既存会員を軽く扱われたと感じる怒りです。「過去最高益を出しているのに、なぜいまある主要特典を切り下げる必要があるのか」「長年、高額決済もマイルの実績も積んできた会員が報われない」——そんな声が、もっとも多くの共感を集めていました。20年近くプラチナポイントを達成し、年400万円超を決済してきたという人からも、自分の積み重ねが切り捨てられるのか、という落胆が出ています。

発表のタイミングそのものへの疑問も目立ちます。「株主総会の前日に見直し検討を出してきたのはなぜか」「直前のJAL株主総会でJGC(JALグローバルクラブ)維持の姿勢が示されたことと関係があるのでは」——経営判断の透明性を問う、鋭い指摘でした。

判定の方法への違和感も強くあります。「マイルの実績ではなく、カードの決済額で線を引くのは、ANAのラウンジサービスとしておかしい」「いつも乗るのはANAというファンこそ大事にすべきではないか」。混雑の緩和が目的なら家族会員の見直しや同行者利用の有料化を、会費まわりが目的ならカード年会費の改定を——目的に合った直接的なやり方をすればよかったのに、決済額という間接的な手段を選んだから批判が大きくなった、という冷静な分析も見られました。

なかには「これを機にJALに乗ったら機内食もよくて、マイル縛りから解放されたい」という、他社への乗り換えをにおわせる声もありました。ロイヤルな顧客ほど、裏切られたと感じたときの反動は大きいものです。

声の種類 おもな中身
既存会員の軽視への怒り 最高益なのに主要特典を切り下げるのか。積み上げてきた実績が報われない
タイミングへの疑問 株主総会前日の発表、JALのJGC維持表明との対比
判定方法への違和感 決済額ではなくマイル実績で見るべき。間接的な手段が不透明
他社への流出 これを機にJALへ、という声も
一定の理解(少数) ラウンジが混んでいるのは事実。なんらかの制限は必要という声も

いっぽうで、少数ながら擁護的な見方もあります。「実際にラウンジは混んでいて、座れないこともある。なんらかの線引きは必要だ」という意見です。つまり、改定そのものを全否定する声ばかりではなく、やり方と伝え方が問題だった、という受け止めが多いのです。

これらの声に共通しているのは、「ANAが嫌い」だから怒っているのではない、ということです。むしろANAが好きで、長く付き合ってきたからこそ残念だ——そういう温度感です。だからこそANAも無視できず、見直しに踏み切ったのだと、わたしたちは見ています。

9月末までに改めて案内——見直しの中身はこれから

6月25日の発表でANAが明らかにしたのは、「4月の改定内容を見直す」という方針までです。具体的にどう変えるのか——300万円という基準を引き下げるのか、ラウンジ利用の条件そのものを撤回するのか、別の形に置き換えるのか——は、現時点では示されていません。

注目したいのは、ANAが公式サイトの案内のなかで「お詫び」まで述べていることです。先般発表した制度改定について多くの意見をもらっていること、いまその内容の見直しを検討していること、すでに案内した内容を再検討することになりお詫びする、という趣旨が、はっきりと書かれています。企業が一度発表した制度について正式に謝罪し、撤回をふくむ再検討に踏み込むのは、めずらしいことです。それだけ会員の声が重く受け止められた、ということでもあります。

ANAは、詳細を9月末までに改めて案内するとしています。つまり、今夏のあいだは「見直しが決まったが、中身は未定」という宙ぶらりんの状態がつづくことになります。

時期 できごと
2026年4月 SFCカードの改定を発表(年間決済300万円未満でラウンジ利用不可)
2026年6月25日 改定内容を見直すと発表(公式サイトで「お詫び」を表明)
2026年6月26日 株主総会で平澤社長が見直しの経緯を説明
2026年7月4日 景品表示法に触れるのではという指摘に、ANA広報部が「諸法令に抵触しない」と回答(報道)
2026年上期中(9月末まで) 見直し後の新サービス内容を改めて案内する予定

【続報】6月26日の株主総会で、社長が語ったこと

2026年6月26日、ANAホールディングスの定時株主総会が開かれ、SFCの見直しについて平澤寿一社長が自ら説明しました。ここで、4月の改定がなぜ生まれ、なぜ見直すことになったのかが、経営トップのことばではっきりしました。わたしたちが受け止めた要点を整理します。

まず、改定をした理由について。社長は「SFCは長年多くのお客様にご愛顧いただき、年々会員が増えている。いっぽうで、将来にわたって安定的にサービスを提供することが難しくなってきた」という趣旨を述べました。具体的には、羽田・新千歳・福岡・那覇といった主要空港で、ピーク時間帯にラウンジが混みすぎて座れない・入れないことが起きていること。そして、この混雑は2030年度に向けてさらに悪化すると見ていること。空港の施設じたいを広げるのは難しいため、なんらかの線引きが必要だと判断した——そういう説明でした。社長によると、ANAは搭乗回数を基準にする案や、入会資格そのものを厳しくする案など、いくつかのやり方を検討したうえで、年間の決済額という物差しにたどり着いたといいます。つまり、ラウンジ混雑への対応が改定の出発点だった、ということが、社長のことばではっきりしたわけです。

つぎに、見直すことにした理由について。社長は「4月23日の発表以降、株主・お客様から非常に多くの声をいただいた。その意見に真摯に耳を傾け、改定内容の見直しを行うことにした」と語りました。さらに「1日も早く信頼関係を取り戻したい」とも述べています。利用者の気持ちに十分に応えられなかった、という反省がにじむ発言でした。

この総会では、運航会社であるANAの平澤社長だけでなく、持ち株会社ANAホールディングスの芝田浩二社長も発言しています。芝田社長は4月の改定をめぐって、当初「一定程度の離反は織り込んでいる」という趣旨の説明をしていました。一定数の会員が離れることは見込みのうち、という受け取られ方をしたことばです。これがロイヤルな会員を軽んじているように響き、反発をさらに強めていました。総会で芝田社長はこの点について、適切なことばづかいに努めるとしたうえで「申し訳ございませんでした」と陳謝しました。運航会社のトップだけでなく、持ち株会社のトップまでが頭を下げた——そこに、今回の一件をANAがどれだけ重く受け止めているかが表れています。

そして、いちばん気になる「見直し後の中身」については、新しいサービス内容を上期中(9月末まで)をめどに改めて案内する、というところまで。300万円という基準を引き下げるのか、区分そのものをやめるのか、別の形にするのか——具体的な方向はこの日も示されませんでした。撤回なのか、線引きの緩和なのかは、まだ読めません。

なお同じ株主総会では、SFC以外にも、5月のシステム刷新で起きた国内線の不具合を7月末までに解消する見通しや、最安運賃「シンプル」で満席時に搭乗を断ることは「絶対にない」と明言したことなども話題になりました。SFCの一件だけでなく、足もとの信頼回復が問われた総会だったといえます。

マイラーやブロガーのあいだでも、この総会の発言を受けたレビューや分析がさっそく出はじめています。論点はおおむね「社長が混雑という事情を認めたのは理解できる。ただ、決済額で線を引くやり方が本当に最適なのかは別問題だ」というあたりに集まっています。9月末の正式案内で、ANAがこの宿題にどう答えるか——そこが次の焦点になります。

【続報】「景品表示法に触れるのでは」という声と、ANAの回答

7月に入ってから、この一件には法律の面からの論点も加わりました。専門メディアの取材にANA広報部が答えた内容が、2026年7月4日に報じられています。

きっかけは、SNSで広がったひとつの疑問でした。ANAはこれまで、スーパーフライヤーズカードを持ちつづけるかぎり上級会員の待遇が続くという趣旨で案内してきた。それなのに、あとから年間300万円という決済条件を足すのは、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に触れるのではないか——そういう指摘です。

これに対してANA広報部は、景品表示法をふくむ諸法令に抵触するものではないと認識している、という趣旨の回答をしています。根拠として説明されているのは、スーパーフライヤーズ会員の規約に、ANAの決定によって内容を変更したり廃止したりできる条項がある、という点です。つまり規約のうえでは、変更の余地はもともと残されていた、ということになります。

いっぽうで、これで全部が片づくわけではない、という見方もあります。SFCの中心にあるのは単なるカード付帯のサービスなのか、それとも上級会員としての待遇そのものなのか。後者だとすれば、あとから決済条件を足すことは契約の目的そのものに触れてくるのではないか——とくに既存会員については慎重に見るべきだ、という議論です。ここは専門家のあいだでも見解が分かれています。

わたしたちがここで注目したいのは、法律論の勝ち負けではありません。ANA自身が「法令には触れない」と言いきったという事実のほうです。つまり今回の見直しは、法的に迫られてやむなく引き戻したものではなく、会員の声を受けた経営判断としてやっている、ということになります。だとすれば、9月末の発表がどこに着地するかを決めるのは、法律ではなくANAの意思です。意思で決めるからこそ、既存会員への配慮がどう書かれるかが、いちばんの読みどころになります。

【続報】8月13日、日経が伝えた「誤算」

2026年8月13日、日本経済新聞がSFC見直しの背景を掘り下げた記事を載せました(14日に更新)。見出しは「ANA『SFC特典』見直しの誤算 後発国際線のけん引役、今や重荷に」。会員登録者向けの記事なので全文はここでは紹介しませんが、報じられた要点を、わたしたちの理解でまとめておきます。

ひとつめは、SFCがANAにとってどういう存在だったかという話です。ANAは国際線ではJALより後発でした。乗ってくれた人にもう一度乗ってもらう——その仕組みとしてSFCを育て、長く赤字だった国際線を黒字へ押し上げる原動力にしてきた。ところが会員が積み上がりつづけた結果、いまはその優遇そのものが運営の重荷に変わっている。制度の育ての親が、そのまま重荷になったという構図です。

ふたつめは、反発の大きさについてです。日経の報道では、4月の発表に対する会員の反応がANAの想定を超えていたとされています。これは6月の株主総会で持ち株会社の芝田社長が「一定程度の離反は織り込んでいる」という趣旨の説明を陳謝したこととも重なります。社内の見立てでは想定の範囲だったものが、実際にはその外まで広がった。だから、9月末の案内も形だけの手直しでは済まない、という読みかたができます。

みっつめ。この報道でわたしたちが注目したのは、ANAが「線引きそのものをやめる」とは言いにくい事情が、あらためて裏づけられたことです。ラウンジの混雑という運用の問題に加えて、上級会員の優遇にかかるコストが事業の重さとして語られている。だとすれば、9月末の発表が4月案の完全撤回になる可能性は、そう高くないと見ておくほうが安全です。基準の緩和、経過措置、ラウンジ条件の切り離し——そのあたりの組み合わせで着地する形を、いまのうちに想定しておきたいところです。

この日経の報道そのものを整理した記事は「ANA「SFC特典」見直しの誤算とは?国際線を支えた制度が今なぜ重荷になっているのか」にまとめています。また、9月末の発表を受け取るときに順番に確認したい論点は「ANA SFC見直し 9月末の発表をどう読むか」に7つに分けて書きました。

【続報】8月16日、専門メディアが問うた「300万円は現実的か」

2026年8月16日、航空・旅行の専門メディア「トライシー」が、SFCの制度変更を論じたコラムを載せました。書いたのはフリーライターの安藤龍さんです。見直しの表明から2か月ほどがたち、議論の中身が「反発が大きかった」から「では、いくらならいいのか」へ移ってきたことがわかる記事でした。

いちばんの論点は、年間300万円という数字の重さです。月に直すと25万円。日本の平均年収がおよそ450万円であることをふまえると、その額をカードで払いつづけられる人は限られます。かりにSFC会員の多くが年収1,000万〜1,500万円の層だとしても、税金や社会保険料、住まいの費用、教育費や貯蓄を引いたあとに残る「カードで払える生活費」はぐっと少なくなる。だから300万円という線はやりすぎではないか、というのがコラムの見立てです。

そのうえで落としどころとして挙げられていたのが、年間100万〜200万円という水準でした。クレジットカードの世界では、ボーナスポイントや優待の区切りとしてよく使われる金額です。暮らしの実感から遠くなく、会社の側も会員を選び分けられる。両方が立つ線として現実的ではないか、という提案です。

わたしたちがこの記事で大事だと思ったのは、金額そのものより、議論の位置が変わったことです。4月の発表から6月の見直し表明までは「300万円は高すぎる」という声の大きさが焦点でした。いまは、専門メディアが具体的な代案の数字を出すところまで来ています。9月末の案内を読むときも、まず目がいくのは金額でしょう。300万円のまま据え置かれるのか、100万〜200万円の帯まで下りてくるのか、それとも決済額そのものをラウンジの条件から外すのか。この3つのどれに近いかで、受け止めかたは大きく変わります。

【続報】8月19日、ANAアメックスのSFCカードも刷新へ——年会費が上がる

2026年8月19日、アメリカン・エキスプレスがANAとの提携カードを全面的に刷新すると発表しました。新しいカードの申し込み受付は、2026年9月2日の13時から始まります。見直しの中身そのものとは別の話ですが、SFC会員には直接ひびく発表でした。ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・ゴールド・カードと、同スーパーフライヤーズ・プレミアム・カードも、この刷新の対象に入っているからです。ANA公式のスーパーフライヤーズカードのページにも、2026年9月2日以降の申し込み分からカードデザイン・特典・サービスおよび年会費等の改定がある、という注記が付きました。

いちばん大きいのは年会費です。標準版のゴールド・カードは本会員が34,100円から42,900円へ、家族会員が17,050円から21,450円へ上がります。プレミアム・カードは本会員が165,000円から187,000円へ。既存の会員については、新しい年会費は2026年11月21日以降の引き落とし分から適用されます。

カード 改定前の年会費 改定後の年会費
ゴールド・カード(本会員) 34,100円 42,900円
ゴールド・カード(家族会員) 17,050円 21,450円
プレミアム・カード(本会員) 165,000円 187,000円
プレミアム・カード(家族会員) 4枚まで無料 4枚まで無料

いずれも標準版の金額です。スーパーフライヤーズ版も年会費改定の対象だと注記されていますが、SFC版そのものの新しい金額は、この案内の時点では公表されていません。

上がるいっぽうで、足される特典もあります。年間の利用額に応じたボーナスマイルが新しくでき、ゴールドは年400万円以上で15,000マイル、プレミアムは年600万円以上で30,000マイル。ここにもスーパーフライヤーズカードを含む、と注記されています。羽田空港第2ターミナルのPOWER LOUNGE PREMIUMが同伴者1名まで回数の制限なく使えるようになり、飲食での20パーセントのキャッシュバック(年間の上限はゴールドが2万円、プレミアムが4万円)も加わります。既存の会員への適用は特典ごとに時期がちがい、ラウンジは9月2日から、飲食のキャッシュバックは10月29日から、利用ボーナスマイルは2027年1月1日からです。

いっぽうで、気をつけておきたい変更もあります。海外旅行傷害保険が、2026年11月1日から自動付帯ではなく利用付帯になります。旅行の代金をそのカードで払っていないと補償を受けられない可能性がある、ということです。カードをもっているだけで守られていた人は、支払いかたのほうを変えることになります。

この発表を、わたしたちはSFCの見直しと重ねて読んでいます。4月案が生きていれば、ラウンジを使えるかどうかは年間300万円の決済で決まります。その決済を受け止めるカードのほうが、年会費を上げ、しかも年400万円・600万円という新しいボーナスマイルの段を置いた。ANAカードに決済を寄せる人ほど報われる設計が、カード会社の側からも一段はっきりしたわけです。9月末の案内で300万円という線がどこに落ちるにせよ、決済を集めておく構えが無駄になりにくいことは、この発表からも読み取れます。

【続報】8月21日、経営学者が問うた「量と質のトレードオフ」

2026年8月21日、ダイヤモンド・オンラインにSFCの制度改定を論じた記事が載りました。書いたのは早稲田大学大学院経営管理研究科の長内厚教授です。見出しは「ANAの『SFC制度改定』は本当に改悪なのか」。会員の反発とは別の物差しで、この改定を読もうとした記事でした。

軸になっているのは、サービス業がいつもかかえる課題です。ラウンジの椅子にも、優先搭乗の列にも、数のかぎりがあります。会員が増えれば増えるほど、一人あたりの体験は薄まっていく。長内教授はこれを量と質のトレードオフと呼び、限られた資源の質を守りながら、大きくなった会員基盤をどう維持するかという問いとして立てています。混雑したラウンジや長くなった優先搭乗の列は、待ち時間とストレスを減らすというサービス本来の値打ちそのものを失わせてしまう。ここが出発点だという見かたです。

もうひとつ挙げられているのが、修行による会員の増えかたです。資格を取るためだけに搭乗を集中させるという動きは、制度をつくった当初には想定されていなかった。想定の外で会員が積み上がった結果として、いまの混雑があるという整理です。記事には「決済額による選別はそれほど悪くない」という見出しも立っていますが、そこから先は有料の部分なので、ここでは中身に触れません。

この2週間で出てきた3つの記事は、それぞれ立つ場所がちがいます。8月13日の日経は経営の内側から、8月16日のトライシーは会員の家計の感覚から、そして今回は経営学の枠組みから。並べてみると、議論の中心が「反発が大きかった」から「では、どう線を引くのが理にかなうのか」へ移ってきたことがわかります。

ただ、量と質のトレードオフという整理を受け入れたとしても、そこから決済額という物差しがまっすぐ出てくるわけではありません。ラウンジを混ませるのは空港にいる人であって、カードで買い物をした人ではないからです。混雑を減らしたいなら、搭乗の実績で見るほうが理屈は通ります。それでも決済額が選ばれたところに、ANAの別のねらいが混じっている——わたしたちはそう見ています。9月末の案内が、この二つのねらいをどう書き分けるか。そこがいちばんの読みどころです。

【続報】9月2日、ANAアメックスの刷新が始まった——SFC版の年会費もはっきりした

2026年9月2日、8月に予告されていたANAアメリカン・エキスプレス提携カードの刷新が、実際に始まりました。同日から新しいカードの申し込み受付がスタートし、公式サイトの案内も新しい年会費のものへ切り替わっています。

8月の発表の時点でわからなかったのは、スーパーフライヤーズ版がいくらになるのかでした。刷新の対象に含まれるとは書かれていたものの、金額そのものは示されていなかったからです。今回の案内では、年会費の表に「ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・ゴールド・カードも含みます」という注記がはっきり付きました。スーパーフライヤーズ版も標準版と同じ金額だということです。ゴールドは本会員が42,900円、家族会員が21,450円。プレミアムは本会員が187,000円で、家族カードは4枚まで無料のままです。

もうひとつ、今回あらためて出てきたのが、新しい年会費がいつから請求されるのかという話です。ここは一律ではありませんでした。すでにカードをもっている人は、前回の年会費が請求された月によって、新しい年会費に切り替わる月がちがいます。

前回、年会費が請求された月 新しい年会費の請求が始まる月
2025年11月 2026年11月
2025年12月 2026年12月
2025年8月〜10月、および2026年1月〜8月 2027年の同じ月

つまり、11月に全員の年会費が上がるわけではありません。人によっては2027年の夏まで、いまの年会費のままです。ゴールドで年8,800円、プレミアムで年22,000円の差ですから、自分がどの月にあたるのかは一度たしかめておく値打ちがあります。カードの利用履歴で「年会費」を検索すると、請求されている月がわかります。

足される特典のほうも、始まる時期がそろっていません。羽田空港第2ターミナルのPOWER LOUNGE PREMIUMは9月2日から。飲食のキャッシュバックは10月29日から。利用ボーナスマイルは2027年1月1日からで、2026年12月31日まではこれまでのANA SKY コイン獲得プログラムがつづきます。海外旅行傷害保険が自動付帯から利用付帯に変わるのは11月1日です。年会費が上がるのが先で、新しい特典がそろうのは年をまたいでから、という順番になっています。

いっぽうで、ANA公式のスーパーフライヤーズカードの制度変更ページは、この日も6月25日の文面のままでした。見直しを検討していること、詳細は2026年9月末までにあらためて案内すること。それ以上のことは、まだ書かれていません。最初の判定期間は2026年12月16日に始まる予定です。案内が9月末ぎりぎりになれば、会員に残される準備の時間は2か月半ほどしかありません。決済の寄せ先を変えるにも、家族カードを足すにも、それぞれ手続きの時間がかかります。9月は、この話がいちばん動く月になりそうです。

【続報】9月30日、SFC会員の特典がひとつ静かに終わります——羽田空港の駐車場優先予約

制度改定の行方とは別に、SFC会員の特典がひとつ、今月末で終わります。羽田空港の駐車場の優先予約サービスです。ANAのお知らせによると、終了は2026年9月30日。対象はダイヤモンドサービスメンバー、プラチナサービスメンバー、そしてスーパーフライヤーズ会員です。

対象の駐車場は羽田空港第3駐車場で、運営しているのはANAではなく、一般財団法人空港振興・環境整備支援機構です。終了の理由もANA側の都合ではありませんでした。駐車場の混雑が深刻になり、公共の駐車場としてすべての利用者が公平に使える状態にしたい。機構からそういう方針が示され、ANAがそれを受け入れた、という説明です。このお知らせが出たのは2026年5月27日でした。

気をつけたいのは、区切りかたです。9月30日までの利用日を含む予約までが対象で、10月1日以降の利用日を含む予約は、入場が9月30日以前であっても優先予約では取れません。9月29日から10月1日までのような、月をまたぐ予約が該当します。10月以降は一般の「羽田空港国内線駐車場予約サービス」から手続きすることになります。登録済みのメールアドレスとパスワードはそのまま使えますし、9月30日以前の利用履歴の確認や領収書の発行もこれまでどおりです。

金額の大きな話ではありません。それでも、ラウンジの行方が決まらないうちに、SFCの特典がひとつ静かに減りました。ラウンジも駐車場も、理由として挙げられているのは同じ「混雑」です。混んできたものから順に、優先枠が見直されている。この重なりかたは、9月末の案内を読むときの下地になると思います。9月30日は、SFC制度の見直しが案内される期限と、同じ日です。

【続報】9月10日、会則の改定日は12月1日のまま——公式ページの文面も変わっていません

9月に入ってからも、ANA公式サイトの制度変更ページに動きはありません。2026年9月10日に確認した時点でも、見直しを検討していること、詳細は2026年9月末までにあらためて案内すること、その2文と、下に残る当初案の中身。4月に発表されたときの構成のままです。

そのいっぽうで、あまり話題になっていない日付があります。2026年12月1日です。

制度改定を発表した2026年4月23日、ANAは同じ日にもうひとつのお知らせを出していました。ANAマイレージクラブ会員規約と、ANAスーパーフライヤーズ会則を、2026年12月1日を改定日として一部変更するという告知です。変わるのは、会員規約の第1章 総則 第2条の定義のうち「特典」「スーパーフライヤーズ会員」「スター アライアンス ゴールドメンバー」「スター アライアンス シルバーメンバー」の4つ。あわせて、スーパーフライヤーズ会則の条文も一部が変更・追加されると書かれています。

ここに並んでいる4つの語は、今回の改定でいちばんもめているところと、そっくり重なります。ラウンジを含む特典を使えるかどうか。スターアライアンスでゴールドなのか、シルバーなのか。制度の案内ページより先に、その土台にあたる規約と会則のほうが書き換わる予定になっている、ということです。

そして、このお知らせは9月10日時点でも4月23日づけのまま掲載されています。取り下げや延期を伝える注記は見あたりません。6月25日に見直しを検討すると公表したあとも、会則の改定日は12月1日に置かれたままです。

日付の並びで見ると、この12月1日は、見直しの案内期限(9月末)と、最初の判定期間の開始日(12月16日)のあいだにあります。判定期間の始まりまで、わずか15日前です。9月末の発表を読むときは、制度の中身だけでなく、この改定日が動くかどうかもあわせて確かめたいところです。日付が後ろへずれるなら、見直しは文言の手直しでは済まないという合図になります。12月1日のまま動かないなら、大枠は当初案を引き継ぐという読みかたになります。

【続報】9月29日、ANAが見直し後の新制度を発表——300万円の区分は維持、LITEのラウンジは「混雑時を除き利用可」に

2026年9月29日、ANAは公式サイトのスーパーフライヤーズカードのページを書き換え、見直し後の制度内容を発表しました。6月25日に「9月末までに」と期限を切ってから3か月あまり、期限の2日前です。

先に結論を書きます。年間決済額300万円でSFC PLUSとSFC LITEに分ける骨格は、そのまま残りました。判定期間も2026年12月16日から2027年12月15日までで変わりません。変わったのは、SFC LITEのラウンジ条件です。4月案の「利用できない」が、「国際線は羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用できる。国内線は混雑時を除いて利用できる」に改められました。スターアライアンスのステイタスがシルバーになることと、5,000マイルの特典が対象外になることは、4月案のままです。

項目 4月案 9月29日の発表
区分の基準 年間決済額300万円で2区分 同じ(据え置き)
判定期間 2026年12月16日〜2027年12月15日 同じ(据え置き)
新区分の開始 2028年4月 同じ(据え置き)
SFC LITEのANAラウンジ 利用できない 国際線:羽田・成田・ホノルルのANAラウンジが利用可
国内線:混雑時を除き利用可。LITE向けの事前予約制を導入(詳細は2027年度中)
SFC LITEのスターアライアンス シルバー シルバー(据え置き)
SFCマイル特典5,000マイル PLUSのみ PLUSのみ。ただし決済額300万円以上のときだけ(据え置き)
100万ライフタイムマイルの特例 決済額に関わらずPLUS 同じ(据え置き)
既存会員への経過措置 なし なし。改定を理由に退会した人の特例再入会だけ新設(2027年3月31日まで)

国内線のラウンジについては、年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休、出発便が集中する時間帯は利用できない場合があると注記されています。それを補うために、LITE会員を対象にした事前予約の仕組みが導入されます。対象は国内線のANAラウンジで、予約枠には限りがあります。成田空港のANA ARRIVAL LOUNGEと、名古屋(中部)・関西・熊本・宮崎の共用ラウンジ、コードシェア便は予約の対象外です。詳しい予約方法は2027年度中にあらためて案内するとされています。予約をもたずに空港に行った場合は、当日にラウンジの受付で利用できるかどうかを確認する形になります。SFC PLUS会員は予約なしで利用できます。LITE会員でブロンズのステイタスをもっている人は、混雑時でもマイルを使えば入れます。羽田空港の国内線ラウンジは、2027年度に拡張が予定されています。

もうひとつ、4月案にはなかった救済が加わりました。4月の発表を見てSFCを退会した人の特例再入会です。対象は2026年4月23日から9月29日のあいだに制度改定を理由に退会した人で、ANA公式サイトの専用申請フォームから2027年3月31日の送信分までに申請します。提携カード会社の審査と年会費があり、カード番号とお客様番号は新しく発行されます。申込書の到着に1〜2か月かかる場合があるため、迷っているなら早めの申請が安全です。

ANAは公式サイトのよくあるご質問で、ラウンジの利用について多くの声が寄せられたこと、実現できる改善策を検討した結果としてラウンジの利用条件を変えたこと、を理由に挙げています。専門メディアのAviation Wireによれば、ANAは4月の発表について、ラウンジの混雑緩和を優先するあまり長く利用してきた会員への配慮が足りなかったという趣旨で謝罪し、基準額の引き下げや搭乗実績との併用、適用範囲についても再検証したうえで300万円の基準は維持したと説明しています。同じ報道では、SFCの会員規模が2026年時点で2019年の約1.5倍になっていること、SFC会員のカード利用は全体の約4割が年間100万円未満、約3割が50万円未満にとどまることも伝えられています。

わたしたちの受け止めを書いておきます。国内でラウンジを使う人にとっては、混雑していない時間帯にかぎって以前に近い形が戻りました。ただし、ラウンジがいちばん欲しくなる年末年始や朝夕のピークにこそ入れない可能性は残ります。そして海外でスターアライアンス加盟航空会社に乗る人にとっては、ゴールドの優遇が戻っていないので、4月案とほとんど変わっていません。この発表の重さは、自分がどちらの立場にいるかでまったく違います。判定期間の開始は12月16日で確定しましたから、300万円に届く見込みがある人は、10月と11月のうちに固定費の集約を終えておくのが実務的です。届かない見込みの人は、LITEに残るものを見たうえで年会費とのつり合いを考える、という順番になります。

【続報】9月30日、発表の翌日に見えてきた3つのこと

発表から一夜明けた2026年9月30日、経済メディアや旅行メディアの解説が出そろいました。9月29日の時点ではわからなかった背景が、いくつか伝えられています。3つに分けて書きます。

1. 国内線ラウンジの利用者は約6割がSFC会員だった

旅行メディアのタビリスは、日本経済新聞の報道として、2025年度には主要空港の国内線ラウンジ利用者の約6割をSFC会員が占めていたと紹介しています。夕方を中心に満席がつづいていた、という説明です。同じ記事によれば、ANAは200万円など別の基準額も試算したものの、それではラウンジの混雑を十分に解消できず、300万円がもっとも合理的だと判断した、と説明しているとのことです。

Business Insider Japanは、ANAマイレージクラブを運営するANA Xの神田真也社長のコメントを伝えています。会員に快適で価値のあるサービスをこの先も届けつづけることが自分たちの責務であり、その考えから今回の判断に至った、という趣旨です。

300万円という金額が動かなかった理由は、9月29日の発表だけでは読みとりにくいものでした。利用者の6割という数字と、200万円では足りなかったという試算を並べると、ANAの側の理屈は見えてきます。納得できるかどうかは別として、基準額がこの先すぐに下がる見込みは薄い、と読んでおくのが現実的です。

2. シルバーへの変更はスターアライアンスの決まりによるもの

国内のラウンジは条件つきで戻ったのに、なぜスターアライアンスのステイタスだけはシルバーのままなのか。ASCII.jpの解説記事とタビリスは、そろって同じ事情を挙げています。スターアライアンスの決まりでは、ゴールドのステイタスと加盟各社のラウンジを利用できる権利がひとつのものとして扱われています。自社のラウンジに利用の制限をかける会員を、アライアンスのうえではゴールドのままにしておく、という形はとれないという説明です。

つまり、LITEのラウンジを「混雑時を除き利用可」という条件つきにした時点で、ゴールドを残す道は閉じていたことになります。ラウンジの緩和とゴールドの維持は、両方いっしょには成り立たない関係でした。

3. 海外からの帰国便ではラウンジに入れない場面が多い

実務でいちばん効いてくるのが、この点です。LITE会員が国際線で利用できるのは、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジです。ASCII.jpの記事が指摘しているとおり、ANAが海外の空港で自社のラウンジを運営しているのはホノルルだけです。ヨーロッパやアメリカ本土、アジアの各都市から帰るときは、ANAの運航便に乗る場合でも、現地では提携航空会社のラウンジを利用する形になります。そこに入る根拠はスターアライアンス・ゴールドですから、シルバーのLITE会員は入れません。

場面(ANAグループ運航便) SFC LITEのラウンジ
日本を出発する国際線(羽田・成田) ANAラウンジを利用できる
ホノルルを出発する帰国便 ANAラウンジを利用できる
ホノルル以外の海外の空港を出発する帰国便 提携ラウンジは対象外
国内線 混雑時を除きANAラウンジを利用できる

行きは羽田や成田のラウンジで過ごせても、帰りの海外の空港では入れない。長いフライトの前にいちばんラウンジがほしくなる場面で使えない、ということです。同じ記事は、会社の規定で出張の航空券を個人のカードで決済できない人の悩みにも触れています。よく飛んでいるのに決済額は積みあがらない、という人がここに当てはまります。

わたしたちの受け止めは、9月29日に書いたものから変わりません。ただ、見る場所ははっきりしました。年に何度か海外へ出る人は、「国際線でも使える」という案内をそのまま受けとらず、自分がよく使う帰国便の出発空港を思いうかべてください。そこがホノルル以外なら、LITEではラウンジに入れない前提で、年会費とのつり合いを考えるのが確かです。

【続報】10月2日、説明会の一問一答から読めること——LITEは全体の約6割、そしてJALが動きました

発表から3日がたちました。ANAが9月29日に開いた記者向けの説明会について、専門メディアのトライシーが一問一答の形でくわしく伝えています。公式ページの文面だけでは見えなかった数字と、ANAの考えかたが出ています。さらに翌9月30日には、JALが上級会員制度の変更を発表しました。4つに分けて書きます。

1. LITEになるのは全体の約6割という試算

トライシーによれば、ANAの試算では、年間決済額300万円以上のSFC PLUSにあたる人が会員全体の約4割、300万円未満のSFC LITEにあたる人が約6割です。そしてLITEにあたる人のうち約35%、会員全体でいえば約21%は、年間のANA便の利用がゼロだといいます。実際に空港でラウンジを使うと見込まれるLITE会員は、全体の約25%にとどまる、という説明でした。

ANAの試算(会員全体に占める割合) 割合
SFC PLUS(年間決済額300万円以上) 約4割
SFC LITE(年間決済額300万円未満) 約6割
LITEのうち、年間のANA便の利用がゼロの人 約21%(LITEの約35%)
LITEのうち、ラウンジを使うと見込まれる人 約25%

300万円という線を越える人が4割もいる、という数字は、会員の体感とはかなり離れているかもしれません。いっぽうで、カードをもっているだけで1年に1度もANAに乗らない人が5人に1人いる、という数字は、ANAがなぜ搭乗ではなく決済に物差しを置いたのかを考える材料になります。試算はあくまでANAの見立てで、判定期間がはじまってからの実績とは別のものです。

2. 事前予約は2028年4月の開始にそろえる方向

公式ページでは「詳細は2027年度中に案内」とだけ書かれていたLITE向けの事前予約について、説明会ではもう一歩踏みこんだ話が出ています。ANAはいま仕組みの要件を固めている段階で、できるかぎり2028年4月の新制度の開始にそろえて導入できるよう調整している、とのことです。羽田空港の国内線ラウンジの拡張工事は2027年度のはじめに着工し、2027年度中に順次使えるようにする予定です。増える席数は公表されていません。地方空港については、いまのところ追加の拡張の予定はないものの、検討はつづけるという説明でした。

つまり、LITE会員にとっての国内線ラウンジは、「混雑時は入れない」と「予約があれば入れる」が同時にはじまる見込みです。予約の仕組みが間に合うかどうかで、2028年4月の使い勝手は大きく変わります。ここは今後の案内で確かめたい点です。

3. 長く会員でいる人への緩和がなかった理由

既存会員への経過措置がなかったことについても、質問が出ています。トライシーによれば、ANAは、過去にSFCの資格がずっとつづくかのように受けとれる案内をしてきた経緯を事実として認め、期待にこたえられなかったことを謝罪しました。そのうえで、会員でいた年数によって例外を設けると制度全体の筋が通らなくなる、過去・現在・これからの会員を同じように扱う前提で設計した、と説明しています。長年の搭乗の実績はミリオンマイラープログラムで評価している、という位置づけです。

同じ一問一答で、ANAは今後について条件をさらに厳しくする予定はないと述べています。会社の規定で出張の航空券を個人のカードで払えない人については、搭乗の実績でプラチナなどのステイタスを取れば、これまでどおりラウンジや優先サービスを使える、という答えでした。搭乗の実績で決まるプレミアムメンバーと、日常の決済で決まるSFC。この2つの役割をはっきり分けた、というのがANAの整理です。

4. JALは翌日、搭乗実績だけで届く上級ステイタスを発表

ANAの発表の翌日にあたる2026年9月30日、JALがFLY ONプログラムの変更を発表しました。航空専門誌の月刊エアラインのサイトなどによれば、上位ステイタスの「JGCプレミア」は、達成の条件からJALグローバルクラブ(JGC)への入会がはずれ、名前が「JMBプレミア」に変わります。1月から12月の1年間に80,000 FLY ONポイント(うちJALグループ便で40,000)以上、または80回(うちJALグループ便で40回)以上かつ25,000 FLY ONポイント以上の搭乗で届きます。条件の変更は2027年1月1日の搭乗分から、特典の変更は2028年度のステイタスからです。

特典には出入りがあります。JMBプレミアはマイルの有効期限がなくなる特典とサービスセレクションの対象からはずれ、かわりに10,000マイルのボーナスマイルがつきます。ファーストクラスラウンジの利用や、ワンワールドのエメラルドのステイタスは変わりません。

これはJGCそのもの、つまりSFCにあたるカード会員の制度を変える話ではありません。ですから、SFCとJGCを横に並べて優劣をつける材料にはなりません。ただ、向いている方向のちがいは見てとれます。ANAはカード会員の区分を決済額で決める方向へ、JALは年ごとの上位ステイタスを搭乗の実績だけで届くものにする方向へ動きました。どちらがいいかは、よく飛ぶ人なのか、日常の支払いをカードに集められる人なのかで変わります。

わたしたちの受け止めを書いておきます。今回の一問一答で、300万円の線がすぐに動く見込みはさらに薄くなりました。ANA自身が、条件を厳しくする予定も、会員年数で例外をつくる考えもないと答えているからです。判定期間のはじまる12月16日まで、あと2か月半です。届く見込みのある人は決済の集約を、届かない見込みの人は事前予約の案内を待ちながら年会費とのつり合いを、それぞれ落ちついて考える時期に入りました。

【続報】10月3日、家族カードの区分は本会員に連動——経営学者の分析と「現場任せ」という批判

発表から4日がたち、論評が出そろってきました。10月1日にはダイヤモンド・オンラインが運用の面から、10月2日にはITmediaビジネスオンラインが経営の面から、それぞれ別の角度で9月29日の発表を読み解いています。公式の案内では見えなかった事実もひとつ出てきました。3つに分けて書きます。

1. 家族カードの区分は、本会員のSFCと同じになる

ITmediaビジネスオンラインに寄稿した経営学者の長内厚氏が、ANAの広報に確認した内容を伝えています。SFCの家族会員の区分は本会員に連動し、本会員がPLUSなら家族もPLUS、本会員がLITEなら家族もLITEになるとのことです。300万円の判定に家族カードの利用分が合算されることは、公式ページにも書かれています。今回はっきりしたのは、その結果が家族にもそのまま及ぶ、という点です。

ここで注意したいのが、搭乗でステイタスを維持している人の家族です。本会員が飛行機にたくさん乗ってプラチナを維持していても、カードの決済が300万円に届かなければ、SFCとしてはLITEになります。本人はプラチナの優待でラウンジを使えますが、別の資格をもたない家族会員のSFCはLITEのままです。いっぽうで、搭乗を増やさなくても決済が300万円に届けば、本人も家族もPLUSになり、スターアライアンス・ゴールドがつきます。

本会員の状況(2028年4月以降) 本会員 家族会員のSFC
年間決済額300万円以上(搭乗は少なめ) SFC PLUS SFC PLUS
年間決済額300万円未満・搭乗でプラチナを維持 SFCはLITE(本人はプラチナの優待を利用) SFC LITE
年間決済額300万円未満・プレミアムメンバーでない SFC LITE SFC LITE

同氏はこれを、顧客を見る単位を「搭乗する個人」から「日常の支払いを共にする家族」へ広げた設計だと読んでいます。家族が単独で旅行するときの資格という点では、プラチナの維持のために搭乗を足すより、家計の支払いをANAカードに寄せるほうが効く場面ができた、ということです。家族カードでSFCを使っている人は、本会員の決済額が家族全員の区分を決める、と押さえておいてください。

2. 「もつカード」から「使うカード」へ——ANAが示した数字

同じ記事は、ANAが説明した数字も伝えています。SFCの会員数は2019年と比べて約1.5倍に増えました。2025年度の国内線では、その年にダイヤモンド・プラチナ・ブロンズのいずれにもなっていないSFC会員の年間平均の航空券購入額は、プラチナ会員の12%、ブロンズ会員の19%でした。年間の搭乗回数も、それぞれ15%と24%にとどまります。いっぽうで、主要空港の国内線ラウンジの利用では、この層が約6割を占めていたといいます。

ANA自身が、日常のカード利用が限られ、SFCが「使うカード」より「もつカード」になっていた、と説明しているそうです。長内氏の読みは、ANAが優良顧客の定義に「たくさん乗る人」だけでなく「カードをたくさん使う人」を加えた、というものです。ラウンジへの道が、搭乗でプラチナになる道と、決済でPLUSになる道の2本になった、と整理しています。記事自身も注意しているとおり、この数字は国内線の平均であり、国際線の利用や過去の貢献は含まれていません。

3. 「今日は入れません」をだれが言うのか

ダイヤモンド・オンラインでは、航空ジャーナリストの北島幸司氏が、会員の声を受けて修正したこと自体は評価したうえで、運用の面に疑問を投げかけています。混雑時に入れるかどうかの判断を、空港のラウンジ受付に委ねる形になるのではないか、という指摘です。

会員の側から見ると、基準が見えません。昨日は入れたのに今日は入れない。隣の人は入れた。別の空港では入れた。予約の枠がないはずなのに当日の人が入っている。こうした不満は、まずラウンジの受付に向かいます。事前予約の仕組みが動くのは2027年度中、新制度の開始は2028年4月で、日程としてもぎりぎりだと同氏は見ています。いまのANAラウンジには滞在時間や利用回数の明確な制限がないため、時間や回数で線を引く方法もあったのではないか、という提案も添えられています。

同じ記事が紹介するYahoo!ニュースの読者コメントには、現役のころは会社の用事で年に500万円ほど決済していたが定年後に個人で300万円は難しい、混雑時に利用不可とするより回数制のほうがわかりやすい、海外のラウンジが使えないのは痛い、といった声が並んでいます。会員の関心は、ラウンジに入れるかどうか、300万円という基準、スターアライアンス・ゴールドを失うこと、の3点に集まっているようです。

わたしたちの受け止めを書いておきます。経営の面からの分析と運用の面からの批判は、正反対に見えて同じところを指しています。制度の中身は決まりましたが、LITE会員の使い勝手はこれから決まる運用しだいです。混雑の予測をどう示すのか、予約の枠がどれだけあるのか。2027年度中とされる詳しい案内までは、300万円に届く見込みのある人は支払いの寄せ先の整理を、家族カードをもっている人は本会員の決済額が家族の区分も決めることの確認を、それぞれ進めておくのが現実的です。

【続報】10月4日——ゴールドが戻らなかったもうひとつの事情と世界から見たSFC

発表から5日がたちました。2026年10月4日の朝の時点で、ANAの公式ページに新しい案内は加わっていません。いっぽうで、10月1日には東洋経済オンラインが、10月3日にはマイナビニュースが、それぞれ今回の見直しを読み解く記事を出しています。これまでの続報では触れていなかった視点が3つありました。最後に、公式のよくあるご質問から、読み違えやすい点もひとつ確かめておきます。

1. 提携ラウンジを使うたびにANAが支払っている

国内のラウンジは条件つきで戻ったのに、スターアライアンス・ゴールドは戻りませんでした。9月30日の続報では、ゴールドのステイタスとラウンジを利用できる権利が、アライアンスの決まりでひとつのものとして扱われているという事情を紹介しました。東洋経済オンラインでトラベルジャーナリストの橋賀秀紀氏が挙げているのは、もうひとつの事情、つまり費用です。

同氏によれば、SFC会員が提携航空会社のラウンジを利用すると、ANAから提携先の航空会社へ一定の金額が支払われる仕組みになっています。金額は公表されておらず、同氏は一説として1回につき40〜60ドルほどという見かたを紹介しています。カードの決済が少なく、海外で提携ラウンジをよく使う会員は、ANAから見ると収入より支出のほうが大きくなりうる、ということです。マイナビニュースの記事も、ゴールドの条件が300万円に据え置かれたことについて、提携先へ支払うラウンジ利用料の負担を減らしたい考えがうかがえると書いています。

自社のラウンジは、自社の判断で条件を動かせます。提携先への支払いがともなうゴールドは、そうはいきません。橋賀氏は、ラウンジだけが緩んでゴールドが4月案のまま残ったことを、アライアンスの側の取り決めが譲れないものだったあらわれだと読んでいます。ANAが公式に認めた説明ではありません。それでも、9月29日の発表でなにが動き、なにが動かなかったのかを考えるうえで、筋の通った見かたです。

同じ記事には、混雑についての指摘もあります。羽田や成田のANAラウンジは、海外の航空会社の上級会員を含む訪日客の利用も多く、SFCの条件を上げるだけでは混雑の根本的な解決にならないのではないか、という懸念です。マイナビニュースによれば、ANAはラウンジの混雑が2030年に向けてさらに進むと見込んでおり、空港の使用条件のうえで、ラウンジをこれ以上大きく広げるのは難しいと説明しています。

2. 発表のあとで内容を改めた例は過去にもある

航空会社がいったん発表した内容をあとから改めるのは、めずらしいことのように見えます。橋賀氏は過去の例を2つ挙げています。ANAは2010年4月に国際線エコノミークラスのアルコール類を有料にしましたが、JALが無料のままつづけたこともあり、2011年10月に無料へ戻しました。アメリカのデルタ航空は2023年9月、自社ラウンジの混雑をやわらげるために、カード会員の利用回数の制限と上級会員の条件の引き上げを発表しました。強い反発を受けて、翌月には経営トップが謝罪し、内容を改めています。

ラウンジの混雑を理由にした条件の引き上げが、反発を受けて修正される。この流れは今回のSFCとよく似ています。同氏は今回の件を、利用者の声が航空会社のルールを動かした例だと位置づけています。

3. 世界で見るとSFCのほうが特殊だった

2つの記事がそろって書いているのが、一度資格を取ればカードをもっているだけで上級会員でいられるというSFCやJGCの仕組みは、世界ではめずらしいという点です。マイナビニュースでは、執筆者の中森りほ氏が海外の例を挙げています。2つの記事が紹介している内容を、表にまとめます。

制度 上級会員の資格がつづく条件
ANA SFC(2028年3月まで) カードの年会費を払いつづければ資格がつづく
ANA SFC(2028年4月から) 資格はつづく。年間決済額300万円でPLUSとLITEに分かれる
JAL JGC 2023年までに入会した会員は従来どおり。2024年からは入会の条件が生涯の実績に変わった
デルタ航空(日本で発行される提携ゴールドカード) 初年度は上級会員の資格がつく。次の年からは年間150万円以上の決済が条件
アメリカン航空 搭乗とカード利用でたまるポイントに応じて決まる。資格の期間は1年

JALは2024年にJGCの入会の条件を引き上げましたが、すでに会員だった人の扱いは変えませんでした。ANAは、すでに会員だった人も含めて同じ基準で線を引きました。橋賀氏は、JALのやりかたにも新旧の会員のあいだに差ができるという問題があると添えています。どちらが正しいという話ではなく、既存の会員をどう扱うかで2社の選択が分かれた、ということです。

中森氏は、会員の選択肢を3つに整理しています。決済をANAカードに集めてPLUSを維持する。LITEと割り切って国内を中心に使う。プライオリティ・パスがつくカードやホテルの会員制度など、ほかへ軸足を移す。300万円は月にならすと25万円です。自分がどれに当てはまるかは、海外で提携航空会社に乗る回数と、毎月の支払いをどこまで1枚に寄せられるかで決まります。

4. 事前予約がなくても混雑時でなければ入れる

発表後の解説のなかには、LITE会員は国内線ラウンジで事前予約が必要になる、と読める書きかたのものもあります。ANAの公式ページのよくあるご質問では、事前予約がなくても、混雑時を除けば当日に利用できると案内されています。予約は、席をあらかじめ確保しておきたいときの手段です。

よくあるご質問には、あわせて次の案内があります。予約の空き状況の確認と予約は、ANAのウェブサイトで航空券を予約するとき、発券するとき、または予約確認の画面からできるようになる予定で、電話では受けつけません。搭乗日の当日に入れるかどうかは空港のラウンジ受付で案内され、電話やウェブサイトで当日の空き状況を調べることはできません。翌年度の区分は、3月ごろにメールで知らせる予定とされています。論点ごとの整理は7つの論点の答え合わせにまとめています。

わたしたちの受け止めを書いておきます。ゴールドが戻らなかった背景に提携先への支払いがあるのだとすれば、LITEのステイタスがこの先ゴールドに戻る見込みは、ラウンジの条件が緩む見込みよりもさらに薄いと読んでおくのが現実的です。海外で提携航空会社によく乗る人にとっては、300万円に届くかどうかが、これまで以上にはっきりした分かれ目になりました。判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月あまりです。

【続報】10月5日——今回の制度は完成形ではないというANAの説明と株価の逆転

発表から6日がたちました。2026年10月5日の朝の時点で、ANAの公式ページに新しい案内は加わっていません。いっぽうで、航空専門メディアのAviation Wireが10月2日に、9月29日の記者向け説明会の内容をあらためて整理した特集と、ANAとJALの株価を比べた記事を出しています。これまでの続報では触れていなかった点が4つありました。

1. 今回の制度は完成形ではない

Aviation Wireの吉川忠行氏によれば、ANAは今回の再設計をSFC制度の完成形ではなく第一歩と位置づけていて、この先もANAマイレージクラブとあわせて制度を更新していくと説明しています。説明会では、この先サービスはよくなると受け止めていいのか、それともさらに厳しくなると身構えたほうがいいのか、という質問も出ました。ANAの答えは、身構える必要はない、基本はサービスの改善と会員への還元を強めていく、というものです。ただし、ラウンジのように広さに限りがあるサービスについては、社会や経営の状況が変わればこの先も見直すことがありうる、とも述べています。

公式ページのよくあるご質問にも、同じ趣旨の案内があります。いまの時点で具体的に決まっている新しい変更はないものの、外の環境や会員のニーズの変化に合わせて制度を見直していく可能性はあり、そのときは十分な周知の期間をとって案内する、という内容です。

10月2日の続報で、わたしたちはANAが条件をさらに厳しくする予定はないと述べていると書きました。この点はいまも変わりません。ただ、300万円という基準がこの先ずっと変わらないと約束されたわけではない、ということは添えておきます。同氏も、ANAは将来の制度変更そのものを否定してはいない、と整理しています。

2. 再検討で確かめた案と300万円が残った理屈

6月に見直しを表明してから、ANAがなにを検討したのかも見えてきました。同じ特集によれば、基準額を200万円に下げる案のほかに、搭乗の実績をあらわすプレミアムポイントと組み合わせる案、新しく入会するときの条件を変える案なども、あらためて確かめたとのことです。

再検討で確かめた案 結果
基準額を200万円に下げる 見送り。PLUS会員が増えてラウンジが混み、LITE会員に残せる枠が減るため
搭乗の実績(プレミアムポイント)と組み合わせる 見送り
新しく入会するときの条件を変える 見送り。申し込みの条件は変わらない
会員でいた年数で扱いを分ける 見送り。別の反発を招くおそれがあるため
LITEのラウンジ利用を条件つきで認める 採用。国内線は混雑時を除いて利用できる

300万円を残した理由について、ANAの説明はこうです。基準を200万円に下げるとPLUS会員が増えます。そのぶんラウンジが混み、LITE会員に残せる利用の枠が減ります。つまり、300万円の据え置きと、LITEのラウンジを条件つきで戻すことは、ひと組で決まったということです。基準額を下げてほしいという声と、LITEでもラウンジを使いたいという声は、ANAの理屈のうえでは両立しにくい関係にあります。

混雑時の線引きについても、ひとつ手がかりが出ています。LITE会員を受け入れるのは、入室したあとに確実に、そしてスムーズに席につける状況のとき、という考えかたです。ただし、どのくらい混んだら入室を止めるのかという具体的な基準は、まだ示されていません。

3. 説明会でANAが認めた3つのこと

ひとつめは、過去の案内です。10月2日の続報では、SFCの資格がずっとつづくかのように受けとれる案内をしてきた経緯をANAが認めた、と書きました。Aviation Wireによれば、その中身は「永遠のステータス」という表現です。ANAは2002年以降、プラチナ以上の会員にSFCへの入会を案内するときにこのことばを使ってきたと認めました。サービスの内容は状況に応じて変わりうるとしてきたものの、長く「永遠」と案内してきたことで会員との受け止めに差ができた、という説明です。

ふたつめは、収益です。カードの利用額が増えれば、提携しているクレジットカード会社との収益の分配を通じて、ANAの収益も増える。説明会でANAはこの点を認めたと伝えられています。SFCを毎日の支払いに使うメインのカードにしてほしい、というのがANAの考えで、PLUS会員に向けた追加のサービスもこの先検討するとのことです。

みっつめは、出張で飛ぶ人の扱いです。出張の航空券は会社が払うことが多く、よく乗る人でも本人のカードには決済額が積みあがりません。乗る人と払う人がちがう、という問題です。ANAはこの指摘をそのとおりだと受け、とても悩ましい問題だと認めました。そのうえで、出張の多い人は年ごとの搭乗の実績でプラチナなどのプレミアムメンバーになることが多い、という見かたを示しています。同氏は、国内線のビジネス需要がコロナ前の水準に戻っていないなかで、この整理はやや楽観的に見えるとも書いています。

4. 株価は9月4日からJALがANAを上回っている

もうひとつの記事は、株式市場の動きです。Aviation Wireによれば、JALの株価は2026年9月4日の終値でANAホールディングスを上回り、10月2日までの18営業日のあいだ、いちども逆転されていません。4月案が発表される前日の4月22日には、ANAホールディングスのほうが304円高い位置にいました。

日付 ANAホールディングス JAL 差
4月22日(4月案の発表の前日) 2,822円 2,518円 ANAが304円高い
9月4日 2,999.5円 3,003円 JALが3.5円高い
9月29日(新制度の発表日) 2,950円 3,012円 JALが62円高い
10月2日 2,943円 2,989円 JALが46円高い

4月22日から10月2日までの上がり幅は、ANAホールディングスが4.3%、JALが18.7%です。新制度が発表された9月29日は、ANAホールディングスが75円安、JALも103円安と、そろって下げました。この日はANAホールディングスの株主優待の権利落ち日にもあたっています。

読むときの注意を2つ書いておきます。ひとつは、株価は燃料の価格や為替、業績の見通しなど多くの要因で動くものだということです。SFCの改定が原因だと記事が断じているわけではありませんし、わたしたちもそうは書きません。もうひとつは、会社全体の大きさをあらわす時価総額では、10月2日の時点でANAホールディングスが約1兆4,253億円、JALが約1兆3,066億円と、いまもANAのほうが上にあるということです。

同じAviation Wireが出している週ごとの注目記事(9月27日から10月3日)では、SFCを退会した人の特例再入会を伝える記事が1位でした。4月の発表を見て退会した人、あるいは退会を考えた人がそれだけ多かったことをうかがわせます。特例再入会の受付は2027年3月31日の送信分までです。

わたしたちの受け止めを書いておきます。完成形ではないということばは、よくなるほうにも、厳しくなるほうにも読めます。たしかなのは2つです。2026年12月16日からはじまる最初の判定期間のルールは、9月29日の発表で固まりました。そして、この先もし変更があるなら、十分な周知の期間をとって案内するとANAは明記しています。先の変更を心配して動けなくなるより、まず最初の1年を300万円に届かせるのか、LITEで使うのかを決める。そのうえで公式の案内を追っていく。この順番が現実的です。判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月あまりです。

【続報】10月6日——公式ページから「判定」ということばが消えました

発表から1週間がたちました。この続報では毎朝、ANAの公式ページに新しい案内が加わっていないかを確かめてきました。2026年10月6日の朝も、新しいお知らせや新しい項目は加わっていません。ただ、今朝は見かたを変えて、インターネット・アーカイブに9月30日の時点で保存されていた版と、今朝の公式ページの本文を機械的に突き合わせてみました。すると、制度の中身は同じまま、文面がいくつも書き換わっていることがわかりました。いつ書き換えられたのかは、ページに記載がないのでわかりません。

1. 「判定期間」が「ご利用期間」に

いちばん大きいのは、ことばの入れ替えです。9月30日の版には「判定」ということばが本文とよくあるご質問をあわせて20か所ありました。今朝の版では0か所です。「判定期間」は「ご利用期間」に、「区分判定」は「区分決定」に、それぞれ置き換わっています。日付も、300万円という金額も、PLUSとLITEの中身も変わっていません。変わったのはことばだけです。

場所 9月30日の版 10月6日の朝の版
制度の案内 2026年12月16日から2027年12月15日までの判定期間を経て 2026年12月16日から2027年12月15日までのご利用期間を経て
300万円の説明 日常のさまざまなお支払いも判定の対象になります 日常のさまざまなお支払いも次年度の区分決定の対象になります
よくあるご質問の見出し 入会後の区分判定に適用される決済額の判定期間はいつになりますか 新規入会した場合、次年度の区分はどの期間の利用実績で決まりますか
300万円に届かなかったとき 区分判定は毎年実施いたします 区分の決定は毎年実施いたします
ラウンジの事前予約 対象外便:ANAグループ運航便かつANA便名以外(コードシェア便等) 対象便:ANAグループが運航するANA便名の便
予約がないときの確認先 ご搭乗日当日に空港ラウンジにて ご搭乗日当日にラウンジ受付にて

ANAがなぜ書き換えたのかは説明されていません。わたしたちの読みを書いておきます。「判定」は、会員が審査される側に置かれることばです。4月の発表からずっと、SFC会員が自分のカードの使いかたをANAに査定されるような印象が、反発のひとつの元になっていました。「ご利用期間」「区分決定」は、同じ仕組みを、会員が使った結果として区分が決まる、という向きから言い直したものです。中身を変えずに、ことばの向きを変えた。そう見るのが自然です。

読者のみなさんにとって実務で変わることはありません。この記事をふくめ、多くの解説記事がこれまで「判定期間」と書いてきた期間は、公式ページでいう「ご利用期間」と同じ、2026年12月16日から2027年12月15日までの1年間です。この記事では、これまでの続報との整合をとるために、ひきつづき「判定期間」と書きます。

2. コードシェア便の扱いがひとつはっきりした

もうひとつ、ラウンジの事前予約について、小さいけれど実務にかかわる追記がありました。9月30日の版では、事前予約の対象外として「ANAグループ運航便かつANA便名以外(コードシェア便等)」と書かれていました。今朝の版では、対象となる便を「ANAグループが運航するANA便名の便」と言い直したうえで、よくあるご質問に新しい一文が加わっています。他社が運航する国内線のコードシェア便を予約している場合、ラウンジの事前予約は対象外になるが、ラウンジそのものは当日の空席の状況に応じて利用できる、という内容です。

つまり、ANA便名で予約していても、実際に運航するのが他社であれば、LITE会員は予約の枠を取ることはできません。それでも、当日に混雑していなければ入れます。地方路線で他社の運航するコードシェア便を使う機会が多い人は、予約はできないが入れないわけではない、と押さえておいてください。

公式ページは、これまでも告知なしに文面が変わってきました。わたしたちはこの先も、新しい案内の有無だけでなく、文面そのものの変化を機械的に確かめていきます。判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月あまりです。

【続報】10月9日——JALが羽田のラウンジを広げて開けました。ANAの「混雑」を別の角度から

発表から10日がたちました。2026年10月9日の朝も、ANAの公式ページは前日と本文が同じで、新しい案内は加わっていません。10月7日と8日も、SFCに関するANAの新しい発表はありませんでした。いっぽうで、ライバルのJALが10月8日に、羽田空港の国内線ラウンジをつくりなおして開けました。ANAが会員を分ける理由にした「ラウンジの混雑」を、JALはどう扱っているのか。比べて見える点があるので、今朝はこれを書きます。

1. 10月8日に開いた羽田第1ターミナルの新しいラウンジ

JALは10月6日に、羽田空港第1ターミナル北ウイングの国内線ラウンジと専用保安検査場を10月8日に改めて開くと発表しました。複数の専門メディアによれば、旧「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」は「ファーストクラスラウンジ」に名前を変え、席数はこれまでのおよそ1.4倍になりました。ガラス扉で閉まる完全個室のワークスペースも入っています。使えるのは、JMBダイヤモンド会員と、JGCプレミア(10月2日の続報で触れた、名前がJMBプレミアに変わる予定の区分)、それに国内線ファーストクラスの利用者です。

JGC会員やJMBサファイア会員が使う「サクララウンジ」も同じ日に新しくなりました。ただし、こちらの席数はほぼ変わっていません。変わったのは中身です。キッズエリアが新しくでき、ワーキングエリアは全席に電源とUSBポートがつきました。専用の保安検査場には、パソコンや液体物を取り出さずに通れるスマートレーンが入っています。

もうひとつ、運用の面で見ておきたいことがあります。南ウイングのラウンジは、同じ10月8日から2027年5月まで改修に入り、再開は2027年6月の予定です。そのあいだ、南ウイングの出発でもラウンジは北ウイングを使います。そして、混雑して入れないときは、当日に空港で使えるクーポンを配る、とJALは案内しています。

場所 なにが変わるか 使える人・時期
JAL 羽田北ウイング ファーストクラスラウンジ 席数がおよそ1.4倍。完全個室のワークスペース ダイヤモンド・JGCプレミア・国内線ファーストクラス利用者。2026年10月8日から
JAL 羽田北ウイング サクララウンジ 席数はほぼ同じ。キッズエリア新設・全席に電源 JGC会員・サファイアなど。2026年10月8日から
JAL 羽田南ウイング 改修で閉鎖。入れないときは当日のクーポン 2026年10月8日から2027年5月まで。6月に再開予定
ANA 羽田国内線ラウンジ 拡張。増える席数は未公表 2027年度のはじめに着工・2027年度中に順次

2. 比べて見えること

ANAは、SFC会員が2019年のおよそ1.5倍に増えてラウンジが混んでいることを理由に、会員をPLUSとLITEに分けました。羽田の拡張は2027年度で、席数はまだ公表されていません。JALはそれより先に、羽田の箱を広げて開けました。ここだけ見ると、JALは席を増やし、ANAは入れる人を減らす、という対比に見えます。

ただ、JALの中身を見ると、席が1.4倍になったのは上位のファーストクラスラウンジで、JGC会員の多くが使うサクララウンジの席数はほぼ同じです。つまりJALも、広げた分を上位の会員に向けていて、一般のJGC会員の混雑そのものを解くつくりにはなっていません。広い席は上に、下は現状維持。この形は、PLUSに席を確保しLITEは混雑時を外す、というANAの考えかたと、向きとしては遠くありません。ちがうのは、JALが会員の区分を変えずに箱の側で差をつけたのに対し、ANAが会員の側を分けた、という点です。

そしてもうひとつ、JALが先にはじめている運用があります。改修中のラウンジが混雑して入れないとき、その場でクーポンを渡す、というやりかたです。ANAのLITE会員は、2028年4月から「混雑時は入れない」ことになりますが、入れなかったときになにかが渡されるのかどうかは、公式ページにも説明会の報道にも出ていません。入れない日があることを認めた制度なら、入れなかった人をどう扱うのかまで決めてはじめて形になります。JALの今回の運用は、ANAに向けた問いとしても読めると、わたしたちは考えています。

JALの羽田ラウンジのつづきは、2027年6月に南ウイングが開くときにまた動きます。ANAの羽田の拡張は、その少しあとの2027年度中です。SFCの判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月あまり。両社のラウンジの広さと運用は、この先もあわせて見ていきます。

【続報】10月10日——混雑の原因はどこにあったのか。航空アナリストの取材にANAが答えたこと

発表から11日がたちました。2026年10月10日の朝も、ANAの公式ページは前日と本文が同じで、新しい案内は加わっていません。ANAとJALのどちらからも、SFCやJGCに関する新しい発表はありませんでした。いっぽうで今朝、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏がANAに取材した内容を、ピンズバNEWSが伝えています。これまでの報道で出ていなかった点がいくつかあるので、整理して書きます。

1. 混雑の原因は「2014年以降の国際線」だとANAは答えた

鳥海氏は、ラウンジが混んだ原因として、プレミアムポイントが2倍になるキャンペーンのように、上級会員を増やす施策が効きすぎたのではないかとANAに問いました。ANAはこれをはっきり否定したそうです。ANAの説明では、影響が大きいのは2014年以降に国際線の路線を広げて利用者が増えたことで、コロナ明けに羽田の国際線が増えてからプラチナになった人も多い、とのことです。

この答えは、わたしたちには少し意外でした。ANAはこれまで、SFCの会員数が2019年の約1.5倍に増えたことと、国内線ラウンジの利用者の約6割をSFC会員が占めることを、会員を分ける理由として挙げてきました。今朝の説明は、混雑を押し上げた力のひとつが、搭乗でプラチナになった人たちの増加にもある、と読めます。プラチナは搭乗の実績で毎年決まる資格で、今回の300万円の線引きの外にいます。混雑の原因の一部が線引きの外にあるのなら、SFC会員だけを分けてもラウンジがどこまで空くのかは、2028年4月になってみないとわかりません。羽田の拡張が2027年度中に間に合うかどうかが、ここでも効いてきます。

2. 「混雑時を除く」の実感——多くの時間帯は入れる見込み。心配は中堅の地方空港

LITE会員の国内線ラウンジに残った「混雑時を除く」という条件について、鳥海氏は、多くの時間帯では使えるのではないかと見ています。混む時間帯は空港ごとにおおよそ決まっていて、連休だから必ず入れないわけでも、平日だから必ず入れるわけでもない、という見かたです。そのうえで、心配があるとすれば席の少ない中堅の地方空港だ、と指摘しています。混雑の基準そのものは、2028年4月の開始までに利用の見込みを立てながら詰められていく、というのが同氏の見通しです。

この見かたは、10月2日の説明会でANAが示した数字とも合います。ラウンジを使うLITE会員は会員全体の25パーセントほどという見込みでした。羽田や伊丹の夕方の便に集中する時間帯を外せば、地方の昼の便では入れる日が多い、という形になるのでしょう。ただし、地方空港については追加の拡張の予定がない、とANAは説明しています。入れる見込みと入れない日の両方があるのは、地方の利用者のほうです。

3. 300万円を残した理由と「既存会員に手をつけた」ことの重さ

鳥海氏は4月の発表のときから、決済額だけでなく搭乗の実績もあわせて見るべきだと言ってきました。会社のカードで航空券を買う人や、マイルで乗る人もいる。海外によく行く人でも、ANAカードとANA Payで年300万円は簡単な数字ではない、という理由です。ANAは200万円の案や搭乗実績を加える案も検討したものの、ラウンジの利用者を抑えるには300万円を残す必要がある、と判断したと伝えられています。この点は10月2日の説明会の報道と同じです。

もうひとつ、同氏がはっきり言っているのは、既存会員の反発は予測できたはずだ、ということです。JALは2024年の制度変更で、すでにJGCをもつ人の資格には手をつけず、これから取る人のハードルを上げて会員数を調整しました。ANAは、すでにSFCをもつ人にも同じ基準をあてはめました。反発の大きさのちがいは、ここから来ている、という見かたです。この記事でも10月3日の続報で同じ対比を書きましたが、ANAを長く見てきたアナリストが同じ結論に至っている点は、押さえておいていいと思います。

論点 10月10日の取材でわかったこと これまでの説明との関係
混雑の原因 キャンペーンではなく、2014年以降の国際線の拡大による利用者増。コロナ明けの羽田国際線でプラチナになった人も多い 新しい説明。これまでは「SFC会員が2019年の約1.5倍」が中心だった
「混雑時を除く」 多くの時間帯は入れる見込み。混む時間帯は空港ごとにおおよそ決まっている。心配は中堅の地方空港 ANAの「ラウンジを使うLITEは全体の25パーセントほど」という見込みと合う
300万円の維持 200万円案・搭乗実績を加える案も検討したが、利用者を抑えるため300万円を残した 10月2日の説明会の報道と同じ
既存会員の扱い JALは既存会員に手をつけず新規のハードルを上げた。ANAは既存会員にも同じ基準。反発は予測できたはず 10月3日の続報で書いた対比と同じ結論

4. これからSFCを目指す人は減る。それでも「あって損はない」

鳥海氏の見通しは、新しくSFCを目指す人は減るだろう、というものです。国内線のラウンジが使えるようになったので、受ける影響が小さい人もいる。いっぽうで、スターアライアンス・ゴールドを強く求めてきた人には厳しい内容です。なにに価値を置くかで評価が分かれる、と同氏は整理しています。そのうえで、欠航や遅延のときにSFCの優先サービスのありがたさを実感する場面もあるので、あって損はなく、できればほしい資格だ、と話しています。ただし、そのためにどこまで修行をするかは、これまで以上に人によって判断が分かれる、とも添えています。

わたしたちも同じ見かたです。SFCは、取ってから何年も使うものです。2028年4月から先の自分の使いかたを思い浮かべて、国内線のラウンジで足りるのか、海外の提携会社のラウンジや優先搭乗まで要るのかを先に決める。そこが決まれば、決済を300万円まで寄せるのか、LITEで持ちつづけるのか、答えは自然に出ます。判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月あまりです。

【続報】10月11日——「断られた人はどこで待つのか」というSNSの問いと「どちらにも寄せない」という今朝の答え

発表から12日がたちました。2026年10月11日の朝も、ANAの公式ページは本文が前日までと同じで、新しい案内は加わっていません。わたしたちは10月9日の版と今朝の版を機械的に突き合わせましたが、1行の差もありませんでした。ANAとJALのどちらからも、SFCやJGCについての新しい発表はありません。いっぽうで、この1週間、SNSで繰り返し問われていることがひとつあります。LITE会員が混雑を理由に受付で断られたとき、その人はどこで待つのか、という問いです。今朝はこれを、公式のよくあるご質問と突き合わせて整理します。あわせて、今朝のマイナビニュースの記事にも触れます。

1. SNSで3万人が読んだ「受付の前で待つ人が出たらどうなるか」

10月4日に、ある投稿者の問いかけをまとめたページが公開され、今朝までにおよそ3万3,000回読まれています。問いは単純です。LITE会員がラウンジの受付で、いまは混雑しているので、と断られたら、空くまで受付の前で待つ人が複数出るのではないか。その列の脇をPLUS会員が通って入るのは、どちらにとっても気まずいのではないか、というものです。

寄せられた意見は、大きく3つに分かれていました。ひとつは、混んでいるかどうかを事前に知る手段がないと、負担がすべて当日の受付に集まる、という心配です。電話で聞けるわけでもなく、ウェブで混雑が公開されているわけでもない、という指摘がありました。ふたつめは、予約制なら列はできないはずだ、という見かたと、ANAからは受付に来たときに空いていればどうぞと説明された、という伝聞が並んでいたことです。みっつめは、気まずさはそれほどでもない、という声の多さでした。会員の区分は外から見えず、待っている人と入る人の差は目立たない、という理由です。海外のラウンジで同じ光景を見たがだれも気にしていなかった、という体験談もありました。JALが羽田でラウンジの混雑をホームページに出していた例を挙げて、ANAも入口の看板などで案内するのではないか、という予想もありました。

2. 公式のよくあるご質問は、ここまで答えている

この問いに、ANAの公式ページはどこまで答えているのか。読み直すと、答えは3つに分けて書かれています。まず、事前予約をもたないLITE会員は、搭乗日の当日にラウンジの受付で利用できるかどうかを確認する、と明記されています。SNSで伝聞として出ていた「受付に来たときに空いていればどうぞ」は、公式の文面と合っています。次に、予約の空き状況は、ANAのウェブサイトでの予約時や発券時、予約確認の画面から確認できるようになる予定で、その詳細は2027年度中に案内する、とあります。そして、電話での空き状況の確認や予約は受け付けない、とはっきり書かれています。つまり、予約をとった人は事前に見通しが立ち、予約をとらなかった人は当日に受付で聞く、という二段構えです。SNSで心配されていた「事前に知る手段がない」は、予約をとらない場合の話だ、と読むのが正確です。

もうひとつ、この記事でまだ書いていなかった点があります。LITE会員がANAカード プレミアムをもっている場合です。本会員ひとりなら、プレミアムカードの特典でラウンジに入れます。ただし同行者を連れているときは、その特典での同伴入室は対象外なので、混雑時を除いて受付で入室を受け付ける、席を確約したいなら事前の予約手続きが可能だ、と書かれています。プレミアムカードをもっていても、家族で出発する日は予約をとるかどうかで当日の確実さが変わります。

場面 公式ページの答え(2026年10月11日時点) 備考
予約なしで空港に行く 当日にラウンジの受付で利用できるかを確認する SNSの伝聞と公式の文面は一致
予約の空き状況を知りたい ウェブの予約時・発券時・予約確認画面で見られるようになる予定。電話は不可 詳細は2027年度中に案内
プレミアムカードで同行者を連れている 同伴入室は特典の対象外。混雑時を除き受付で入室。席を確約するなら事前予約 本会員ひとりなら特典で入れる
受付で断られたあと 記載なし JALは入れないとき当日のクーポンを配る(10月9日の続報)

答えが出ていないのは、受付で断られた人がそのあとどうするか、です。待てるのか、待つ場所はあるのか、空いたら呼ばれるのか。公式ページには書かれていません。JALは10月8日に開いた羽田のラウンジで、混雑して入れないときは当日に空港で使えるクーポンを配る、と案内しています。ANAが2028年4月までに、断られたときの扱いをどう決めるかは、この先の続報で見ていきます。

3. 今朝のマイナビニュースは「どちらにも寄せない」と結んだ

2026年10月11日の朝に、マイナビニュースが、ANAとJALのどちらをメインにするかを生活のしかたから選ぶ、という記事を出しました。書いたのは、10月4日の続報で紹介した中森りほ氏です。記事は、2026年を上級会員の制度の転換期と位置づけています。JALは2024年1月から、搭乗だけでなくカードの決済や日々の利用を生涯にわたって積み上げる制度に移り、ANAは2026年9月にSFCを見直した。どちらも、短い期間に集中して乗って資格をとる道が、お金と時間の両面で遠くなった、という見かたです。

結論は、どちらか一方に完全に寄せる必要はない、というものでした。2社の強みはちがううえに、制度の改定が頻繁なので、両方と付き合うことが備えになる。どちらのマイルにも交換できる共通ポイントを軸に貯めて、旅の目的に応じて使い分ける、という提案です。SFCの見直しをめぐる記事が、この半年で「ANAをどうするか」から「ANAだけに寄せていいのか」へ移ってきたことは、押さえておいていいと思います。制度が動くたびに、会員の側は寄りかかる先を分けはじめます。ANAがSFCを「使うカード」に変えようとしたことの、ひとつの帰結です。

【続報】10月14日——「300万円はシミュレーションで変わらなかった」。日刊工業新聞が伝えたANA担当者の説明と、2035年の会員数の見込み

発表から2週間あまりがたちました。2026年10月15日の朝、日刊工業新聞が10月12日付で出した記事(ニュースイッチに10月14日掲載)を確かめました。9月29日の発表そのものの要点は、これまでの続報とほぼ重なります。ただ、300万円という金額の決めかたと、ラウンジの設備投資、会員数のこれからについて、これまでの報道になかった説明が3つあったので整理します。なお、今朝はANAの公式ページに接続できず、文面の確認はできていません。明日の朝にあらためて確かめます。

1. 300万円は「シミュレーションの結果、変わらなかった」

いちばんの新しい材料は、300万円という金額の決めかたです。記事によれば、CX推進室ロイヤリティマーケティング部の大塚大氏は、混雑の緩和と、より多くの人がラウンジを使えることの両立をシミュレーションしたところ、目的のためには300万円が必要だという点で変わりがなかった、と説明しています。10月2日の説明会では、200万円に下げるとPLUS会員が増えてラウンジが混む、という理屈が伝えられていました。今回の説明は、その判断が試算のうえで出たものだ、という裏づけです。感覚ではなく数字で決めた、とANAは言いたいのだと思います。

ただし、どんな前提で計算したのかは記事に書かれていません。会員の何割が300万円に届くと見たのか、届いた人がどのくらいラウンジを使うと見たのか。前提が示されないかぎり、300万円が妥当かどうかを外から確かめることはできません。わたしたちはこの点を、ANAがこの先の説明で明かすかどうかの目安として見ていきます。

2. 会員数は2035年に2026年度の約1.4倍になる見込み

もうひとつは、会員数のこれからです。SFCは1986年にはじまり、40年のあいだに会員数は2019年と比べて約1.5倍に増えました。ここまではこれまでの続報でも書いてきたとおりです。今回の記事で新しいのは、ANAが2035年には2026年度と比べて約1.4倍に増えると見込んでいる点です。つまりANAは、今回の見直しで会員が減ることではなく、この先も増えつづけることを前提に制度を組んでいます。

この数字は、300万円の線引きの読みかたを変えます。会員がいまの1.4倍になるなら、ラウンジを広げるだけでは混雑は収まりません。入れる人を分ける仕組みは、2028年の一度きりではなく、会員が増えるたびに見直される前提のものだと読めます。10月5日の続報で、ANAが今回の制度を完成形ではなく第一歩と位置づけていると書きました。2035年の見込みは、その「第一歩」ということばの背景にある数字です。

3. 羽田は2027年度前半にも着手。成田の拡充も検討

設備投資についても、少し具体的になりました。羽田空港の国内線ラウンジの拡充は、2027年度前半にも開始する予定です。これまで「2027年度のはじめに着工」と伝えられてきた内容と同じですが、「前半」という時期の幅が記事で示されました。あわせて、成田空港についても拡充を検討していると記事は伝えています。成田が候補に挙がったのは、わたしたちの知るかぎり今回がはじめてです。国際線のLITE会員が使える3つのラウンジのひとつが成田なので、ここが広がるかどうかはLITE会員にも関係します。

記事はもうひとつ、ANAが2017年から2019年にかけて地方空港の施設を広げてきたことにも触れています。10月10日の続報で、地方空港に追加の拡張の予定はないとANAが説明している、と書きました。地方はすでに手を入れた、という整理なのだと思います。席の少ない中堅の地方空港が「混雑時を除く」の影響をいちばん受ける、という航空アナリストの見かたは、この整理では解消されません。

項目 10月12日の記事で新しくわかったこと これまでの説明との関係
300万円の根拠 混雑緩和と利用者数の両立をシミュレーションした結果、300万円が必要という点で変わらなかった 10月2日の「200万円では混む」の説明が試算にもとづくものだとわかった。前提は未公表
会員数の見込み 2035年に2026年度比で約1.4倍 新しい数字。「2019年比で約1.5倍」はこれまでどおり
羽田国内線ラウンジ 2027年度前半にも拡充を開始 「2027年度のはじめに着工」と同じ。時期の幅が示された
成田空港 拡充を検討 初出。LITE会員が国際線で使える3空港のひとつ
地方空港 2017〜2019年に施設を拡充済み 10月10日の「追加の拡張の予定はない」と整合する

神田真也上席執行役員は記事のなかで、会員に快適で価値のあるサービスを持続的に届けることが責務だと考えた、という趣旨のことばを残しています。6月の見直し発表からここまで、ANAの説明は「混雑」から「持続性」へ重心を移してきました。会員が1.4倍になる前提で制度を組んでいる以上、300万円の線は会員を減らすための線ではなく、増えつづける会員のなかで使える人を選ぶための線です。判定期間がはじまる12月16日まで、あと2か月です。

【続報】10月20日——他社はSFCの改定をどう見ているか。ユナイテッド航空の幹部の発言と、JALのアンケート

2026年10月25日の朝に確かめました。ANAの公式ページの文面は、10月23日から変わっていません。見直し後の制度そのものに、新しい発表はありません。いっぽうで、この1週間に「ANAの外から見たSFC」についての報道が2つ出ていたので、整理しておきます。

1. ユナイテッド航空の幹部が「改悪に近い部分がある」と発言

Aviation Wireが10月20日に伝えたところでは、ユナイテッド航空のアジア・ミクロネシア地区営業担当支社長である桐山謙一氏が、10月15日に羽田空港で開かれた報道関係者向けのイベントで、ANAのSFC改定について触れています。個人の見かただと断ったうえで、利用者にとっては改悪に近い部分があり、ANAの会員が減ることにつながるかもしれない、という趣旨でした。同じスターアライアンスに入っている会社の幹部が、公の場でここまで話すのはめずらしいことです。

ただし、ユナイテッドはこの改定をきっかけにANAの会員を呼び込むキャンペーンは、いまのところ予定していないと答えています。理由は、ANAが提携のパートナーだからです。他社を含めてチャンスがあるのは事実だ、とも話しています。つまり、機会はあると見ながら、パートナーの関係をこわしてまでは取りにいかない、という立場です。

この発言がSFC会員にとって大事なのは、LITE会員になったときに何がなくなるかを、ユナイテッドの側から見せてくれるからです。LITEに付くスターアライアンスの資格はシルバーです。そのため、ユナイテッドをはじめANA以外の加盟会社では、SFCの資格だけではゴールド会員向けのラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗が受けられなくなります。9月29日の見直しで戻ったのは、ANAの国内線ラウンジ(混雑時を除く)だけでした。海外の空港でほかの会社に乗るときの扱いは、4月の発表から変わっていません。ここを使っていた人にとっては、見直しの前とあとで状況はほぼ同じだということです。

2. JALは「ステータスの移行」を選択肢に入れたアンケートを取っている

もうひとつは、TRAICYが10月16日に伝えたJAL側の動きです。JALが実施している「旅リピマイルキャンペーン」の登録時のアンケートに、ほかの会社から主に使う航空会社を切り替えるときに大事な点として、運賃やキャンペーン、路線網と並んで「他社からのステータス移行措置」という選択肢が入っていました。ほかの会社の上級会員の資格を引き継ぐ、いわゆるステータスマッチです。

JALは、ステータスマッチの導入について調べていることを認め、可能性は否定していません。ただし、導入するかどうか、いつ始めるかは明らかにしていません。アンケートの設問は一般的な理由を幅広く集めるためのもので、特定の会社やできごとを想定したものではない、とも説明しています。ANAの発表のあとの自社の会員の動きについては、おおむね堅調だと答えています。

10月2日の続報で、JALがJMBプレミア会員の制度を見直した動きを書きました。そこから半月で、他社の上級会員の受け皿をどうするかという調査にまで話が進んでいることになります。ただ、いまの時点でJALがステータスマッチを始めると決めたわけではありません。それを当てにしてSFCの扱いを決めるのは早いと、わたしたちは考えています。

会社 10月に伝えられたこと SFC会員にとっての意味
ユナイテッド航空 幹部が個人の見かたとして「改悪に近い部分がある」と発言。会員を呼び込むキャンペーンはいまのところ予定なし LITE会員はユナイテッドなどでゴールド向けのラウンジ・優先チェックイン・優先搭乗が使えなくなる。9月の見直しでも変わっていない
JAL キャンペーンのアンケートに「他社からのステータス移行措置」の選択肢。ステータスマッチの導入は調査中で、可能性は否定せず 導入は決まっていない。乗り換えを考えるなら、正式な発表を待ってからでも遅くない

判定期間がはじまる12月16日まで、あと7週間ほどです。ANAの制度そのものは9月29日の発表で形が決まり、いまは他社がそれをどう受け止めるかの段階に入っています。わたしたちは、JALがステータスマッチについて正式に発表したときと、ANAがLITEの国際線での扱いに手を入れたときに、この記事を更新します。

「300万円」の線引きを、どう受け止めるか

社長の説明であらためてはっきりしたのは、改定の出発点が「ラウンジの混雑」だったということです。SFCの会員数は、修行ブームもあって長年積み上がってきました。資格を一度取れば、あとはカードを持っているだけで半永久的にラウンジを使える——この仕組みが続いた結果、混雑が深刻になっていた。混んでいて座れないラウンジでは、本来のくつろぎという価値が薄れてしまいます。そこに手を打ちたい、というねらい自体は、わたしたちも理解できます。

問題は、その線引きの方法でした。ANAが選んだのは「実際にANAでお金を使ってくれている会員」を優先するやり方で、年間300万円という決済額がその道具になりました。けれど、ここに無理があった。長くSFCを支えてきたのは、必ずしも年300万円を決済する人ばかりではありません。飛行機にはよく乗るけれど日常の決済はそれほど多くない、という会員も大勢います。混雑を生んでいる原因と、決済額という物差しが、かならずしも一致していないのです。配慮と伝え方の段取りも足りませんでした。だからこれだけの反発になり、見直しに至ったわけです。

この構図は、上級会員制度がどの航空会社でも抱えるジレンマでもあります。優遇を手厚くすれば会員は増えるが、増えすぎると優遇の中身が薄まる。その綱引きのなかで、ANAは一度バランスを取り直そうとして、いったん引き戻した——そう読むと、今回の動きの意味が見えてきます。

JAL(JGC)との比較で見える、SFCのいま

ライバルのJALには、SFCに相当する「JGC(JALグローバルクラブ)」があります。JGCもまた、近年は資格制度の見直しが進み、従来のような「一度取れば一生」という形ではなくなりつつあります。上級会員制度を取り巻く環境は、ANAだけでなく業界全体で変わってきているのです。

だからこそ、今回のANAの見直しを「会員の声が通った勝利」とだけ受け取るのは、少しもったいない見方です。むしろ、上級会員のあり方そのものが問い直されている時代の入り口に、わたしたちは立っています。ラウンジに座れることだけを価値の中心に置くのではなく、マイルの貯め方・使い方、座席のアップグレード、海外での体験まで含めて、SFCを総合的に活かす視点が、これからはより大切になります。その全体像は「ANAマイル・SFC完全ガイド2026」にまとめています。

SFC会員はいま、どう動けばいいか

結論から言うと、いま慌てて大きな判断をする必要はありません。理由は3つあります。

ひとつめ。改定の中身そのものが見直しになったため、4月の「300万円未満でラウンジ不可」という前提でカードの解約や切り替えを判断するのは早すぎます。9月末の正式案内を待ってから動いても遅くありません。

ふたつめ。それでも年間決済額がラウンジ利用の鍵になる可能性は残っています。ANAカードをメインの決済手段に寄せておくこと自体は、マイルも貯まるので損になりません。固定費や日常の支払いをANAカードに集約しておけば、どんな着地になっても困りにくい備えになります。

みっつめ。そもそも、この区分が動き出すのは2028年度からです。最初の判定期間は2026年12月16日から。つまり、いますぐSFCの特典が変わるわけではありません。2026年から2027年にかけては、これまでどおりラウンジも優先搭乗も使えます。あわてて結論を出さなくていい時間的な余裕は、十分にあるのです。なお4月案では、SFC LITEに下がるとスターアライアンスのステータスもシルバーになり、優先搭乗や手荷物の優先受け取りといった世界共通の優遇まで外れる設計でしたが、その部分も含めて、いまは見直しの対象になっています。

これからSFC修行を考えている人にとっても、見直しはむしろ前向きな材料です。会員の声を受けてANAが立ち止まったということは、上級会員のラウンジ体験という価値を、ANA自身が軽く扱えないと判断したということでもあるからです。修行の段取りそのものは「SFC修行2026 完全ガイド」で解説しているとおりで、9月末の案内を見てから本格始動しても十分間に合います。

まとめ

2026年4月に発表されたANAスーパーフライヤーズカードの改定——年間決済300万円未満でANAラウンジが使えなくなるという変更は、上級会員からの反発を受けて見直され、2026年9月29日に見直し後の新制度が発表されました。300万円の2区分と判定期間は据え置き。SFC LITEのラウンジは、国際線は羽田・成田・ホノルル、国内線は混雑時を除いて利用できる形に改められ、LITE向けの事前予約制が導入されます。スターアライアンスのシルバー降格と5,000マイルの対象外は変わらず、4月から9月のあいだに退会した人には2027年3月31日までの特例再入会が用意されました。

判定期間の開始は2026年12月16日で確定しました。300万円に届く見込みがある人は10月と11月のうちに決済の集約を終える。届かない見込みの人は、LITEに残るものを見たうえで年会費とのつり合いを考える。それがいまのSFC会員の構えです。事前予約の詳しい運用は2027年度中に案内される予定で、続報が出しだい、この記事でも追記していきます。

よくある質問

ANAスーパーフライヤーズカードの改定は中止になったのですか?

中止ではありません。2026年6月25日に見直しを表明したANAは、9月29日に見直し後の新制度を発表しました。年間決済額300万円でSFC PLUSとSFC LITEに分ける2区分と、2026年12月16日から始まる判定期間は4月案のままです。変わったのはSFC LITEのラウンジ条件で、「利用できない」から「国際線は羽田・成田・ホノルルのANAラウンジが利用可、国内線は混雑時を除き利用可」になりました。

ANAは謝罪したのですか?

はい。ANAは公式サイトの案内で、先般発表した制度改定について多くの意見をもらっていること、見直しを検討していること、すでに案内した内容を再検討することになりお詫びする、という趣旨を表明しています。発表済みの制度を正式に謝罪して再検討するのは、めずらしい対応です。

2026年6月26日の株主総会で社長は何と言いましたか?

ANAの平澤寿一社長は、改定の背景として、会員増加で羽田・新千歳・福岡・那覇などの空港ラウンジの混雑が深刻になり、2030年度に向けてさらに悪化する見込みだと説明しました。そのうえで、4月の発表後に株主・利用者から非常に多くの声をもらったため見直すことにした、「1日も早く信頼関係を取り戻したい」と述べ、新しいサービス内容は上期中(9月末まで)に案内するとしました。300万円という基準を変えるかどうかなど、具体的な方向は示されませんでした。

SFCの改定は景品表示法に違反しないのですか?

ANA広報部は2026年7月の取材に対し、景品表示法をふくむ諸法令に抵触するものではないと認識している、という趣旨で回答しています。スーパーフライヤーズ会員の規約に、ANAの決定で内容を変更・廃止できる条項があることが根拠とされています。いっぽうで、既存会員への適用については慎重に見るべきだという指摘も出ており、専門家の見解は分かれています。

4月に発表された改定の内容は何でしたか?

年間決済額(ANAカード・ANA Pay)でSFCを2区分に分け、300万円以上は「SFC PLUS」、300万円未満は「SFC LITE」とする内容でした。LITEになるとANAラウンジが使えなくなり、スターアライアンスのステータスもゴールドからシルバーへ下がります。2028年度からの導入予定で、これがSNSを中心に反発を受けました。

SFC PLUSとSFC LITEは何が違うのですか?

SFC PLUS(年300万円以上)はANAラウンジ利用可・スターアライアンス ゴールド・マイル積算ボーナスありで、従来のSFCとほぼ同じです。SFC LITE(年300万円未満)はANAラウンジ利用不可・スターアライアンス シルバーとなり、海外での優先搭乗や優先手荷物といった優遇も外れます。2026年9月29日の発表で、LITEのANAラウンジは混雑時を除き利用可(国際線は羽田・成田・ホノルル)に改められました。スターアライアンス シルバーと5,000マイルの対象外は据え置きです。

いつから変わりますか?判定期間はいつですか?

4月案では2028年度からの導入で、最初の判定期間は2026年12月16日から始まる予定でした。この1年間のANAカード・ANA Payの決済額(家族カードも合算)で区分が決まります。2026〜2027年のうちは現状の特典のままです。

いまSFCカードを解約したほうがいいですか?

急ぐ必要はありません。9月29日の発表で、年間決済額が300万円に届かなくても退会にはならず、SFC LITEでも混雑時を除くANAラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りは使えることがはっきりしました。区分が動き出すのは2028年4月からで、当面(2026〜2027年度)はこれまでどおりです。年会費とのつり合いを考え直す必要があるのは、海外でスターアライアンス加盟航空会社に乗る機会が多い人です。LITEではゴールドの優遇が外れます。

見直し後の詳細はいつわかりますか?

2026年9月29日に、ANA公式サイトの「ANAスーパーフライヤーズカードのサービスについて」のページで発表されました。4月案と新制度を並べた比較表と、よくあるご質問が掲載されています。残っているのは、SFC LITE向けのラウンジ事前予約の詳しい方法で、2027年度中にあらためて案内されるとしています。

これからSFC修行をするのは不利になりますか?

入口の条件は変わっていません。ダイヤモンドまたはプラチナのステイタスを獲得するか、ANAグループ運航便で100万ライフタイムマイルに到達すれば申し込めます。修行を終えたあとは、100万ライフタイムマイル到達者を除いて一律SFC LITEからのスタートになります。LITEでも混雑時を除くANAラウンジと、優先チェックインや優先搭乗は使えるので、修行の価値がなくなったわけではありません。海外でのスターアライアンス・ゴールドの優遇を目当てにする人は、年間300万円の決済に届くかどうかを先に見ておいてください。

これからSFCカードに入会すると、最初はどちらの区分になりますか?

ANAの公式案内では、新しく入会する場合は、100万ライフタイムマイルに到達している方をのぞいて、一律で「SFC LITE」からのスタートになるとされています。区分の判定は、入会日が含まれる判定期間(12月16日から翌年12月15日まで)のANAカード・ANA Payの決済額で行われ、その判定期間が終わった翌年度から新しいサービス内容が適用されます。なお、プレミアムステイタスの有効期間中は、いまのステイタスのサービスもあわせて使えます。この取り扱いも見直しの対象になりうるので、2026年9月末の案内で確かめてください。(2026年8月25日時点のANA公式案内より)

ANAスーパーフライヤーズ会則の改定はどうなっていますか?

2026年4月23日づけのお知らせで、ANAマイレージクラブ会員規約とANAスーパーフライヤーズ会則を、2026年12月1日を改定日として一部変更すると案内されています。会員規約では「特典」「スーパーフライヤーズ会員」「スター アライアンス ゴールドメンバー」「スター アライアンス シルバーメンバー」の定義が変わり、会則も条文が一部変更・追加されます。2026年9月10日に確認した時点で、このお知らせは掲載されたままで、取り下げや延期の注記はありませんでした。改定日の12月1日は、最初の判定期間が始まる12月16日の15日前にあたります。

ANAアメックスのスーパーフライヤーズカードは、9月2日からなにが変わりますか?

2026年8月19日にアメリカン・エキスプレスが発表した提携カードの刷新に、ANAアメリカン・エキスプレス・スーパーフライヤーズ・ゴールド・カードとスーパーフライヤーズ・プレミアム・カードも含まれます。新しいカードの申し込みは2026年9月2日の13時から。年会費が上がるいっぽうで、利用額に応じたボーナスマイルや羽田空港第2ターミナルのラウンジ特典が加わります。既存の会員の年会費は2026年11月21日以降の引き落とし分から新しい金額になり、海外旅行傷害保険は2026年11月1日から利用付帯に変わります。

4月の発表を見てSFCを退会してしまいました。戻れますか?

特例で再入会できます。対象は、2026年4月23日から9月29日のあいだに、制度改定を理由にSFCを退会した人です。ANA公式サイトの専用申請フォームから、2027年3月31日の送信分までに申請します。提携カード会社の審査と年会費があり、カード番号とお客様番号は新しく発行されます。申込書の到着に1〜2か月かかる場合があるため、早めの申請が安全です。

SFC LITEのラウンジ事前予約は、いつから、どう使えますか?

詳しい方法は2027年度中にANA公式サイトであらためて案内されます。対象は国内線のANAラウンジで、予約枠には限りがあります。成田空港のANA ARRIVAL LOUNGEと、名古屋(中部)・関西・熊本・宮崎の共用ラウンジ、コードシェア便は予約の対象外です。予約なしで空港に行った場合は、当日ラウンジの受付で利用できるかどうかを確認します。SFC PLUS会員は予約なしで利用できます。

SFCの家族カードは、PLUSとLITEのどちらになりますか?

本会員の区分に連動します。ITmediaビジネスオンラインの長内厚氏がANA広報に確認した内容によれば、本会員がSFC PLUSなら家族会員もPLUS、本会員がLITEなら家族会員もLITEです。判定に使う年間決済額には家族カードの利用分も合算されます。本会員が搭乗でプラチナを維持していても、決済が300万円未満ならSFCはLITEになり、別の資格をもたない家族会員のSFCもLITEのままです。

この記事を書いた人
TE travel 編集部
TE travel は、Team Elite メンバーによる旅行記録サイトです。ANAダイヤモンド・マリオット チタンエリート・ヒルトン ダイヤモンドなど、各プログラムの上級ステータスを実際に取得・維持しながら、ファーストクラス・ビジネスクラス・ラグジュアリーホテルを体験した記録を発信しています。ポイント・マイルの使い方から、上級会員だけが知る現場の実感まで、数字では伝わらない情報をお届けします。