ANAの新型ビジネスクラス「THE Room」は、B777-300ERに64席だけ搭載された1-2-1配列の個室型シートです。全席が通路に面していてドアが閉まるため、どの席を選んでも快適さは高い水準にあります。それでも、前向きか後ろ向きか、窓に近いか通路に近いか、前方エリアか後方エリアかで、体感は少しずつ変わります。わたしがシートマップを見るときに確認しているポイントを、一人旅・夫婦やカップル・眺め重視・すぐ寝たい人という目的別に整理しました。
結論を先にお伝えすると、まず「奇数列か偶数列か」で向きが決まり、次に「前方エリア(5〜11列)か後方エリア(15〜20列)か」でサービスの早さと静けさが変わります。数字が並ぶと難しく感じますが、覚えることは多くありません。この記事を読み終えるころには、予約画面のシートマップを見て自分で選べるようになっているはずです。

THE Roomの座席配置の基本

THE Roomは、リバースヘリンボーンと呼ばれる配列を採用しています。座席が斜めに配置され、通路に対して開いた向きになるため、すべての席が通路に直接出られます。ビジネスクラスは機内の5列目から20列目にあり、前方エリア(5〜11列)と後方エリア(15〜20列)の2つに分かれています。あいだの列は他クラスやギャレー・化粧室になっています。
いちばん大切なのが、前向きの席と後ろ向きの席が交互に並んでいることです。奇数列(5・7・9列など)が後ろ向き、偶数列(6・8・10列など)が前向きになります。奇数列の座席の並びは、進行方向左からA、通路、E・F、通路、Kです。AとKが窓側、EとFが中央のペア席にあたります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 搭載機材 | B777-300ER(THE Room仕様) |
| 座席数 | 64席 |
| 配列 | 1-2-1(リバースヘリンボーン)・全席にスライドドア |
| 列番号 | 5〜20列。前方エリア5〜11列/後方エリア15〜20列 |
| 向き | 奇数列が後ろ向き/偶数列が前向き(交互) |
| 席の位置(奇数列) | A(窓側)・E・F(中央ペア)・K(窓側) |
窓側の席にも違いがあります。後ろ向き(奇数列)の窓側は、座席が窓のほうに寄って配置され、通路からは遠くなります。窓により近く、外の景色を楽しみやすい位置です。いっぽう前向き(偶数列)の窓側は、座席が通路寄りに配置されるため、窓から少し離れます。離着陸のときに外が見えにくいと感じる人もいます。眺めを重視するなら後ろ向きの窓側、通路への出入りのしやすさを重視するなら前向きの窓側、という選び方になります。
タイプ別のおすすめ座席

一人旅の場合
一人で乗るなら、窓側のAかKを選ぶのが基本です。中央のペア席とちがって隣を気にする必要がなく、ドアを閉めれば完全に自分だけの空間になります。景色も楽しみたいなら後ろ向き(奇数列)の窓側、通路へ出入りしやすいほうがよければ前向き(偶数列)の窓側がいいでしょう。長距離のフライトで眠る時間が長い人は、向きよりも静けさを優先して後方エリアの窓側を選ぶ手もあります。
夫婦・カップルの場合
二人で乗るなら、中央のペア席がおすすめです。中央の2席のあいだには可動式の仕切りがあり、これを下げると隣の人と近い距離で会話や食事を一緒に楽しめます。仕切りを上げれば、それぞれが独立した個室になります。二人の時間と、一人の時間を切り替えられるのがこの席の良さです。奇数列ではE・Fが中央のペア席にあたります。
眺めを重視する場合
景色を楽しみたいなら、後ろ向き(奇数列)の窓側、AかKを選びます。前でも触れたとおり、後ろ向きの窓側は座席が窓のほうに寄っているため、窓との距離が近くなります。離陸や着陸のときの街の明かり、雲の上に出る瞬間などを、より近くで見られます。日中の長距離便で、明るい時間帯に景色を楽しみたい人に向いています。
すぐ寝たい人の場合
搭乗したらできるだけ早く休みたい人は、前向き(偶数列)の窓側を選ぶといいでしょう。前向きは自然な姿勢でくつろぎやすく、ドアを閉めてフルフラットにすれば周囲が気になりません。THE Roomは前向きの席がすべて通路側の配置になるため、窓は遠くなりますが、寝ることを優先するなら窓の近さはあまり関係しません。あわせて、静けさのために化粧室やギャレーから離れた列を選ぶと、人の往来の音で目が覚めにくくなります。
避けたほうがいい席とその理由
THE Roomはどの席も快適ですが、条件によっては気になる点があります。避けるかどうかは目的しだいなので、理由もあわせて挙げておきます。
| 気をつけたい席 | 理由 |
|---|---|
| 最前列(5列目) | 前方のギャレーや化粧室に近く、光や音、人の出入りが気になることがある。5列目・7列目はバシネット(ベビーベッド)設置対応のため、小さな子ども連れの利用がある場合も |
| 各エリアの最後列付近(11列目・20列目) | 後方に化粧室やギャレーがあり、人の往来や準備の音が届きやすい |
| 中央のペア席(一人利用) | 仕切りで区切れるとはいえ、一人なら窓側のほうが落ち着く。二人利用でないなら選ぶ理由は少ない |
ただし、これらは「絶対に避けるべき」というほどの差ではありません。THE Roomは全席がドア付きの個室なので、通路型の一般的なビジネスクラスにくらべれば、どの席でも静けさは保たれます。子ども連れで移動する予定がある人には、むしろバシネット対応の5列目・7列目が便利です。目的に合わせて判断してください。
予約時にシートマップで確認する手順
ANAの予約後、座席指定の画面でシートマップを開くと、THE Roomの座席配置が表示されます。わたしはいつも次の順番で確認しています。
- まず機材がB777-300ERのTHE Room仕様かを確認する。同じ777-300ERでも旧型のスタッガードシート仕様の機材があり、THE Roomではないことがある
- 前方エリア(5〜11列)か後方エリア(15〜20列)かを決める。サービスは前方から始まるため、食事を早く楽しみたいなら前方寄りが有利
- 奇数列(後ろ向き)か偶数列(前向き)かを選ぶ。眺め重視なら奇数列の窓側、寝ることや通路への出やすさ重視なら偶数列の窓側
- 一人ならA・Kの窓側、二人なら中央のE・Fのペア席を選ぶ
- 化粧室やギャレーに近い最前列・最後列を避けたいかどうかを最後に調整する
THE Roomが搭載される機材かどうかは、路線や便によって変わります。就航路線については別の記事にまとめてあるので、あわせて確認してください。予約時点で機材が変更になることもあるため、搭乗前にもう一度シートマップを見ておくと安心です。
THE Room FXの場合の違い
ANAには「THE Room」とは別に、「THE Room FX」という新しいビジネスクラスもあります。こちらはB787-9に搭載される仕様で、777-300ERのTHE Roomとは配置が異なります。座席の並びは同じ1-2-1ですが、FXは椅子・ソファ・ベッドの3つのスタイルに切り替えられる機構をもち、座席数も変わります。
そのため、この記事で説明した「奇数列が後ろ向き・偶数列が前向き」「AとKが窓側」といった列番号や向きのパターンは、あくまで777-300ERのTHE Roomのものです。FXが載る便を予約したときは、FX用のシートマップで別に確認してください。THE RoomとTHE Room FXの違いは別記事でくわしく解説しています。
よくある質問
THE Roomで前向きと後ろ向き、どちらがおすすめですか
目的によります。眺めを楽しみたいなら、窓に近い後ろ向き(奇数列)の窓側がおすすめです。搭乗してすぐ寝たい、通路に出入りしやすいほうがいいという人には、前向き(偶数列)の窓側が向いています。どちらもドアを閉めてフルフラットにすれば快適さは高いので、優先したいことで選んでください。
カップルや夫婦で並んで座れる席はどこですか
中央のペア席です。中央の2席のあいだには可動式の仕切りがあり、下げると隣の人と近い距離で会話や食事を楽しめます。上げればそれぞれ独立した個室になります。奇数列ではE・Fが中央のペア席にあたります。
窓側の席なら景色はよく見えますか
同じ窓側でも位置が変わります。後ろ向き(奇数列)の窓側は座席が窓に寄って配置されるため、外が見やすいです。前向き(偶数列)の窓側は座席が通路寄りになり、窓から少し離れるため、離着陸のときに外が見えにくいと感じることがあります。眺め重視なら後ろ向きの窓側を選んでください。
子ども連れでバシネットを使いたい席はありますか
ビジネスクラス内では、5列目と7列目がバシネット(ベビーベッド)設置に対応しています。小さな子どもと一緒に移動する場合は、これらの列を選ぶと便利です。ただし前方のギャレーや化粧室に近い位置なので、静けさを重視する一人旅の人は避けたほうがいいこともあります。
777-300ERならすべてTHE Roomですか
いいえ。同じB777-300ERでも、THE Room仕様の機材と、旧型のスタッガードシート仕様の機材があります。予約時のシートマップで座席の並びを確認するか、就航路線をまとめた記事で機材を確認してください。
あわせて読みたい
THE Roomをもっと知りたい方へ
TE travel 

