同じANAの国際線ビジネスクラスでも、機材によって乗れるシートはまったく違う。スライドドア付き個室のTHE Roomと、旧世代のスタッガードシートでは、同じ料金でも体験の質に大きな差がある。そして、どのシートに当たるかは運ではない。予約前にANAの予約画面とシートマップを確認すれば、ほぼ確実に見分けられる。この記事では、ANAビジネスクラスの機材別シート一覧と、予約前に「当たり機材」かどうかを確認する具体的な手順を、2026年時点の情報で整理する。
「当たり機材」とは——ANAビジネスクラスの3タイプ
2026年時点で、ANAの国際線ビジネスクラスには大きく3タイプのシートが存在する。
| シートタイプ | 搭載機材 | 配列 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| THE Room | B777-300ER | 1-2-1 | スライドドア付き完全個室。2019年導入。全席通路直通 |
| THE Room FX | B787-9(新機材) | 1-2-1 | 2026年導入開始。椅子・ソファ・ベッドの3スタイル切替。Crystal Cabin Award 2026受賞 |
| スタッガード | B787-8/9(既存機) | 1-2-1 | 2010年代の標準。フルフラットだがドアなし・開放的 |
この3タイプは世代の違いでもある。スタッガードが2010年代の標準、THE Roomが2019年以降の完全個室、THE Room FXが2026年から始まった次の章だ。いわゆる「当たり機材」は、THE RoomまたはTHE Room FXを搭載した機材を指す。スタッガードもフルフラットになる実用的なシートだが、個室感を期待して乗ると差は大きい。だからこそ、予約前の機材確認が効いてくる。
機材別シート一覧表——機材コードで見分ける
ANA公式サイトのフライト検索結果には機材コードが表示される。機材とシートの対応は次のとおりだ。
| 機材コード | 機材 | ビジネスクラスのシート | 備考 |
|---|---|---|---|
| 77W | B777-300ER(4クラス仕様) | THE Room(46席) | ファーストクラス THE Suite も搭載。機内プロダクト最上位の便 |
| 789 | B787-9(新機材) | THE Room FX(48席) | 2026年夏以降、新造機3機+改修機16機の計19機から順次拡大 |
| 789 | B787-9(既存機) | スタッガード(48席) | アジア路線・ホノルル路線など幅広く運航 |
| 788 | B787-8 | スタッガード | アジア路線・ホノルル路線などの中型機 |
| 388 | A380「フライング・ホヌ」 | ビジネスクラス56席 | 成田=ホノルル線専用の3機体制 |
この表からわかる大事なことが2つある。第一に、77W(B777-300ER)を選べばTHE Roomに当たる可能性が高い。第二に、789(B787-9)は機材コードだけでは判別できない。同じ789でも、新機材ならTHE Room FX、既存機ならスタッガードと、中身がまったく別物だからだ。ここが2026年の機材選びでいちばん間違えやすいポイントになる。
予約前の確認手順——3ステップで見分ける
予約前の確認は、次の3ステップで進める。
| ステップ | 手順 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1. 機材コードの確認 | ANA公式サイトで便を検索し、フライト詳細の「機材」欄を見る | 「B777-300ER」「77W」ならTHE Room搭載の可能性あり |
| 2. シートマップの確認 | 「機内設備・座席」または「座席を選択する」からシートマップを開く | ビジネスクラスが1-2-1の個室配列で表示されているか |
| 3. 外部ツールでの確認(任意) | ExpertFlyerなどのフライト情報サービスで機材コードを見る | 「77W」ならB777-300ER。予約クラスの空席確認にも使える |
もっとも確実なのはステップ2のシートマップ確認だ。機材欄の表記はB777-300ERの仕様までは教えてくれないし、789の新旧も区別できない。しかしシートマップなら、実際にその便に設定されている座席配置がそのまま表示される。ビジネスクラスが1-2-1配列で、ひと席ずつ独立した個室型の表示になっていれば、THE RoomまたはTHE Room FXと判断できる。
特典航空券の場合も考え方は同じだ。ANAマイレージクラブの特典航空券検索から、同様に機材とシートマップを確認できる。
落とし穴——同じ路線・同じ便名でも機材は変わる
機材確認でいちばん注意したいのは、同じ路線・同じ便名でも日によって機材が変わることだ。
たとえばロンドン・フランクフルト・パリ・ロサンゼルス・サンフランシスコ方面は、B777-300ERとB787-9の両機材が使用される便が混在している。B777-300ERならTHE Roomだが、B787-9の既存機に当たるとスタッガードシートになる。同じ「ANAビジネスクラス」として予約していても、乗る日によって体験が変わるわけだ。
さらに2026年は、THE Room FXの導入初期という事情が重なる。新造機と改修機が混在する導入期は、同じ路線でも便によって機材仕様が変わることがある。すべてのB787-9が即日THE Room FXになるわけではないので、「789だから新シート」と思い込まないことが大切だ。
いっぽうで、機材が安定している路線もある。羽田=ニューヨーク・羽田=ワシントン・羽田=シカゴなどはB777-300ER(4クラス仕様)で安定して運航されており、THE Roomに当たる確率が高い。確実に個室シートに乗りたいなら、こうした路線を選ぶのがひとつの答えになる。路線ごとのくわしい状況は、THE Room就航路線の記事で便番号つきで整理している。
THE Room FXを狙う場合——2026年の狙い目
最新シートのTHE Room FXを狙うなら、路線の選び方から変わってくる。
ANAはTHE Room FX搭載機を欧州・北米の高単価路線に集中投入する方針を発表している。公表されている対象路線は、北米がロサンゼルス・ワシントン・ヒューストン・シアトル・ホノルル・バンクーバー、欧州がパリ・フランクフルト・ミュンヘン、アジア・オセアニアがシドニー・シンガポール・クアラルンプールだ。
2026年下期の狙い目としては、週3往復から毎日運航へ切り替わる羽田=ミラノ線と、期間運航が設定された成田=バンクーバー線が挙げられている。とくに北米西海岸方面はマイルでも取りやすいので、特典航空券で新しいB787-9を試す入り口に向いている。
ここでも確認方法は変わらない。予約時にシートマップを開き、ビジネスクラスが個室配列になっているかを見る。THE Room FXとTHE Roomの違いそのものが気になる方は、比較記事にくわしくまとめている。
予約後もチェック——機材変更への備え
予約時に当たり機材を確認しても、それで終わりではない。機材繰りの変更で、当日までに機材が変わることがあるからだ。
実用的な習慣は2つある。まず、搭乗1〜2週間前にシートマップを再確認する。機材変更があればこの段階で座席配置の表示が変わっているはずだ。次に、出発前日にANA公式アプリで予約を開き、THE Roomの1-2-1個室配列が表示されているかを最終チェックする。機材変更があった場合はANAから通知が届くことが多いが、自分でも確認する習慣をつけておくと確実だ。
万一スタッガードに変わっていても、フルフラットで全席通路アクセスという基本性能は確保されている。飛行時間6〜8時間程度のアジア路線なら、スタッガードでもビジネスクラスの快適さは十分に得られる。「外れ」というより「世代が前のシート」と捉えて、期待値を合わせておくのが精神衛生上もいい。
特典航空券で当たり機材を押さえるコツ
マイルで当たり機材を狙う場合のポイントも押さえておく。
ビジネスクラスの特典航空券は空席に限りがあり、出発の355日前(ANA会員は360日前)から予約解禁になる。解禁直後にアクセスして、機材を確認したうえで押さえるのがもっとも確実だ。SFC会員なら電話予約も活用でき、ウェブに出ていない空席が見つかることもある。
時期で言えば、1〜2月の閑散期と9〜10月のシーズンの谷間が穴場だ。この時期はビジネスクラスの特典席が取りやすく、ヨーロッパ路線でもTHE Roomの窓側席を確保しやすくなる。必要マイル数は2026年の改定で路線・シーズンにより変動するようになったため、正確な数字はANA公式サイトの特典航空券検索で都度確認してほしい。
予約確定後の動きも同じだ。機材変更がないか、シートマップを定期的に確認する。ここまでやって、はじめて「当たり機材の予約」が完成する。
あわせて読みたい
ANAビジネスクラスの機材・シート・路線については、こちらの記事でさらにくわしく解説している。
- ANAビジネスクラス完全ガイド(2026年最新版)— 座席・機材・路線・搭乗記まで徹底解説
- ANA機材完全ガイド2026|B777・B787・A380、路線と快適性の選び方
- ANA THE Room 就航路線2026完全版|どの路線で乗れるか 便番号・確認方法・シートの特徴まで
よくある質問(FAQ)
Q. ANAビジネスクラスの機材は予約前に調べられますか?
A. 調べられます。ANA公式サイトで便を検索するとフライト詳細に機材が表示され、77WならB777-300ER(THE Room搭載の可能性あり)です。さらに「座席を選択する」からシートマップを開き、ビジネスクラスが1-2-1の個室配列になっているかを確認すれば、ほぼ確実に判断できます。
Q. ANAビジネスクラスの「当たり機材」はどれですか?
A. スライドドア付き個室のTHE Roomを搭載したB777-300ER(機材コード77W)と、2026年から導入されているTHE Room FX搭載のB787-9新機材です。スタッガードシートもフルフラットになりますが、個室感では上位2シートに及びません。
Q. 機材コード789の便はTHE Room FXですか?
A. 機材コードだけでは判別できません。同じB787-9でも、新機材はTHE Room FX、既存機はスタッガードシートを搭載しています。シートマップを開いて、個室型の1-2-1配列が表示されているかを確認するのが確実です。
Q. 予約したあとに機材が変わることはありますか?
A. あります。機材繰りの変更で当日までに機材が変わることがあるため、搭乗1〜2週間前と出発前日にシートマップを再確認するのがおすすめです。機材変更時はANAから通知が届くことが多いですが、自分でも確認する習慣をつけておくと安心です。
Q. THE Roomに当たりやすい路線はどこですか?
A. 羽田発のニューヨーク・ワシントン・シカゴ線はB777-300ER(4クラス仕様)で安定して運航されており、THE Roomに当たる確率が高い路線です。ロンドン・パリ・フランクフルト・ロサンゼルス方面はB787-9と混在するため、予約時の機材確認が必須です。
Q. 特典航空券でも機材やシートマップは確認できますか?
A. 確認できます。ANAマイレージクラブの特典航空券検索でも機材情報とシートマップを表示できます。事前座席指定も特典航空券で可能な場合が多いので、予約時に座席まで押さえておくのがおすすめです。
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