ANA 787-9「THE Room FX」が今夏就航、737-8(737 MAX)は9月導入——2026年下期 新機材スケジュール完全解説

2026年4月30日のANAホールディングス芝田浩二社長の会見で、長く待たれてきた新機材の導入時期がはっきりした。中型機ボーイング787-9の新個室ビジネスクラス「THE Room FX」は今夏以降に就航し、国内線の新型機ボーイング737-8(737 MAX)は9月以降に飛びはじめる。

つまり2026年下期は、ANAの機材が国際線・国内線の両方で一気に新しくなる節目になる。長距離路線では個室ビジネスが中型機にまで広がり、国内線では主力の小型機が世代交代をはじめる。ここでは下期に何がどの順で導入されるのか、機材数・座席・対象路線までまとめて整理しておく。新しいシートを狙って予約したい人にも役立つよう、確認のポイントもあわせて添えた。

2026年下期 ANA新機材スケジュール早見表

機材 導入時期 用途 いちばんの注目点
787-9(新仕様) 今夏以降 長距離国際線 新個室ビジネス「THE Room FX」
737-8(737 MAX) 9月以降 国内線(737-800の後継) ANA初の737 MAX導入

787-9「THE Room FX」——中型機でも大型機並みの個室

下期最大の話題は、787-9に載る新ビジネスクラス「THE Room FX」だ。FXは「Future Experience」の略で、シンプルな機構で椅子・ソファ・ベッドの3つのスタイルを自由に選べるのが特徴になる。777-300ERの「THE Room」と同等の快適さを、中型機の787でも実現したことが大きい。

装備も最新世代になった。24インチのHDモニター、USB Type-Cの充電ポート、Bluetoothの音声接続、そしてANAとして初採用のワイヤレス充電パッドが付いている。中型機のビジネス刷新はおよそ10年ぶりで、長距離路線の機内体験がここで一段上がる。

座席構成は3クラス206席で、内訳は次のとおり。

クラス 座席数 主な進化点
ビジネス(THE Room FX) 48席 ドア付き個室・3スタイル選択・24インチモニター
プレミアムエコノミー 21席 シートピッチ・リクライニング拡大
エコノミー 137席 腰のフィット感を高め疲れにくい設計

導入は新造機3機と改修機16機の計19機。さらにANAは2026年4月、ボーイングと787の客室改修契約を結び、787-8の21機と787-9の16機をあわせた合計37機を全クラス新シートに更新していく計画も明らかにしている。下期に飛びはじめる19機は、その大きな更新計画の入り口にあたる。

「THE Room FX」そのものの座席詳細や特典航空券での乗り方は、別記事にくわしくまとめている。あわせて読んでほしい。

どの路線で新787-9に乗れるのか

新仕様の787-9は長距離国際線に順次入っていく。下期に注目したいのが、週3往復から毎日運航へ切り替わる羽田=ミラノ線だ。ヨーロッパ路線は飛行時間が長く、個室ビジネスの価値がもっとも出る区間になる。新シートを狙うなら有力な候補になる。

また6月から8月にかけては成田=バンクーバー線が期間運航で設定される。北米西海岸はマイルでも取りやすい路線なので、特典航空券で新しい787-9を試す入口としても向いている。新造機・改修機が混在する導入初期は、同じ路線でも便によって機材仕様が変わることがある。予約時はANAの座席表で配列を確認しておくと確実だ。

国内線にもついに737 MAX——737-8が9月導入

国際線の話題に隠れがちだが、国内線にも大きな動きがある。9月以降、ANAは新型機ボーイング737-8(737 MAX)を導入する。これまで国内線の小型機を支えてきた737-800の後継にあたる機材で、ANAとしては初の737 MAXになる。

発注は全30機が確定している。当初は20機の確定発注に10機のオプションが付いていたが、そのオプションぶんも2025年6月に確定発注へ切り替えられた。羽田や伊丹を起点とする中距離の国内線を、燃費のいい新世代機が少しずつ置き換えていく流れになる。

737 MAXは現行の737-800にくらべて燃費がよく、運航コストの低い新世代機だ。乗客の側から見ても、より新しい客室や静かな機内が期待できる。国内線は搭乗時間こそ短いが、出張や帰省でくり返し乗る人ほど、機材が新しくなる効果を日常的に感じやすい。国際線の華やかな話題の裏で、いちばん身近なところが静かに更新されていく——これも下期の見どころのひとつだ。

国内線では2026年5月から運賃・予約システムの刷新も進んでおり、プレミアムクラスの「ファーストクラス」表記化など、機材だけでなくサービス面でも変化が重なっている。下期はハード・ソフトの両面でANA国内線が新しくなる時期だといえる。国内線の制度変更については、こちらの記事でくわしく解説している。

「THE Room」と「THE Room FX」は何が違うのか

すでに777-300ERで「THE Room」を体験した人ほど、「FX」が付くと何が変わるのか気になるはずだ。基本の考え方——ドア付きの個室で広いベッドになる——は共通している。違いは、より新しい世代の機構と装備に置き換わった点にある。

項目 THE Room(777-300ER) THE Room FX(787-9)
搭載機材 大型機 777-300ER 中型機 787-9
シート機構 個室・フルフラット 椅子・ソファ・ベッドの3スタイル選択
モニター 大型モニター 24インチHDモニター
充電 USB・電源 USB Type-C+ANA初のワイヤレス充電

ポイントは、これまで大型機でしか味わえなかった個室ビジネスが、中型機の787-9でも当たり前になることだ。787-9は777より小さいぶん投入できる路線の幅が広い。これまで「この路線は古いシートだった」という中距離・中需要の路線でも、個室ビジネスに当たる可能性が出てくる。乗る側にとっては、当たり外れの「外れ」が減っていく流れだと考えていい。

新機材を狙って予約するコツ

導入初期は、同じ便名でも日によって機材が新仕様と旧仕様で入れ替わることがある。新しい787-9を確実に狙うなら、次の3点をおさえておきたい。

  • 予約時にANA公式サイトの座席表(シートマップ)を開き、ビジネスが1-2-1の個室配列になっているかを確認する。
  • 運航が安定してくる路線——下期に毎日運航化される羽田=ミラノ線などを優先して候補にする。
  • 特典航空券で試すなら、座席数に余裕のある北米路線(成田=バンクーバーなど)から押さえる。

マイルで新しいビジネスに乗れれば、コストをかけずに最新の機内体験を確かめられる。特典航空券の取り方そのものは、関連記事のガイドも参考にしてほしい。導入が進むほど対象路線は増えていくので、下期から年度末にかけては「どの便がFXか」を追いかける楽しみもある。

背景にある787の発注見直し

新仕様787-9が増える背景には、機材計画の組み替えもある。ANAは2026年3月、787-10の発注を11機から8機に減らし、残る3機を787-9の国際線仕様に変更すると発表した。受領済みの787-10が7機あるいっぽうで、787-9は2027年度以降に追加されていく予定だ。

大型の787-10ではなく、長距離向けに仕立てた787-9を厚くする——この判断からも、ANAが「THE Room FX」を載せた中型機で国際線の質を上げようとしていることがよくわかる。下期の新機材導入は、その戦略のはじまりにあたる。

よくある質問(FAQ)

Q1. ANA 787-9の新ビジネスクラス「THE Room FX」はいつから乗れますか?
2026年4月30日のANA会見で、今夏以降に導入すると発表されました。新造機3機と改修機16機の計19機が、長距離国際線に順次投入されます。

Q2. 新しい787-9はどの路線に入りますか?
長距離国際線に順次導入されます。下期に毎日運航へ増便される羽田=ミラノ線や、6〜8月に期間運航される成田=バンクーバー線が狙い目です。導入初期は便ごとに機材仕様が変わることがあるため、予約時に座席表の確認をおすすめします。

Q3. 「THE Room FX」の座席数や設備は?
787-9は3クラス206席で、ビジネス48席・プレミアムエコノミー21席・エコノミー137席です。ビジネスはドア付き個室で、椅子・ソファ・ベッドの3スタイル選択、24インチHDモニター、ANA初のワイヤレス充電を備えます。

Q4. 国内線の新型機737-8(737 MAX)はいつ導入されますか?
2026年9月以降に導入されます。737-800の後継として全30機が確定発注されており、ANAにとって初の737 MAX機材になります。

Q5. なぜ787-9が増えているのですか?
2026年3月に787-10の発注を11機から8機へ減らし、残る3機を787-9国際線仕様へ変更したためです。さらに787-8・787-9あわせて37機を新シートに改修する契約も結ばれ、中型機での国際線品質向上が進んでいます。

最新の運航計画や座席仕様は、ANAグループ企業情報のプレスリリースおよびANA公式サイトでかならず最新情報を確認してください。

この記事を書いた人
TE travel 編集部
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