オーストラリア北東部、クイーンズランド州の玄関口となる都市、ケアンズ。この街が特別なのは、ユネスコ世界遺産に登録された2つの自然遺産——グレートバリアリーフとキュランダ熱帯雨林——をともに1度の旅で体験できることだ。
南国らしい青い空と、どこまでも澄んだエメラルドグリーンの海。街に降り立った瞬間、空気が日本とはちがう。湿度があるのに、どこか心地よい。ケアンズという場所は、自然のスケールの大きさで旅人を圧倒してくれる目的地だ。
日本からケアンズへ — アクセスと所要時間
日本からケアンズへは、成田国際空港および関西国際空港からジェットスターの直行便が運航している。飛行時間は約7時間30分。時差は日本より1時間進んでいる(サマータイム期間は2時間)。
ジェットスターはJALとカンタス航空のコードシェア便にもなっており、マイルを活用したい旅行者にとっても選択肢がある。週5便の運航なので、旅程を組むときは出発曜日をあらかじめ確認しておくといい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発空港 | 成田国際空港・関西国際空港 |
| フライト時間 | 約7時間30分 |
| 主な航空会社 | ジェットスター(JAL・カンタスとコードシェア) |
| 時差 | 日本より+1時間(サマータイム時+2時間) |
| 空港から市内 | タクシーで約10〜15分 |
グレートバリアリーフ — 世界最大のサンゴ礁へ
ケアンズを訪れる旅行者のほとんどが、まずここを目指す。グレートバリアリーフは全長2,300kmにもおよぶ世界最大のサンゴ礁地帯で、1981年にユネスコ世界自然遺産に登録された。海のなかに広がる無数の生命の集積は、水面から眺めているだけでは想像もできないほどだ。
ケアンズからアクセスしやすいのが、沖合27kmに浮かぶグリーン島だ。高速船で約45〜50分と近く、日帰りで訪れることができる。島の周囲はエメラルドグリーンの海に囲まれており、桟橋の周りからシュノーケリングですぐにサンゴ礁と熱帯魚の世界に入ることができる。泳ぎが得意でない方には、グラスボート(ガラス底の船)という選択肢もある。船の底から濡れずにサンゴ礁をのぞき込む体験は、子どもにも大人にも忘れられない時間になる。
よりダイビングに特化した体験を求めるなら、アウターリーフへ向かうクルーズがある。ポンツーン(海上浮島)に停泊し、そこからシュノーケリングやスキューバダイビングを楽しむスタイルだ。インストラクター同行の体験ダイビングは初心者でも参加でき、ウミガメやマンタとの遭遇を期待できる。
グレートバリアリーフ上空でスカイダイビング
さらに特別な体験を求める方には、グレートバリアリーフ上空からのスカイダイビングがある。高度4,500mからフリーフォールし、眼下には世界遺産の海が広がる。ケアンズはスカイダイビングの名所としても知られており、複数のオペレーターがツアーを提供している。
グリーン島の過ごし方
グリーン島は珊瑚の砂と熱帯植物に囲まれた、周囲を1時間ほどで歩ける小さな島だ。島の真ん中には原生林が残っており、早朝に散策するとカラフルな野鳥に出会える。ビーチは遠浅で波が穏やかなため、ファミリー旅行にも向いている。
島内にはレストランやカフェもあり、ランチをとりながらゆったりと海を眺める時間もいい。午前中に早めの便で渡り、午後の遅い便で戻るスケジュールが定番で、半日〜1日を島で過ごすのがちょうどいいペースだ。
キュランダ — 世界遺産の熱帯雨林へ
ケアンズからバスで約20分のところにスミスフィールド駅があり、そこから出発するのがスカイレールだ。全長7.5km、所要約45分のロープウェイが、世界遺産の熱帯雨林の樹冠の上をゆっくりと渡っていく。眼下に広がるジャングルの緑と、遠くに見えるケアンズの海のコントラストは、他では見られない景色だ。
スカイレールには途中下車できる駅が2カ所あり、レッドピーク駅ではボードウォーク(木道)が整備されており、熱帯雨林の中を歩くことができる。バロン滝駅では豪快な滝を間近に望める展望台がある。
キュランダの村には、おみやげ屋やギャラリーが並ぶ。オーストラリアの工芸品やコアラのぬいぐるみ、地元の蜂蜜やマカデミアナッツのチョコレートなど、旅の記念になるものを探す楽しみがある。
キュランダ高原鉄道
帰りは高原鉄道を使うのが定番のルートだ。1891年開通のキュランダ鉄道は、険しい山岳地帯を縫うように走る観光鉄道で、15のトンネルと37の橋梁を通過しながらケアンズへと下っていく。クラシックな車両から眺める熱帯雨林と滝の景色は、スカイレールとはまたちがう迫力がある。所要時間は約1時間45分。
往路にスカイレール、復路に鉄道——このコンビネーションがキュランダ観光のスタンダードな楽しみ方で、2つの乗り物から同じ自然を異なる目線で味わえる。
ケアンズ市内の楽しみ方
エスプラネード
ケアンズのシンボルともいえるのが、海沿いに広がるエスプラネードの散歩道だ。ラグーンプール(海水を引いた無料プール)が設けられており、地元の人も観光客も水着で泳いでいる。ケアンズには遠浅のビーチがなく、街なかで泳げる場所がこのラグーンだ。日没どきに夕焼けを眺めながら散歩するだけでも気持ちがいい。
ナイトマーケット
市内中心部にあるナイトマーケットは、毎晩開催される屋内型の市場だ。アボリジナルアートのTシャツやアクセサリー、オパールのジュエリー、ウールのブランケットなど、オーストラリアらしいお土産が揃っている。マッサージ店やフードコートもあり、観光の合間に立ち寄るには最適な場所だ。
ケアンズ水族館
2017年にオープンしたケアンズ水族館は、グレートバリアリーフの生態系をテーマにした施設だ。海に出なくても、ガラスの向こうにサンゴ礁の世界が広がる。本物のサンゴ礁を観察するまえの予習にも、旅のまとめにもなる。
ヒルトン ケアンズ — グレートバリアリーフへの玄関口に建つ5つ星
ケアンズ中心部のウォーターフロントに立つヒルトン ケアンズは、グレートバリアリーフへのクルーズが発着するリーフターミナルに隣接した5つ星ホテルだ。観光の起点として、これ以上ない立地にある。
客室は清潔でゆったりとしており、海側の部屋からはコーラルシーが一望できる。朝、カーテンを開けると目の前に広がる南国の海——それだけで旅に来たという実感が湧いてくる。
館内にはビュッフェスタイルの朝食レストラン「サンライズ カフェ」があり、新鮮なトロピカルフルーツやオージービーフのオムレツなど、オーストラリアらしいメニューが並ぶ。夕食はウォーターフロントに面した「モンドー オン ザ ウォーターフロント」でシーフードと地ビールを楽しみたい。バーの「ジン ソーシャル」は、オーストラリア産のクラフトジンを揃えたケアンズ随一のジンバーとして地元でも知られている。
ヒルトン ケアンズはケアンズ国際空港から車で約14分。空港送迎の手配もできるため、長距離フライトのあとにすぐ落ち着いた空間に入れるのがありがたい。ヒルトン・オナーズ会員であれば、ポイントを使った無料宿泊や会員特典も活用できる。
ヒルトン ケアンズ基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ホテルブランド | ヒルトン(Hilton Hotels & Resorts) |
| 住所 | 34 The Esplanade, Cairns QLD 4870 |
| ロケーション | エスプラネード沿い、リーフターミナル隣接 |
| 空港からのアクセス | 車で約14分 |
| 主なレストラン・バー | サンライズ カフェ、モンドー オン ザ ウォーターフロント、ジン ソーシャル |
| ポイントプログラム | ヒルトン・オナーズ |
ケアンズ旅行のベストシーズン
ケアンズは熱帯性気候で、乾季(5月〜10月)と雨季(11月〜4月)にわかれる。旅行に向いているのは乾季で、晴れた日が多く湿度も比較的低い。気温は年間を通じて20〜30度前後で過ごしやすい。
雨季は突然のスコールがあり、海の視界が落ちることもある。ただ、緑が濃くなり熱帯雨林の生命力を感じやすい季節でもある。クラゲが発生しやすい時期でもあるため、泳ぐ際はスティンガースーツ(クラゲ防護スーツ)の着用を忘れずに。
ケアンズ旅行 よくある質問
ケアンズのグレートバリアリーフ観光は何日あればいいですか?
グレートバリアリーフのクルーズは1日ツアーが基本です。グリーン島なら半日〜1日、アウターリーフへのクルーズは1日かかります。キュランダを加えると合計2日間あれば2大世界遺産を両方体験できます。ケアンズ市内の観光を含めると、最低でも3泊4日が目安です。
スカイレールとキュランダ鉄道は予約が必要ですか?
どちらも予約なしで乗れることもありますが、繁忙期は席が埋まることがあるため、事前のオンライン予約をおすすめします。往路スカイレール・復路鉄道のコンビネーションチケットはセット購入すると割引になることが多いです。
ダイビングの資格がなくてもグレートバリアリーフに潜れますか?
はい、体験ダイビング(インストラクター同行)のプログラムがあり、ライセンスなしで参加できます。水中で呼吸するコツをその場で教えてもらい、数メートルの深さまで潜ることができます。シュノーケリングでもサンゴと熱帯魚の世界は十分に楽しめます。
ケアンズで日本語は通じますか?
日本人観光客が多い都市のため、主要な観光ツアーには日本語ガイドが対応しているものがあります。空港や大型ホテルでも日本語スタッフがいるケースがあります。ただし街なかの一般店舗は英語のみなので、基本的な英会話があると安心です。
ケアンズへの旅費はどのくらいかかりますか?
航空券はジェットスターの早期購入で往復5〜9万円、JALのコードシェアで10〜17万円が目安です。ヒルトン ケアンズの宿泊費は時期によって異なりますが1泊2〜4万円程度。グレートバリアリーフのクルーズが1万5,000〜2万円、キュランダ往復が8,000〜1万2,000円ほどで、3泊4日で総額15〜25万円前後が一般的な目安です。
まとめ
ケアンズは、2つの世界遺産を軸にした自然体験の宝庫だ。グレートバリアリーフでは海の中の圧倒的な生命の多様性に触れ、キュランダでは太古から続く熱帯雨林の静けさに包まれる。どちらも、映像や写真では伝わらない体感があり、現地でしか得られないものがある。
ヒルトン ケアンズをベースにすれば、リーフターミナルへも市内観光へもアクセスがよく、旅全体のストレスが少ない。南国の空気を吸いながら、日常から完全に切り離される体験を求めているなら、ケアンズはその期待に十分応えてくれる。
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