ドイツの市販風邪薬 グリッポスタット C(Grippostad C)── ヨーロッパ旅行中にインフルエンザで助けられた常備薬

ドイツやオーストリアの薬局(Apotheke)の棚に並ぶ、オレンジ色のパッケージ。わたしが長期のヨーロッパ旅行に出るとき、ベルリンかウィーンで必ず買って帰る薬がある。グリッポスタット C(Grippostad C)だ。

風邪薬と説明するのが早いが、それだけでは伝わらない。この薬に一度助けられた経験がある。旅行中にインフルエンザにかかったとき、現地の薬局でこれを買い、ホテルの部屋で飲んだ翌日、なんとか動けるようになった。それ以来、ヨーロッパに行くたびに常備薬として買っておくようになった。

グリッポスタット C とはどんな薬か

Grippostad C は、ドイツの製薬会社 Stada が製造・販売する市販の感冒薬だ。主成分は4つ。パラセタモール(アセトアミノフェン)500mg、ビタミン C(アスコルビン酸)200mg、塩酸プソイドエフェドリン 30mg、カフェイン 25mg が1カプセルに入っている。

パラセタモールは解熱・鎮痛。プソイドエフェドリンは鼻の充血を抑える。ビタミン C は免疫サポートと体力維持。カフェインは眠気対策だ。風邪やインフルエンザの主な症状に一本で対応できる組み合わせになっている。

成分 1カプセルあたり 主な効果
パラセタモール(アセトアミノフェン) 500mg 解熱・鎮痛
ビタミン C(アスコルビン酸) 200mg 免疫サポート
塩酸プソイドエフェドリン 30mg 鼻づまり・充血解消
カフェイン 25mg 眠気対策・効果増強

1回2カプセルを1日最大4回服用する(最大8カプセル/日)。24カプセル入りのパッケージは、だいたい3日分の目安になる。

旅行中にインフルエンザにかかった話

ヨーロッパを3週間旅行していたときのことだ。ミュンヘンからウィーンへ移動した翌朝、体が重くて起き上がれなかった。熱を測ったら39度を超えていた。

ホテルのフロントに頼んで近くの Apotheke(薬局)の場所を教えてもらった。ドイツ語がわからなくても、「Grippe」(グリッペ = インフルエンザ)という単語と症状をジェスチャーで伝えれば、薬剤師がこのパッケージを出してくれる。

飲んだその夜は深く眠れた。翌日の午後には熱が下がり、翌々日にはウィーンの街を歩けるようになった。この薬だけで回復したわけではないと思う。でも、あのとき Apotheke があって、この薬があってよかったと感じた。

それ以来、ドイツやオーストリアに行くたびに、体調に関係なく1パッケージ買っておくようにしている。日本に持ち帰って常備しておくと、次の旅行のときにも使える。

どこで買えるか — Apotheke(薬局)について

ドイツとオーストリアでは、市販薬でも薬剤師のいる Apotheke(アポテーケ)でしか購入できないものが多い。グリッポスタット C もそのひとつだ。スーパーや駅のコンビニでは売っていない。

Apotheke は緑の十字(+)のマークが目印で、街中に多く点在している。ベルリン中央駅、フランクフルト空港、ウィーン中央駅など、主要な交通拠点の近くには必ずある。Google マップで「Apotheke」と検索するとすぐ見つかる。

営業時間は月曜〜金曜の9時〜18時が基本で、土曜は14時ごろまでのことが多い。日曜・祝日は基本的に閉まっているが、「Notfall-Apotheke(緊急薬局)」が輪番で24時間対応している。閉まっている薬局の扉に、その日の当番薬局の場所が掲示してある。

都市・場所 Apotheke の場所
フランクフルト空港 ターミナル1・2ともに制限区域外に複数あり
ベルリン中央駅(Hbf) 駅構内・駅周辺に複数あり
ウィーン中央駅(Wien Hbf) 駅構内に1軒、周辺にも複数あり
ミュンヘン中央駅(München Hbf) 駅構内・バーンホフ通り周辺

値段はパッケージの種類によって異なる。24カプセル入りで4〜6ユーロ前後が目安だ。48カプセル入りの大容量版もある。

薬剤師への伝え方

ドイツ語が話せなくても、以下のひとことで通じる。

「Grippostad C, bitte.(グリッポスタット ツェー、ビッテ)」

これだけでほぼ確実にパッケージを出してくれる。商品名が明確なので、症状を説明する必要もない。英語が話せる薬剤師も多いので、「Do you have Grippostad C?」でも問題ない。

症状を伝えたい場合は以下が参考になる。

症状 ドイツ語 発音の目安
風邪 Erkältung エアケルトゥング
インフルエンザ Grippe グリッペ
発熱 Fieber フィーバー
鼻づまり verstopfte Nase フェアシュトップテ ナーゼ
頭痛 Kopfschmerzen コップフシュメルツェン

日本への持ち込みについて

グリッポスタット C の成分のなかで、塩酸プソイドエフェドリンは覚醒剤原料に指定されている。日本国内への持ち込みには規制がある。

個人が自分で使う目的であれば、成人1か月分以内(プソイドエフェドリン換算で720mgまで)が持ち込み可能とされている。グリッポスタット C は1カプセルあたり30mgなので、24カプセル入り1箱(720mg)がおおむね上限の目安になる。複数箱まとめ買いして大量に持ち込もうとすると問題になる可能性があるので、1箱にとどめておくのが賢明だ。

なお、カフェインも含まれているため、妊娠中の方や高血圧の方は服用前に医師に相談することが望ましい。

ヨーロッパ長期旅行の常備薬として

長期のヨーロッパ旅行では、体調を崩したときに現地の薬局で薬を調達できるかどうかが重要になる。日本から大量の薬を持ち込むよりも、現地で手に入る信頼性の高い薬を知っておくほうが合理的だ。

グリッポスタット C はドイツ語圏 — ドイツ・オーストリア・スイスのドイツ語エリア — で広く流通している。同じ旅程のなかで複数の都市を移動するような旅では、最初の都市で1箱買っておくと安心感がある。

ウィーンに立ち寄る機会があれば、旧市街にも Apotheke は多い。シュテファン大聖堂から歩ける範囲に何軒もある。観光の合間に立ち寄ることができる。

よくある質問

グリッポスタット C はドイツ以外でも買えますか?

オーストリアとスイス(ドイツ語圏)の Apotheke でも購入できます。フランスやイタリアでは販売されていないので、ドイツ語圏の都市を旅程に含めているときに買っておくとよいでしょう。

Apotheke は日曜日も開いていますか?

通常の Apotheke は日曜・祝日は閉まっています。ただし「Notfall-Apotheke(緊急薬局)」が輪番で24時間対応しています。閉まっている薬局の入口ドアに、その日の当番薬局の住所が掲示してあります。

グリッポスタット C は子どもにも使えますか?

Grippostad C は12歳以上を対象とした製品です。12歳未満の子どもには使用できません。子ども向けの風邪薬は別途 Apotheke で相談してください。

日本から持ち込む場合の注意点はありますか?

成分のプソイドエフェドリンが日本では覚醒剤原料に指定されているため、持ち込み量に上限があります。個人使用目的で1か月分以内(1箱24カプセル程度)であれば問題ありません。複数箱の大量持ち込みは避けてください。

ドイツ語が話せなくても薬局で買えますか?

「Grippostad C, bitte.」と商品名を言うだけで通じます。英語が話せる薬剤師も多く、都市部の Apotheke では英語で対応してもらえることがほとんどです。

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