ANAとルフトハンザグループが組んでいる日欧ジョイントベンチャー(JV)に、イタリアのITAエアウェイズが加わります。2026年6月8日に発表され、参画はこの秋から。日本と欧州を結ぶ路線網が、また一段と広がります。
ヨーロッパへよく飛ぶマイラーにとって、これはじつは見逃せないニュースです。たんに便が増えるという話ではなく、予約のしやすさ、マイルの貯め方・使い方、そしてイタリア方面の旅程の自由度が、まとめて変わってくるからです。SFC会員の目線で、なにがどう変わるのかを整理しておきます。
日欧ジョイントベンチャーとは
ジョイントベンチャーは、航空会社どうしが路線・運賃・スケジュールを共同で運営する、もっとも踏み込んだ提携のかたちです。コードシェア(共同運航)よりさらに深く、ねだんやダイヤを一体で設計します。乗る側からすると、別々の会社の便なのに、まるで一社のネットワークのように予約できるのが大きな利点です。

ANAとルフトハンザグループ(ルフトハンザ・スイス・オーストリア航空・ブリュッセル航空)の日欧JVは、すでに日本=欧州間で週162便の直行便を提供しています。ここにITAエアウェイズが加わることで、週176便へと拡大します。
| 項目 | ITA参画前 | ITA参画後(2026年秋〜) |
|---|---|---|
| 参加航空会社 | ANA・ルフトハンザ・スイス・オーストリア・ブリュッセル | 上記+ITAエアウェイズ |
| 日欧間の直行便数 | 週162便 | 週176便 |
| イタリアのハブ | なし(ミラノはANA直行のみ) | ローマ(フィウミチーノ)が加わる |
| 共通運賃 | ANA・ルフトハンザ系のみ | ITA便も組み合わせて発券可能に |
イタリアが「ローマ経由」でぐっと近くなる
今回のいちばんの目玉は、ローマがJVのハブとして加わることです。ITAエアウェイズはローマ・フィウミチーノ空港を拠点にしていて、イタリア国内はもちろん、地中海沿岸や北アフリカのマグレブ地域へも路線網をもっています。

具体的にイメージしやすいのは、ANAの羽田=ミラノ線と、ITAのローマ=羽田線を組み合わせた旅程です。たとえば往路はITA便で羽田からローマへ入り、観光やビジネスをこなしてから、復路はANA便でミラノから羽田へ帰る。こうした行きと帰りで都市を変える「オープンジョー」の旅程が、共通運賃で一枚の航空券として発券できるようになります。
これまでイタリア周遊はミラノ往復が基本で、ローマやナポリ、シチリアは国内線や鉄道で足すしかありませんでした。ローマがJVに入ることで、入口と出口を分けた効率のいいルートが組みやすくなります。
マイラー・SFC会員へのメリット
ITAエアウェイズは、いまスターアライアンスへの統合を進めている最中です。ルフトハンザグループ傘下に入ったことで、これまでのスカイチーム系から、ANAと同じスターアライアンス陣営へ移ってきました。マイラーの視点では、ここが大きな転換点です。
- ITA便でもANAマイルが貯められるようになる(統合完了後)
- ANAマイルを使った特典航空券で、ローマ発着のITA便を選べる選択肢が増える
- スターアライアンス・ゴールド(SFC・プラチナ以上)のラウンジ・優先搭乗などの上級会員特典が、ITA便でも使えるようになる
- 共通運賃により、ANA・ITAをまたいでも積算率や運賃クラスの扱いがそろっていく
SFCを維持しているなら、欧州内の移動でもラウンジや手荷物優先といった特典の傘が広がるのは素直にうれしい変化です。SFCやマイルの仕組みそのものをおさらいしたい方は、ヨーロッパを安く飛ぶ航空会社・乗り継ぎ空港の選び方2026もあわせて読むと、総額を抑える視点が補えます。
背景:ATI認可とルフトハンザのITA買収
このJV拡大は、国土交通省からATI(独占禁止法適用除外)の認可を受けたことに伴うものです。ATIが認められると、本来は競争関係にある航空会社どうしが、運賃やスケジュールを共同で決めても独占禁止法に触れない、という扱いになります。これがJVを成り立たせる土台です。
もともとルフトハンザグループがITAエアウェイズの経営に参画したことが出発点でした。ルフトハンザ陣営に入ったITAが、ルフトハンザとANAの既存JVにも合流する——という自然な流れです。共通運賃の提供は2026年秋以降、順次はじまる予定とされています。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2026年6月8日 | ITAの日欧JV参画を発表 |
| 2026年秋〜 | 共通運賃の提供を順次開始(羽田=ローマなど) |
| 統合完了後 | ITA便でのANAマイル積算・スターアライアンス特典が本格適用 |
今夏のイタリア旅行をどう組むか
共通運賃の正式スタートは秋以降なので、今すぐ羽田=ローマを一枚で発券できるわけではありません。それでも、これからイタリア方面を計画するなら、ローマ・インとミラノ・アウト(またはその逆)を前提にルートを描いておくと、秋以降の発券で選択肢を広く取れます。
機材の面でも、ANAは2026年下期から最新シートを積んだ787-9を順次投入していきます。ミラノ便の快適性も上がっていくので、欧州路線の選び方は今後さらに変わります。新機材のスケジュールはANA 787-9「THE Room FX」が今夏就航——2026年下期 新機材スケジュール完全解説にまとめています。
JVやATI認可の正式な内容、共通運賃の対象路線は、今後ANAから順次案内されます。最新の情報は必ずANA公式のジョイントベンチャー案内ページでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ITAエアウェイズの日欧JV参画はいつからですか?
2026年6月8日に発表され、参画は2026年秋からです。共通運賃の提供は同年秋以降、順次はじまる予定です。
Q2. JVに加わることで便数はどう変わりますか?
ANAとルフトハンザグループの日欧JVは現在週162便ですが、ITA参画後は週176便へ拡大します。イタリアのハブとしてローマ(フィウミチーノ)が新たに加わります。
Q3. 羽田=ローマは一枚の航空券で予約できますか?
共通運賃のスタート後は、ANAの羽田=ミラノ線とITAのローマ=羽田線を組み合わせ、共通運賃で一枚の航空券として発券できるようになります。往路ローマ・イン、復路ミラノ・アウトといった旅程が組めます。
Q4. ITA便でANAマイルは貯まりますか?
ITAエアウェイズはスターアライアンスへの統合を進めています。統合が完了すれば、ITA便でのANAマイル積算や、スターアライアンス・ゴールド特典(ラウンジ・優先搭乗など)が利用できるようになります。
Q5. SFC会員にとってのメリットはありますか?
あります。共通運賃と上級会員特典の傘が広がることで、ローマ発着のITA便でもラウンジや手荷物優先といったSFC(スターアライアンス・ゴールド)特典が使えるようになり、欧州内の移動がより快適になります。
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