ANAが、長くプレミアムメンバーとスーパーフライヤーズ本会員に提供してきた「アップグレードポイント」を、2026年度の提供をもって終了すると発表しました。座席のアップグレードやラウンジ利用に使えてきたあのポイントが、これからはマイルに一本化されます。発表は2025年10月22日。そして2026年5月19日搭乗分からは、国内線でもマイルでアップグレードできる仕組みがすでに始まっています。
ダイヤモンドやプラチナを目指してきた人にとって、これは小さくない変更です。なにが終わり、なにに置き換わるのか。SFC会員や修行を考えている人への影響まで、ANAダイヤモンドを実際に維持してきたTeam Eliteの目線で整理します。
アップグレードポイントとは、そもそもなんだったのか
アップグレードポイントは、前年の搭乗実績(プレミアムポイント)に応じて、毎年4月にダイヤモンド・プラチナ・ブロンズの各プレミアムメンバーと、スーパーフライヤーズカードの本会員に付与されてきたポイントです。
使いみちは主に2つ。ひとつは座席のアップグレード——たとえば国際線のエコノミーからビジネス、プレミアムエコノミーからビジネスへと、現金を足さずに上のクラスへ上がれました。もうひとつはラウンジ利用や、ダイヤモンド会員の選択式特典への交換です。マイルとは別枠で配られる「上級会員だけのボーナス」のような存在で、これを目当てに修行をつづけた人も少なくありませんでした。
なにが終わるのか——終了スケジュール
終了はいきなりではなく、段階的に進みます。配布は2026年度ぶんが最後で、すでに手元にあるポイントには利用期限が設けられています。整理すると次のとおりです。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 2026年5月19日搭乗分〜 | 国内線でマイルによるアップグレード特典の利用が開始 |
| 2026年度(最後の付与) | 2026年度のプレミアムメンバー・SFC本会員への提供をもって配布終了 |
| 2027年3月31日 | アップグレードポイントを使ったサービスの利用期限(この日まで) |
| 2027年4月1日時点 | ダイヤモンド会員へ50,000マイルをプレゼント(移行措置) |
つまり、いま持っているアップグレードポイントは2027年3月31日まで使えます。あわてて使い切る必要はありませんが、期限を過ぎると失効するので、使う予定があるなら早めに計画しておくのがいいでしょう。
マイル一本化で、なにが変わるのか
今回の変更の本質は「アップグレードの手段をマイルにまとめる」ことです。これまでアップグレードポイントと特典の世界が二本立てになっていたのが、マイルという一つの通貨に統一されます。JALがすでにマイルベースのアップグレードに寄せていることもあり、ANAも同じ土俵に近づいた形です。
| 項目 | これまで | これから |
|---|---|---|
| アップグレードの原資 | アップグレードポイント+マイル | マイルに一本化 |
| 国内線のアップグレード | アップグレードポイント中心 | マイルでアップグレード可能(5月19日〜) |
| 配布の有無 | 毎年4月に付与 | 2026年度ぶんで終了 |
マイルでアップグレードできる範囲が国内線にも広がるのは、見方によってはプラスです。これまでアップグレードポイントが足りずにあきらめていた区間でも、マイルさえあれば上のクラスへ上がれるようになります。マイルの貯め方そのものを見直すいい機会でもあります。くわしくはANAマイルの貯め方ガイドもあわせて読んでみてください。
2027年度ダイヤモンド会員への5万マイルプレゼント
移行措置として用意されたのが、2027年4月1日時点でダイヤモンドサービスメンバーである人への50,000マイルのプレゼントです。積算予定はおおむね2027年4月ごろ、マイル口座グループ4に加算される見込みとされています。
5万マイルは、使い方しだいで国内線特典航空券の往復が複数回取れたり、国際線のアップグレードに充てたりと、決して小さくない価値があります。アップグレードポイントを失う最上級会員への、いわば埋め合わせの色合いが強い特典です。ダイヤモンドを狙っている人は、この時点での在籍がひとつの目標になります。
SFC会員・修行を考えている人への影響
「SFC修行のモチベーションが下がるのでは」と感じた人もいるかもしれません。ただ、ここは冷静に見ておきたいところです。
そもそもSFC修行の主目的の多くは、ステータスを取ってANAラウンジやスターアライアンス・ゴールドの海外ビジネスラウンジを使えるようにすること、そして空港での優先サービスを継続的に受けることにあります。アップグレードポイントはあくまで付随的なメリットでした。ラウンジ利用や優先搭乗といったSFCの中核的な価値は今回の変更で失われません。だから、修行への影響は現時点ではそれほど大きくない、という見方が現実的です。
とはいえ、上級会員でいることの「お得感」が一つ減るのは確かです。SFCのこれからの位置づけや、2028年に向けた制度変更とあわせて考えたい人は、ANAマイル・SFC完全ガイドで全体像を押さえておくと判断しやすくなります。
これからの使い方・いま考えておくこと
整理すると、いまやっておきたいことは3つです。
- 手持ちのアップグレードポイントは2027年3月31日までに使い切る。旅程が決まっているなら、価値の高い長距離国際線のアップグレードに優先的に充てるのが王道です。
- マイルの残高と貯め方を見直す。アップグレードがマイル一本化されるぶん、これからはマイルそのものの重みが増します。
- 2027年4月1日のダイヤモンド在籍を一つの目安にする。5万マイルプレゼントの対象になるかどうかは、その時点のステータスで決まります。
制度が変わるときは、損をしたように感じがちです。でも、見方を変えれば「マイルという一つの軸でアップグレードを設計できる」シンプルさが手に入ったとも言えます。マイルを軸に旅を組み立てる発想に切り替えていくのが、これからのANAとのいい付き合い方になりそうです。
よくある質問(FAQ)
Q. アップグレードポイントはいつまで使えますか。
A. 2027年3月31日までです。配布は2026年度ぶんが最後となり、手元のポイントはこの期限までにアップグレードやラウンジ利用などに使い切る必要があります。
Q. アップグレードポイントが終わると、座席のアップグレードはできなくなりますか。
A. できなくなるわけではありません。手段がマイルに一本化されます。2026年5月19日搭乗分からは国内線でもマイルでのアップグレード特典が利用できるようになっています。
Q. 2027年度のダイヤモンド会員には、なにかもらえますか。
A. 2027年4月1日時点でダイヤモンドサービスメンバーである人に、50,000マイルがプレゼントされます。積算はおおむね2027年4月ごろ、マイル口座グループ4への加算が予定されています。
Q. SFC修行をする意味は薄れますか。
A. アップグレードポイントは付随的な特典でした。ANAラウンジや海外のスターアライアンス・ゴールドラウンジの利用、優先搭乗といったSFCの中核的な価値は変わらないため、修行の意味が大きく失われるわけではありません。
Q. この変更はいつ発表されましたか。
A. 2025年10月22日にANAから発表されました。対象はプレミアムメンバー(ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズ)とスーパーフライヤーズカード本会員です。
最新の正確な内容や対象条件は、かならずANA公式の案内ページでご確認ください。アップグレードポイントのサービス終了について(ANA公式)
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