2026年4月28日、スターアライアンスは中国・広州白雲国際空港の第3ターミナル内に新しい「スターアライアンス・ラウンジ」をオープンしたと発表した。総面積は約1,400平方メートル、座席数は約245席。空港ラウンジとしては珍しく700平方メートルの屋外庭園をもつ、24時間営業の大型ラウンジである。
広州はANAも就航する都市で、第3ターミナルを使うスターアライアンス便のファースト・ビジネスクラス搭乗者、そしてSFC(スーパーフライヤーズ)会員に代表されるスターアライアンス・ゴールド会員が利用できる。中国本土でのスターアライアンス・ラウンジは数えるほどしかなく、SFC修行・出張・トランジットの体験を変えるニュースだ。
広州白雲国際空港 第3ターミナル スターアライアンス・ラウンジの概要
まずはラウンジの基本仕様を整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 広州白雲国際空港(CAN)第3ターミナル 出発エリア |
| 総面積 | 約1,400㎡(屋外庭園700㎡を含む) |
| 座席数 | 約245席 |
| 営業時間 | 24時間営業 |
| フード | プルマンホテルのシェフチームと提携、中華・洋食の鮮度重視メニュー |
| 設備 | 休憩エリア、仮眠スペース、個室、読書スペース、専用ワークゾーン、お茶体験コーナー |
| 屋外庭園 | 700㎡の開放的なオープンスペース(空港ラウンジでは珍しい) |
とくに目を引くのは屋外庭園だ。エアサイドに700㎡の庭をもつラウンジは世界でも数少ない。長時間のトランジットでも、屋内に閉じ込められる感覚から解放される。
利用できるのは誰か
このラウンジは、第3ターミナル発のスターアライアンス加盟航空会社の便を利用する乗客のうち、次のいずれかに該当する場合に使える。
- ファーストクラス・ビジネスクラスの搭乗者(搭乗券のクラスで判定)
- スターアライアンス・ゴールド会員(搭乗クラス不問・同伴者1名まで可)
つまりANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)会員、ダイヤモンドサービス会員、プラチナサービス会員は、ANA便でなくてもスターアライアンス便に乗るかぎり利用できる。中国国内便への乗り継ぎでも、第3ターミナル発のエア・チャイナ、深圳航空などスターアライアンス加盟便を使うなら入れる。
広州を発着するスターアライアンス10社
広州白雲国際空港にはスターアライアンス加盟航空会社が10社就航している。日本からは主に東京(成田・羽田)、大阪(関西)からの便があり、ANA便と接続するルートも組みやすい。
| 代表的な就航会社 | 日本からの主要ルート |
|---|---|
| ANA(全日本空輸) | 羽田/成田 → 広州(直行・季節運航あり) |
| エア・チャイナ | 広州を経由したアジア・欧州ルート |
| シンガポール航空 | 広州 → シンガポール接続便 |
| タイ国際航空 | 広州 → バンコク 直行 |
| アシアナ航空 | 広州 → ソウル(仁川) |
| EVA航空 | 広州 → 台北(桃園) |
※ 運航スケジュールは時期により変動するため、最新情報は各社サイトで確認してほしい。
中国本土のスターアライアンス・ラウンジ事情
中国本土の主要空港のラウンジ事情は、これまで日本人マイラーにとって少しもどかしいものだった。北京・上海・広州にエア・チャイナのラウンジはあるものの、ピーク時間帯は混雑がひどく、設備も国際水準とは言えなかった。
今回の広州第3ターミナルのラウンジは、スターアライアンスが直営する「スターアライアンス・ブランドラウンジ」で、ロサンゼルス、ロンドン・ヒースロー、パリ・シャルル・ド・ゴール、ブエノスアイレス、ナゴヤなどに展開している世界的なシリーズに連なる。中国本土では初の本格的なスターアライアンス・ブランドラウンジで、SFC会員の体験を底上げする存在になる。
SFC会員にとっての意味
SFC会員にとってこのニュースが意味するのは、次の3点に整理できる。
- 中国経由ルートが快適になる:欧州・東南アジアへの接続便で広州を使うとき、長時間のトランジットも快適に過ごせる
- エア・チャイナ便でも入れる:ANA便がなくても、スターアライアンス加盟便に乗るかぎりラウンジに入れる
- 2028年のSFC改定後も価値が残る:SFC LITE・PLUSの両方でラウンジ利用権は維持されるため、ラウンジネットワークの拡充は会員資格の価値を高める
ANAはこれまで、海外のスターアライアンス・ラウンジを使うことで自社の空港網を補ってきた。広州にこのレベルのラウンジが誕生したことで、SFC会員のアジア圏ルート選択肢がひとつ増えたといえる。
使いどころのイメージ
具体的にどう使うか、シナリオを3つ挙げる。
シナリオ1:日本 → 広州 → 東南アジア
ANA羽田・成田から広州に入り、タイ国際航空でバンコク、シンガポール航空でシンガポールへ抜けるルート。トランジットが3〜6時間あっても、24時間営業の広いラウンジで余裕をもって過ごせる。
シナリオ2:欧州ルートの中間休憩
ANAの羽田=ミラノ便増便など欧州路線の選択肢が広がるなか、エア・チャイナ便で広州経由ヨーロッパに行くオプションも検討できる。広州ラウンジが充実すれば、長時間フライトの中継地点として現実味が増す。
シナリオ3:早朝・深夜の発着便
広州発着の便は深夜・早朝が多い。24時間営業のラウンジは、こうした便を使うマイラーにとってとてもありがたい。仮眠スペース・シャワー(公式情報では明示なし、現地確認推奨)があれば、ホテル代わりに使う選択肢も生まれる。
ANAラウンジとの違い、覚えておきたいこと
このラウンジはANAが運営するわけではない。「スターアライアンス・ラウンジ」というブランドで、スターアライアンス機構が運営している。だから、ANAスイートラウンジで提供されるような握り寿司や日本酒のセレクションは期待できない。代わりに、プルマンホテルのシェフチームが手がける中華・洋食メニューが楽しめる。
「ANAらしさ」を求める人には物足りないかもしれないが、現地の食文化を取り入れた質の高いメニューを24時間提供する大型ラウンジは、空港ラウンジとしての完成度が高い。
ANA本体のラウンジ事情については「ANA ラウンジ完全ガイド|スイートラウンジ・ANAラウンジの違いと利用条件」、SFCの2028年改定後にラウンジがどうなるかについては「SFC LITE・SFC PLUSの特典を完全比較」もあわせて読んでほしい。
世界のスターアライアンス・ブランドラウンジとの比較
広州第3ターミナルのラウンジは、世界のスターアライアンス・ブランドラウンジのなかでどの位置づけになるか。代表的な拠点と比べてみる。
| 空港 | 面積 | 特徴 |
|---|---|---|
| ロサンゼルス(LAX) | 約1,800㎡ | 屋外テラス、滑走路ビュー、シャワー |
| パリ(CDG) | 約2,000㎡ | ル・コルビュジエ風デザイン、ワインバー |
| ナゴヤ(NGO) | 約400㎡ | コンパクトだが落ち着いた設計 |
| 広州(CAN) ※今回新設 |
約1,400㎡ | 700㎡屋外庭園、24時間営業、プルマン提携 |
面積で見ると上位クラス。とくに屋外庭園のサイズと24時間営業はスターアライアンス・ブランドラウンジのなかでも独自性が高い。
世界一周航空券との組み合わせ
もうひとつ、このラウンジのおもしろい使いどころが「世界一周航空券」だ。スターアライアンス世界一周航空券は最大16区間で複数の都市をめぐることができ、中国大陸を経由するルートも組める。長時間のトランジットを「ラウンジで過ごす時間」として楽しめるなら、広州はルート設計に組み込みやすい都市になる。
詳しくは「スターアライアンス 世界一周航空券 完全ガイド 2026|おすすめルート5選と料金を徹底解説」を参照してほしい。
まとめ
広州白雲国際空港 第3ターミナルにオープンしたスターアライアンス・ラウンジは、中国本土のSFC会員・ビジネスクラス搭乗者の体験を底上げする新拠点だ。1,400㎡の広さ、24時間営業、700㎡の屋外庭園、プルマンホテルのシェフによる食事——いずれもアジアのラウンジ網のなかで存在感を出している。
とくに東南アジア・欧州ルートの中継地として、また中国本土でのSFC修行の中継拠点として、覚えておくと使いどころが多い。ANAの直営ラウンジではないが、SFC・スターアライアンス・ゴールドの資格を維持する価値を再認識させてくれる動きである。
詳細はスターアライアンス公式サイトおよびANAホールディングス プレスリリースを確認してほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. このスターアライアンス・ラウンジは誰でも利用できますか?
A. いいえ。広州白雲国際空港 第3ターミナル発のスターアライアンス加盟航空会社便を利用するファースト・ビジネスクラスの搭乗者、またはスターアライアンス・ゴールド会員(ANAのSFC・ダイヤモンド・プラチナを含む)のみが利用できます。エコノミークラスの搭乗券だけでは入れません。
Q. ANAのSFC会員は使えますか?
A. はい。SFC会員はスターアライアンス・ゴールド資格を保有しているため、エコノミークラスでも、ANA便でなくても、スターアライアンス加盟便を利用するかぎり同伴者1名まで入場できます。2028年のSFC改定後(LITE・PLUSの両方)もラウンジ利用権は維持される予定です。
Q. シャワーは利用できますか?
A. プレスリリース時点ではシャワーの有無は明示されていません。スターアライアンス・ブランドラウンジは多くの拠点でシャワーを備えているため、設置されている可能性は高いですが、利用前にラウンジ受付で確認してください。
Q. 営業時間は何時から何時までですか?
A. 24時間営業です。深夜・早朝便を利用する場合でも開いており、長時間トランジットや夜行便の待ち時間にも対応します。
Q. 食事のメニューはどのようなものですか?
A. プルマンホテルのシェフチームと提携し、中華と洋食の両方を提供します。鮮度とバランスを重視した「中洋折衷」の構成で、現地の食文化を取り入れたメニューが楽しめます。お茶体験コーナーも設けられています。
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