雅叙園東京 リニューアルオープン2026|全室スイート60室で営業再開 — 2027年ヒルトン最高級LXRへ

雅叙園東京 招きの大門とロビー回廊

目黒の坂の下に、90年以上たたずんできたホテルが帰ってきました。「昭和の竜宮城」と呼ばれた雅叙園東京が、2026年7月27日に営業を再開しました。改修のための休館からおよそ10か月ぶりの再開です。そして今回のリニューアルは、ただの改装ではありません。全60室がすべてスイートになり、2027年にはヒルトンの最高級ブランド「LXRホテルズ&リゾーツ」の一員になることが決まっています。

じつはわたしは、このホテルに泊まったことがありません。それでも毎年この時期になると、メロンのかき氷を食べに通っています。泊まらなくても通いたくなるホテル — それが雅叙園です。この記事では、リニューアルで何が変わったのかを整理しながら、写真多めで新生・雅叙園東京を紹介します。

雅叙園東京 招きの大門とロビー回廊
招きの大門とロビー回廊。館内に一歩入ると、ここがホテルであることを忘れます(写真:Suicasmo / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)

全60室・全室スイート — 客室は「茶室」になった

リニューアルの柱は客室です。6〜8階に配置された客室は全60室、そのすべてがスイート。広さは70平米以上が確保されています。東京のラグジュアリーホテルでも、全室スイートという構成はごくわずかしかありません。

雅叙園スイートのベッドルーム
雅叙園スイートのベッドルーム(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)

設計のコンセプトは「客室を茶室、廊下やエレベーターホールを茶庭に見立てる」というもの。部屋にたどり着くまでの動線そのものを、露地を歩いて茶室へ向かう時間になぞらえています。内装には柿渋染めや西陣織、日本画が使われ、一室ごとに設えが異なります。60室すべてが違う顔をもっているわけです。

最上位はシグネチャースイートの「雅叙園スイート」。約240平米の空間に、独立したベッドルーム、リビング、ダイニングを備えたレジデンシャルスタイルです。

雅叙園スイートのミーティングルーム
雅叙園スイートのミーティングルーム(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)
雅叙園スイートのバスルーム。窓の外に目黒の景色が広がります
雅叙園スイートのバスルーム。窓の外に目黒の景色が広がります(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)

もともと雅叙園の客室は、休館前から全室80平米前後という規格外の広さで知られていました。その骨格に、茶室の思想と職人の手仕事を重ねたのが今回の客室です。

和室タイプも用意されています。「和室プレミアムルーム」(80平米)は、畳敷きのベッドルームに次の間と広縁を備えた客室で、いぐさの香りと、一輪挿しに活けた季節の草花が迎えてくれます。ベッドで眠れる和室 — 日本の住まいの美しさを、無理なく味わえる設えです。

和室プレミアムルーム。畳敷きのベッドルームに次の間と広縁がつづきます
和室プレミアムルーム。畳敷きのベッドルームに次の間と広縁がつづきます(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)
和室プレミアムルームのバスルーム。木の湯桶が置かれた和の設えです
和室プレミアムルームのバスルーム。木の湯桶が置かれた和の設えです(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)

宿泊予約は2026年7月8日から、雅叙園東京の公式サイトで受付がはじまっています。ヒルトン・オナーズのポイント宿泊や会員特典は、LXRとしての開業後に対応する見込みです。全室スイートの60室という小ささを考えると、開業後は予約の取りにくい1軒になりそうです。

2027年 ヒルトン最高級ブランド「LXR」の東京1号店へ

LXRホテルズ&リゾーツは、ヒルトンのブランドピラミッドの頂点に位置するラグジュアリーブランドです。世界でおよそ40軒という小さなコレクションで、日本ではロク京都に次ぐ2軒目、東京では初めての進出になります。広島でも「Umiuta Hiroshima, LXR Hotels & Resorts」の計画が進んでおり、日本のLXRはこれから一気に厚みが出てきます。

ヒルトン・オナーズの対象施設になることも発表されています。ポイントでの宿泊や上級会員特典の扱いはLXR開業時に整理されるとみられますが、ロク京都の例を考えると、オナーズのポイント泊でこの全室スイートに手が届く日が来るかもしれません。ヒルトン系の上級会員にとっては、東京の選択肢に強力な1軒が加わることになります。

リニューアルの全体像 — 何がどう変わったのか

今回のリニューアルの流れを、まず時系列で整理します。

時期 できごと
2025年10月1日 改修のため休館
2026年4月28日 ヒルトンがLXRブランドでの開業を発表
2026年7月27日 「雅叙園東京」として営業再開(宿泊・レストラン)
2026年末〜2027年 「雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ」として全面開業予定

名称も「ホテル雅叙園東京」から「雅叙園東京」に変わりました。所有はブルックフィールド、運営はヒルトンという体制です。ヒルトンの発表では、LXRとしての開業は2027年の予定。営業再開時の案内では2026年末の本格始動と告知されており、年末から2027年にかけて段階的にLXRの看板へ切り替わっていく見込みです。この期間は、客室の改装とフィットネスジムの新設が進められます。

リニューアル後の雅叙園東京の外観
リニューアル後の雅叙園東京の外観(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)

写真でめぐる雅叙園 — 変わらない骨格

共有スペースも少しだけ紹介します。ここからの写真はリニューアル前に撮影されたものですが、回廊や日本庭園、百段階段といったこのホテルの骨格は、新体制でも受け継がれていく部分です。

回廊とアトリウム

雅叙園東京 アトリウムと日本庭園
ガラス屋根のアトリウム。屋内から日本庭園を見下ろすこの景色は、東京でもここだけのものです(写真:江戸村のとくぞう / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)

雅叙園の館内には、日本画や螺鈿細工、彫刻がいたるところに施されています。創業者の細川力蔵が昭和の初めに職人たちを集めてつくり上げた装飾群で、廊下もエレベーターも、天井さえも作品です。ジブリ映画「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルのひとつといわれるのも、この過剰なまでの美しさゆえです。

日本庭園

雅叙園東京 日本庭園の滝
日本庭園の滝。目黒駅から歩いて数分の場所とは思えない水音が響きます(写真:江戸村のとくぞう / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)

敷地の中心にある日本庭園には滝が流れ、錦鯉が泳ぎます。リニューアル後のオールデイダイニングは、この庭園と滝を望むアトリウム空間につくられています。

百段階段 — 東京都指定有形文化財

雅叙園東京 百段階段
百段階段。1935年に建てられた木造建築で、ケヤキの階段が7つの宴の間をつなぎます(写真:Gryffindor / Wikimedia Commons, CC0)

館内でいちばん古い建物が、1935年築の「百段階段」です。東京都指定有形文化財で、ケヤキづくりの99段の階段が、装飾の異なる7つの部屋をつないでいます。休館前は企画展の会場として一般公開されており、雛人形やアートの展示に合わせて何度も足を運んだ人も多いはずです。この文化財も、新生・雅叙園に受け継がれます。

レストランとラウンジ — 4つの料飲施設で再開

営業再開時点の料飲施設は4つです。

店名 内容
カナデ テラス オールデイダイニング。日本庭園と滝を望むアトリウム空間
カナデ ラウンジ 軽食とスイーツのラウンジ
旬遊紀 中国料理。個室8室
渡風亭 純日本建築の料亭。個室8室

おもしろいのは、1階に宿泊者専用の「アライバルラウンジ」が新設されたことです。茶葉の香りが広がる空間で、お茶と和菓子をいただきながらチェックインする — 客室の茶室コンセプトが、到着の瞬間からはじまる設計です。フロントに並んで手続きをするのではなく、まず一服。この考えかたはLXRらしいパーソナルなもてなしの予告編といえます。

1階に新設されたアライバルラウンジ
1階に新設されたアライバルラウンジ(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)
料亭 渡風亭。純日本建築の座敷から庭を望みます
料亭 渡風亭。純日本建築の座敷から庭を望みます(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)
中国料理 旬遊紀の個室。壁画と装飾天井に囲まれた空間です
中国料理 旬遊紀の個室。壁画と装飾天井に囲まれた空間です(画像:雅叙園東京 プレスリリースより)

わたしと雅叙園 — 夏はメロンのかき氷

冒頭に書いたとおり、わたしはこのホテルに泊まったことがありません。それでも雅叙園には、毎年夏に通っています。目当てはメロンのかき氷です。

都心のラグジュアリーホテルのかき氷は、いまや夏の風物詩になりました。そのなかでも雅叙園のメロンのかき氷は、あの回廊と庭園を眺めながら食べられるという一点で、ほかとは別ものです。かき氷そのものの完成度に、空間の力が上乗せされる。ホテルのスイーツは味だけで語れない、といういい見本だと思います。

泊まったことがないのに毎年通ってしまう。これこそがホテルの底力です。宿泊客でなくても引き寄せる磁力のある館は、そう多くありません。全室スイートになった客室にいつか泊まる日を楽しみにしつつ、まずは再開後の館内へ、かき氷やアフタヌーンティーから訪ねてみるのがおすすめです。

アクセスと基本情報

項目 内容
名称 雅叙園東京(2027年に「雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ」へ)
所在地 東京都目黒区下目黒1-8-1
アクセス JR・東京メトロ・東急 目黒駅から徒歩約3分(行人坂経由)
客室 全60室・全室スイート(70平米以上・6〜8階)
料飲施設 カナデ テラス・カナデ ラウンジ・旬遊紀・渡風亭(全面開業時は5施設)
その他 百段階段(東京都指定有形文化財)・スパ・フィットネス・約5,700平米の宴会場
会員制度 ヒルトン・オナーズ対象(LXR開業後)

目黒駅からは、江戸の昔からつづく急坂「行人坂」を下って向かいます。ホテルまでの3分の坂道も、雅叙園の演出の一部だと思って歩いてみてください。

よくある質問

Q. 雅叙園東京はいつ営業を再開しましたか?

A. 2026年7月27日に宿泊とレストランの営業を再開しました。2025年10月からの改修休館を経ての再開です。2026年末から2027年にかけて「雅叙園東京 LXRホテルズ&リゾーツ」として全面開業する予定です。

Q. 客室はどう変わりましたか?

A. 全60室がすべてスイートになりました。広さは70平米以上で、客室を茶室に見立てたコンセプトのもと、柿渋染めや西陣織、日本画を用いた設えが一室ごとに異なります。最上位は約240平米の「雅叙園スイート」です。

Q. ヒルトン・オナーズのポイントで泊まれますか?

A. LXRホテルズ&リゾーツとしての開業後は、ヒルトン・オナーズの対象施設になると発表されています。ポイント宿泊や上級会員特典の詳細は開業に向けて案内される見込みなので、ヒルトン公式サイトで最新情報を確認してください。

Q. 百段階段は今後も見学できますか?

A. 百段階段は東京都指定有形文化財として、新体制の館内にも受け継がれます。休館前は企画展の会場として一般公開されてきました。再開後の公開スケジュールは公式サイトの案内を確認してください。

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この記事を書いた人
TE travel 編集部
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