ANA SFC新ルールを予想する——9月末の発表は「決済額か搭乗実績か」の二本立てに落ち着くと読む【2026年9月22日時点】

ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度改定について、ANAは「2026年9月末までにあらためて案内する」と公表しています。2026年9月22日、ANA公式サイトの制度変更のページを確認しましたが、文面は6月25日に掲出されたままです。期限まで、残りは8日になりました。

わたしはこれまで、着地点を当てにいく記事を書きませんでした。発表を自分で読むための物差しを先に用意しておくほうが、会員にとって役に立つと考えたからです。その物差しは「発表が出たら確認すべき7つの論点」に置いてあります。

ただ、期限が1週間あまりに迫ったいま、公式に出ている事実と3か月の経緯を並べると、着地点の輪郭はかなり絞れてきました。そこでこの記事では、あえて予想を書きます。5つのシナリオに分け、それぞれにわたしの見立ての確率を付けました。ANAの発表ではなく、SFCを保有してラウンジを日常的に使っている一人の読みです。その前提で読んでいただければと思います。

SFC会員が使える羽田空港のANA LOUNGE入口
今回の改定の中心は、この入口を通れるかどうかです(写真:J o / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)

この記事は2026年9月22日時点の情報にもとづいています。制度の内容・日付・金額はANA公式サイト(ANAスーパーフライヤーズカードの制度変更のページ)で確認したものです。予想の部分はTE travel編集部の見立てであり、ANAの発表ではありません。お手続きの前に、かならずANA公式サイトで最新の案内をご確認ください。

予想の前に押さえる事実——見直しの対象は4月23日の当初案

予想は、なにと比べて動くかを決めておかないと意味をもちません。見直しの対象になっているのは、2026年4月23日にANAが発表した当初案です。骨格はこうでした。

項目 SFC PLUS(年間決済額300万円以上) SFC LITE(300万円未満)
ANAラウンジ 利用できる 利用できない
スターアライアンスのステイタス ゴールド シルバー
マイル特典 5,000マイル進呈 対象外
ANAグループ運航便のその他のサービス これまでどおり ラウンジ以外はこれまでどおり

判定期間は2026年12月16日から2027年12月15日まで。新しい区分でのサービス開始は2028年4月。対象はすでにSFCを保有している人をふくむ全員で、100万ANAライフタイムマイルに到達した会員だけが決済額に関わらずPLUSになります。新規入会時は一律LITEからのスタートで、家族カードの決済額は本会員に合算されます。

6月25日にANAが公表したのは「多くの意見をもらっている」「見直しを検討している」「再検討することになりお詫びする」「詳細は9月末までに案内する」の4点だけです。撤回とも、基準額を下げるとも、判定期間をずらすとも書いていません。公式サイトには、いまも当初案がそのまま載っています。

ANAラウンジのラウンジエリア
当初案では、決済額300万円未満の会員はこの空間を使えなくなります(写真:Wikimedia Commons / Alexsh / CC BY-SA 4.0)

3か月の経緯から読める3つの手がかり

4月の発表から9月までのあいだに、ANAの側から出てきた材料は多くありません。ただ、少ない材料のなかに、着地点の方向を示す手がかりが3つあります。

手がかり1 改定の出発点はラウンジの混雑だと社長が説明している

6月26日の株主総会で、ANAの平澤寿一社長は見直しの経緯を自ら説明しました。改定の出発点は、羽田・新千歳・福岡・那覇といった主要空港でピーク時間帯のラウンジ混雑が深刻になっていて、2030年度に向けてさらに悪化する見込みだったことです。

ここが大事です。出発点が混雑である以上、ラウンジに入れる人の数をなんらかの形で絞る、という目的そのものは残ります。金額だけを下げて入れる人を増やす案は、目的と矛盾します。だから、線引きの物差しを変えることはあっても、線引きをやめることは考えにくい。これが予想の土台になります。

手がかり2 会則の改定日は12月1日のまま動いていない

4月23日、ANAは制度改定の発表と同じ日に、ANAマイレージクラブ会員規約とANAスーパーフライヤーズ会則を2026年12月1日づけで一部変更する、というお知らせも出しています。変更されるのは「特典」「スーパーフライヤーズ会員」「スター アライアンス ゴールドメンバー」「スター アライアンス シルバーメンバー」の4つの定義です。

見直しを検討すると公表したあとも、このお知らせは取り下げられていません。2026年9月22日時点でも12月1日のままです。土台の文書の改定日が動いていないということは、大枠は当初案を引き継ぎ、細部を手直しする段取りで進んでいる、という読みかたが自然です。

手がかり3 決済額を軸にする設計はカードの側で先に強まった

9月2日、ANAアメリカン・エキスプレス・カードの刷新分の申し込み受付が始まりました。スーパーフライヤーズ・ゴールドとプレミアムも対象で、年会費が上がるいっぽう、年間の利用額に応じたボーナスマイル(ゴールドは年400万円以上で15,000マイル、プレミアムは年600万円以上で30,000マイル)が新設されています。

年間の決済額で優遇を分ける設計が、SFCの見直しを待たずにカードの側で強まった。この順番を見ると、決済額という物差しそのものが取り下げられる可能性は低い、と読めます。

羽田空港第2ターミナルの出発ロビー
混雑が改定の出発点です。羽田空港第2ターミナルの出発ロビー(写真:Wikimedia Commons / ume-y / CC BY 2.0)

もうひとつ、8月13日の日本経済新聞の報道も押さえておきます。SFCは国際線で後発だったANAがリピーターをつなぎとめるために育てた制度で、長く赤字だった国際線を黒字へ押し上げる原動力になった。ところが会員が積み上がりすぎて、いまはその優遇が運営の重荷に変わっている、という内容です。ANAには線引きそのものをやめにくい事情がある、ということです。背景は「SFC特典見直しの誤算」にくわしく書きました。

新ルールの予想——5つのシナリオと見立ての確率

ここからが本題です。3つの手がかりを土台に、着地点を5つのシナリオに分けました。確率はわたしの見立てです。合計が100になるようにはつくっていません。組み合わさって出てくる可能性が高いからです。

シナリオ 中身 見立ての確率 得をする人
A. 二本立て 決済額または搭乗実績(プレミアムポイント・搭乗回数)のどちらかでPLUS 高い 飛行機によく乗る人
B. 経過措置 既存会員は判定開始を後ろ倒し、または一定期間はPLUS据え置き 高い 長く保有している人
C. 基準額の引き下げ 300万円を150万円から200万円あたりへ 中くらい 決済を寄せられる人
D. 使いかたの制限 ラウンジの回数制限・同伴者の制限・混雑時間帯の制限 中くらい 利用回数が少ない人
E. 完全撤回 当初案を取り下げ、現行制度を継続 低い 全員(ただし短期的に)

シナリオA 決済額か搭乗実績かの二本立て(本命)

いちばん可能性が高いと見ているのがこれです。年間決済額300万円以上、または年間のプレミアムポイントや搭乗回数が一定以上であれば、SFC PLUSになる。ラウンジに入れる人の数を絞るという目的は保ちながら、飛行機によく乗る会員を切り離さずにすみます。

4月案への反発でいちばん大きかったのは「飛行機に乗る人ではなく、カードを使う人を優遇するのか」という声でした。ANAが謝罪までして見直すと決めた以上、この声に正面から応える形がもっとも筋が通ります。搭乗実績の物差しはすでにプレミアムポイントとして存在していて、新しい仕組みをつくる必要もありません。

読み違えやすいのは、搭乗側の基準の高さです。プラチナに届く50,000ポイントのような高い線で引かれると、実質的には修行をつづける人だけが救われることになります。20,000ポイント前後や年間の搭乗回数で引かれれば、出張の多い会員まで届きます。発表が出たら、二本立てかどうかの次に、この線の高さを見てください。

航空会社ラウンジの座席エリア
搭乗実績で判定する道が残れば、飛行機に乗る会員はこの席に戻れます(写真:Wikimedia Commons / Alexsh / CC BY-SA 4.0)

シナリオB 既存会員への経過措置(本命と組み合わさる)

判定期間の開始を2026年12月16日から1年後ろへずらす。あるいは、すでにSFCを保有している会員は最初の判定を免除する。こうした経過措置が付く可能性は高いと見ています。

理由は日程です。9月末に発表して12月16日から判定を始めると、会員が決済のしかたを考える時間は3か月弱しかありません。この短さは、4月案のときから指摘されていました。信頼を取り戻したいと社長が語った以上、時間の面でも譲る形になる、と読むのが自然です。

ただし、会則の改定日が12月1日のまま動いていない点は、この読みに反します。発表が出たら、判定期間の日付が動いたかどうかを最初に見てください。動いていれば経過措置あり、動いていなければ大枠は当初案どおり、という判断ができます。

シナリオC 基準額の引き下げ(中くらい)

300万円を150万円から200万円あたりまで下げる案は、外からいちばん見えやすい妥協点です。SNSでもこの予想がもっとも多く見られます。

わたしが中くらいにとどめたのは、金額だけを下げてもラウンジの混雑は解けないからです。下げるなら、シナリオAの搭乗実績と組み合わせて「決済200万円または搭乗実績」のような形になる、と読んでいます。金額の引き下げが単独で発表されたら、それは混雑対策より信頼回復を優先した、ということになります。

航空会社ラウンジのシーティングエリア
金額の線をどこに引いても、席の数は変わりません(写真:Wikimedia Commons / 663highland / CC BY 2.5)

シナリオD 使いかたの制限(中くらい)

決済額の線引きを緩めるかわりに、ラウンジの使いかたのほうを絞る案です。年間の利用回数に上限を置く。同伴者の入室を有料にする。ピーク時間帯だけステイタスの高い順に案内する。こうした形なら、混雑対策という目的を保ちながら、全員からラウンジを取り上げずにすみます。

ANAは2026年に国際線ラウンジの受付を搭乗券をかざすだけの新システムに切り替えました。利用回数を数える土台は、すでにあります。決済額の話ばかりに目が行きますが、発表文に「回数」「同伴者」「時間帯」のことばがないか、見ておいてください。

シナリオE 完全撤回(低い)

当初案を取り下げて現行制度をつづける。会員にとってはいちばんうれしい結果ですが、可能性は低いと見ています。混雑という出発点は消えていませんし、会則の改定日も据え置かれています。撤回であれば6月の時点でそう言えたはずで、9月末まで時間をかけて「詳細を案内する」と言っている以上、なにかしらの新しい線引きが出てくると読むほうが自然です。

わたしの予想の着地点

5つを組み合わせると、わたしの予想はこうなります。

  • SFC PLUSの条件は、年間決済額または搭乗実績のどちらかを満たすこと(決済額は300万円のまま、または200万円前後まで引き下げ)
  • すでにSFCを保有している会員には経過措置があり、最初の判定期間が1年後ろへずれる、または最初の1年はPLUS据え置き
  • 100万ライフタイムマイルの特例は残る
  • SFC LITEでもスターアライアンス・ゴールドは維持し、ANAラウンジの利用だけを分ける(ここは五分五分)

言いかえると、線引きはなくならないが、線の引きかたが「カードをどれだけ使うか」から「ANAとどれだけ関わっているか」へ広がる、という読みです。ラウンジの混雑を減らしつつ、飛行機に乗る会員を離さない。ANAが両立させたい2つを同時に満たせるのは、この形しかないと考えています。

ANAラウンジでの食事
ANAラウンジでの食事。使える人の線引きが、いま決まろうとしています(写真:Alexsh / Wikimedia Commons, CC BY-SA 4.0)

外れる可能性もあります。とくにスターアライアンス・ゴールドの扱いは、当初案でシルバー相当まで下げると明記されていたので、ここが戻るかどうかは読みきれません。海外でスターアライアンス加盟航空会社に乗る人には、ラウンジより効いてくる項目です。

発表が出たときに読む順番

予想を書いた以上、答え合わせのしかたも書いておきます。発表文を手にしたら、金額の数字より先に、この順番で見てください。

順番 見るところ 読みかた
1 判定期間の日付 2026年12月16日開始のままなら大枠は当初案。動いていれば経過措置あり
2 PLUSの条件に「または」があるか 決済額以外の物差しが足されていれば、シナリオAの二本立て
3 既存会員の扱い 保有年数や現行会員への別扱いの記述があるか
4 100万ライフタイムマイルの特例 残っているか。条件が変わっていないか
5 スターアライアンスのステイタス LITEでもゴールドが残るか、シルバー相当のままか
6 金額 300万円のままか、下がったか
7 回数・同伴者・時間帯 使いかたの制限が足されていないか

金額は見出しになりやすく、日付と条件は見出しになりません。あとで効いてくるのは日付と条件のほうです。発表当日のSNSやまとめ記事の見出しだけで判断しないことが、いちばんの読み違え防止になります。7つの論点のくわしい解説は「9月末の発表をどう読むか」に置いてあります。

羽田空港第2ターミナルのチェックインカウンター
羽田空港第2ターミナルのチェックインカウンター(写真:Wikimedia Commons / MaedaAkihiko / CC BY-SA 4.0)

立場別に——発表までの8日間にしておくこと

すでにSFCを保有している人

なにもしないのがいちばんです。当初案の判定期間は12月16日からで、9月の決済は当初案のままなら判定に入りません。発表を見てから、12月16日に間に合わせる形で決済のしかたを決めれば足ります。解約やダウングレードも、発表前に動く理由はありません。

SFC修行の途中の人

修行の到達条件(ダイヤモンドまたはプラチナのステイタス獲得)は、新制度でも変更なしとANAは明記しています。シナリオAのように搭乗実績が物差しに加わるなら、修行で積んだプレミアムポイントはそのまま生きます。予定どおり進めるのが、いまの材料から読める答えです。ただし、費用は路線や時期で大きく変わり、制度も変わりうるので、修行そのものをおすすめする立場ではありません。

これから検討している人

発表を待ってから決めるのが合理的です。当初案では新規入会時は一律LITEからのスタートで、最初の判定期間を経てPLUSに上がる仕組みでした。ここが見直しでどう変わるかによって、取る価値の計算がまるごと変わります。8日で答えが出るものを、いま急いで決める理由はありません。

対岸から見た羽田空港
対岸から見た羽田空港(写真:Wikimedia Commons / Purplepumpkins / CC BY-SA 3.0)

まとめ

ANAは2026年9月末までにSFC制度改定の見直し内容を発表します。公式に出ている事実と3か月の経緯から、わたしは「決済額または搭乗実績の二本立て」に「既存会員への経過措置」が組み合わさる形を本命と読みました。完全撤回の可能性は低く、金額だけの引き下げも単独では出にくいと見ています。

これはANAの発表ではなく、一人の会員の予想です。発表が出たら、この記事の予想がどこまで当たり、どこが外れたかを、同じ記事のなかで正直に追記します。発表当日は、金額の見出しではなく、判定期間の日付と「または」の一語から読んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. この記事の予想は、ANAが発表したものですか?

A. ちがいます。2026年9月22日時点でANAが公表しているのは「見直しを検討している」「詳細は2026年9月末までに案内する」の2点だけです。この記事の5つのシナリオと確率は、公式に出ている事実と3か月の経緯からTE travel編集部が読んだ見立てで、ANAの発表ではありません。正式な内容は、かならずANA公式サイトでご確認ください。

Q. いちばん可能性が高いと見ている着地点はどれですか?

A. 決済額と搭乗実績のどちらかを満たせばSFC PLUSになる二本立てです。ラウンジ混雑を減らすという目的を保ちながら、飛行機によく乗る会員を切り離さずにすむからです。あわせて、既存会員への経過措置(判定期間の後ろ倒しなど)が付く可能性も高いと見ています。

Q. 300万円という金額は下がりますか?

A. 単独で大きく下がる可能性は中くらいと見ています。金額だけ下げてもラウンジの混雑は解けないため、下げるなら搭乗実績などの別の物差しと組み合わせる形になると読んでいます。150万円から200万円あたりまで下がる案が、外からはいちばん見えやすい妥協点です。

Q. 完全に撤回される可能性はありますか?

A. 低いと見ています。ANAはラウンジ混雑を改定の出発点として説明しており、2026年8月の日本経済新聞の報道では、SFCの優遇そのものが運営の重荷になっているとされています。会則の改定日も12月1日に置かれたままです。撤回よりも、どこがどう緩むかを見る姿勢のほうが外しにくいと考えます。

Q. 発表までのあいだ、いまなにをしておくといいですか?

A. 急いで決済を寄せたり、カードを解約したりしないことです。当初案の判定期間は2026年12月16日からで、9月の決済は当初案のままなら判定に入りません。発表が出たら、判定期間・経過措置・ライフタイムマイルの特例・スターアライアンスの扱いの順に読むのが確実です。

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この記事を書いた人
TE travel 編集部
TE travel は、Team Elite メンバーによる旅行記録サイトです。ANAダイヤモンド・マリオット チタンエリート・ヒルトン ダイヤモンドなど、各プログラムの上級ステータスを実際に取得・維持しながら、ファーストクラス・ビジネスクラス・ラグジュアリーホテルを体験した記録を発信しています。ポイント・マイルの使い方から、上級会員だけが知る現場の実感まで、数字では伝わらない情報をお届けします。