沖縄に来たなら、ルートビアを飲まずには帰れません。
本土ではほとんど見かけないこの黒褐色の炭酸飲料は、沖縄では半世紀以上にわたって地元の人々に愛され続けています。米軍統治時代にアメリカ文化とともに持ち込まれ、今では沖縄のソウルドリンクとして定着したルートビア。その中心にあるのが、沖縄に50店舗以上を展開するファストフードチェーン「A&W(エーダブ)」です。ラグジュアリーリゾートに滞在しながらも沖縄のローカル文化に触れたい旅行者にとって、A&Wのルートビアフロートは外せない体験のひとつです。
ルートビアとは——独特の香りと味の正体
ルートビアは、サルサパリラやバーチ(白樺)の樹皮、バニラ、アニス、ナツメグなど複数のハーブや植物の根を原料とした炭酸飲料です。1876年にアメリカのフィラデルフィアで生まれ、禁酒法時代には「ビール」の代替として広まりました。アルコールはまったく含まれていません。
初めて飲む人がよく「湿布みたい」と感じる独特の香りは、メントールに似た成分に由来します。甘みとハーブの香りが複雑に絡み合い、炭酸の刺激とともに広がるこの味は、慣れると癖になる味わいです。日本本土ではルートビアを扱う店舗はほとんどなく、沖縄ではコンビニやスーパーでも缶入りのルートビアを見かけます。これは沖縄がアメリカとともに歩んできた固有の歴史によるものです。
沖縄とルートビアの歴史
1945年から1972年まで、沖縄はアメリカの施政権下に置かれていました。この約27年間で、アメリカの食文化が沖縄の日常生活に深く浸透しました。ハンバーガー、タコス、ステーキ、そしてルートビア。これらは米軍基地周辺のレストランや売店を通じて広まり、沖縄の人々の口に馴染んでいきました。
A&Wが沖縄に初めて上陸したのは1963年のことです。沖縄本島の北谷(ちゃたん)に1号店をオープンし、これはA&W全体としてもアメリカ国外初の店舗でした。その後、本土復帰後も店舗数を拡大し続け、今では沖縄全土に根付いた存在となっています。「エーダブ」という愛称で呼ばれ、家族でのランチや、ドライブの途中で立ち寄る場所として、世代を超えて親しまれています。
A&W(エーダブ)のメニュー
A&Wはアメリカンダイナーの雰囲気を色濃く残したファストフードチェーンです。看板メニューのルートビアフロートは、樽生ルートビアにバニラアイスクリームをのせたものです。炭酸の刺激とアイスの甘みが合わさり、夏の暑い沖縄でいただくと格別の一杯です。Sサイズから大きなサイズまで選べます。
フードメニューの中で特に人気が高いのがモッツバーガーです。チーズと特製ソースをはさんだボリュームのあるバーガーで、昔から沖縄っ子に愛され続けています。パティの厚みと肉汁が特徴で、ファストフードとは思えない満足感があります。チキンメニューも充実しており、フライドチキンやチキンバーガーは定番です。テイクアウトでの注文も多く、ドライブ中に立ち寄って持ち帰る地元の方々の姿もよく見られます。
| メニュー | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| ルートビアフロート | 樽生ルートビア+バニラアイス・おかわり自由 | ★★★★★ |
| モッツバーガー | チーズ+特製ソース・肉厚パティ | ★★★★★ |
| フライドチキン | サクサクの衣とジューシーな肉 | ★★★★☆ |
| ルートビア(カップ) | フロートなしで純粋な味わい | ★★★★☆ |
A&W沖縄の店舗展開と観光拠点
A&Wは2024年現在、沖縄本島を中心に50店舗以上を展開しています。那覇市内では国際通り周辺や那覇空港に近いエリアに複数店舗があり、観光客が立ち寄りやすい立地です。北谷(ちゃたん)エリアはA&W発祥の地であり、アメリカンビレッジとあわせて訪れる旅行者が多いエリアです。恩納村や名護エリアの店舗は、ラグジュアリーリゾートへ向かう途中に位置するものもあり、リゾートステイ中の外出ついでに訪れやすい環境です。那覇から北上する国道58号線沿いにも複数店舗があります。
那覇空港の国内線ターミナル内にも店舗があり、出発前に最後の一杯を楽しむことができます。帰りのフライトを待ちながらルートビアフロートを味わうのは、沖縄旅行の締めくくりとして多くの旅行者が選ぶシーンです。
樽生ルートビアとおかわり自由の文化
A&Wの大きな魅力のひとつが、樽から注がれる生ルートビアです。缶や瓶のルートビアとは異なり、適度に冷やされた樽から直接グラスに注がれるため、炭酸の抜け方や温度がちょうどよく保たれています。そしてA&Wが長年守り続けているのが「おかわり自由」の文化です。店内でドリンクを注文すると、同じ価格で何度でも飲み直しができます。夏の沖縄の暑さの中、冷たいルートビアをゆっくりと何杯も楽しめるのは、訪れた人にとって大きなうれしさです。
フロートのバニラアイスが溶けてルートビアに混ざっていく様子も楽しみのひとつです。飲み始めはアイスが浮いた状態で、次第にアイスのコクがルートビアになじんでいく変化を味わいながらゆっくりいただくのが、通の楽しみ方です。
お土産用ルートビア——缶・瓶・グッズ選び
沖縄各地のA&W店舗ではお土産用のルートビア缶や瓶を購入することができます。355ml缶が定番で、6缶パックや12缶パックなど、まとめ買い向けのセットも用意されています。缶入りのルートビアは国際通り周辺のお土産店や、沖縄のスーパーマーケットでも手に入ります。本土ではほとんど流通していないため、お土産として喜ばれます。
A&Wのロゴが入ったオリジナルグッズも人気です。Tシャツ、マグカップ、トートバッグなど、A&Wのレトロなデザインを活かしたアイテムが揃っています。なお、液体を含むルートビア缶は航空機の機内持ち込みには制限がありますが、受託手荷物として預けることは可能です。割れ防止のためにしっかりとした梱包で持ち帰ることをおすすめします。
ラグジュアリーリゾート滞在中の立ち寄り方
恩納村のハイエンドリゾートに滞在している旅行者にとって、A&Wへの立ち寄りは少し足を伸ばす小旅行のような感覚です。恩納村エリアから車で10〜20分ほどのところにも店舗があるため、ドライブがてら訪れやすい距離感です。沖縄の高級リゾートホテルでのディナーとは対極にある、カジュアルなファストフードとしてのA&Wは、旅のメリハリをつけてくれる存在です。
豪華な朝食を楽しんだ翌日のランチに、ルートビアフロートとモッツバーガーを選ぶのも、沖縄らしい旅の過ごし方のひとつです。A&Wの多くの店舗にはドライブスルーが設置されており、車を降りることなくルートビアを注文できます。海を眺めながら車内でルートビアフロートを楽しむのは、沖縄ドライブならではの贅沢です。
よくある質問
Q. ルートビアはアルコールが入っていますか?
A. まったく入っていません。植物の根やハーブを原料とした炭酸飲料でアルコール分はゼロです。お子様や車を運転する方も安心して飲めます。
Q. A&Wは沖縄以外でも食べられますか?
A. 日本国内ではほぼ沖縄のみの展開です。本格的なA&Wを楽しむには沖縄を訪れるのがいちばんの方法です。
Q. ルートビアのおかわり自由は全店舗で対応していますか?
A. 基本的にA&W沖縄の全店舗でドリンクのおかわり自由に対応しています。店舗によって対応が異なる場合もあるため、注文時に確認するとよいでしょう。
Q. ルートビアのお土産は那覇空港で買えますか?
A. 那覇空港の国内線ターミナル内にA&Wの店舗があり、缶入りルートビアやグッズを購入できます。出発前に立ち寄れるため、買い忘れた場合も安心です。
TE travel 

