沖縄北部・やんばるドライブガイド——美ら海から世界自然遺産・辺戸岬まで

沖縄本島の北部、通称「やんばる(山原)」は、南部のリゾートエリアとはまったく異なる顔を持っています。深い亜熱帯の森、断崖絶壁の岬、エメラルドグリーンの海——そのどれもが、ドライブで巡るには最高の素材です。那覇から高速道路を使えば許田インターまで約1時間。そこから先の国道58号線と県道を組み合わせたルートが、今回ご紹介するやんばるドライブの骨格になります。

美ら海水族館だけで帰るにはもったいない。本記事では、大石林山から辺戸岬、古宇利島、備瀬のフクギ並木まで、北部の見どころをまとめてご紹介します。1泊2日あればすべて回れるモデルルートも末尾に掲載しましたので、旅程づくりの参考にしてください。

やんばるの自然——2021年登録の世界自然遺産

やんばるは2021年7月、奄美大島・徳之島・西表島とともにユネスコ世界自然遺産に登録されました。登録エリアは国頭村・大宜味村・東村にまたがる約1万7,000ヘクタール。ここにしか生息しない固有種が数多く暮らしています。

代表格はヤンバルクイナです。飛べない鳥として知られるヤンバルクイナは、1981年に新種として発見された沖縄固有の鳥で、現在も国頭村周辺に生息しています。早朝のドライブ中に運が良ければ道路脇で出会えることもありますが、交通事故による死亡例も多いため、山中を走る際はスピードを抑えて走行してください。

森の中に入りたい場合は、比地大滝(くにがみむらひじおおたき)のトレッキングコースがおすすめです。片道約1時間のコースで、落差26メートルの滝まで歩けます。ヒルの多い季節(6〜10月)は長袖・長ズボンで入山してください。

大石林山——奇岩と亜熱帯林の絶景スポット

国頭村の最北部に位置する大石林山(だいせきりんざん)は、約2億年前のサンゴ礁が隆起してできた石灰岩の奇岩群です。高さ10メートルを超える岩がそそり立つ「奇岩の森コース」と、やんばるの植生をじっくり観察できる「ガジュマルの森コース」、岬の先端から東シナ海を望む「絶景の丘コース」の3コースが設定されています。

所要時間は選ぶコースにより40〜90分。入場料は大人1,200円(2026年現在)で、コース入口まではシャトルカーが運行されています。足場の悪い箇所があるため、スニーカーかトレッキングシューズで訪れることをおすすめします。夏場は午前中の早い時間帯に動いて、日中の強い日差しを避けるのが賢明です。

辺戸岬——沖縄本島最北端の断崖

大石林山から車で約15分、沖縄本島の最北端が辺戸岬(へどみさき)です。高さ80メートルの断崖が太平洋と東シナ海を分ける地点に立つと、水平線が眼前に広がります。晴れた日には与論島まで見渡せます。

岬の駐車場は無料で、駐車場から展望台まで歩いて5分ほどです。柵のない場所もあるため、風が強い日は足元に十分注意してください。近くに売店や食堂はほとんどありませんので、飲み物は事前に準備しておくことをおすすめします。

古宇利島と古宇利大橋——沖縄版「愛の島」

今帰仁村(なきじんそん)の沖合に浮かぶ古宇利島(こうりじま)は、「沖縄版アダムとイブ伝説」が伝わる島として知られています。2005年に開通した古宇利大橋は全長1,960メートル。橋の上から見える海の色は、晴れた日には深いコバルトブルーと浅瀬のエメラルドグリーンが入り混じり、写真映えするスポットとして人気を集めています。

島内にあるハートロック(ティーヌ浜)は、ハート形に見える2つの岩が並ぶビーチで、カップルに人気の撮影スポットです。駐車場から海岸まで階段を下りる必要があり、岩の間まで近づく場合は岩場を歩くことになります。満潮時は波が岩に打ちつけることもあるため、海況を確認してから訪れてください。

備瀬のフクギ並木——集落を守る緑のトンネル

本部町の備瀬集落には、約250年の歴史を持つフクギ並木が続いています。フクギは防風林として植えられた常緑樹で、高さ10メートルを超えるものも少なくありません。幹が並んで立つ並木道は、光と影のコントラストが美しく、徒歩や自転車でゆっくり散策するのに向いています。

並木道の入口付近には水牛車の体験乗車もあり、のんびりとした時間を過ごせます(季節・曜日により運行状況が異なります)。集落内は生活の場でもあるため、私有地への立ち入りや大声での会話は控えてください。

本部町グルメ——北部でしか味わえないもの

本部町周辺には、北部ならではの食を楽しめるスポットが点在しています。

沖縄そばを食べるなら、本部町内にある老舗の「きしもと食堂」が有名です。かつおと豚骨をベースにしたあっさりとしたスープに、手打ちの平麺が合わさった一杯は、観光客のみならず地元の人にも長く愛されています。土日は行列ができることが多いため、11時前には入店するのが得策です。

本部港周辺では、近海で水揚げされた鮮魚を使った海鮮丼を出す食堂も増えています。ドライブの合間に立ち寄れる規模の食堂が多く、車でのアクセスが前提になっているためか、駐車場が広い店が多いのも北部らしいところです。

ドライブモデルルート(1泊2日)

那覇や恩納村を早朝6時〜7時に出発することを前提にしたルートです。

1日目は美ら海水族館とその周辺(備瀬のフクギ並木・古宇利島)を巡り、本部町または今帰仁村に宿泊します。2日目の朝に大石林山へ向かい、午前中に辺戸岬まで足を伸ばします。昼食を北部で済ませてから、帰路は東海岸の県道14号線(パイナップルロード沿い)を南下するルートも変化があってよいでしょう。東村・宜野座村を経由して那覇に戻ると、往路と異なる景色を楽しめます。

レンタカーは許田インター近くの名護市内で借りると、観光地間の移動がスムーズです。ガソリンスタンドは名護市内と国頭村役場周辺にはありますが、最北端に近づくほど数が少なくなります。辺戸岬へ向かう前に給油しておくことをおすすめします。

よくある質問

やんばるへの観光に最適な季節はいつですか?
天候と混雑のバランスを考えると、10月から12月がおすすめです。台風シーズンを過ぎて気温も落ち着き、夏の観光ピークも終わっています。新緑の美しい3月〜4月も悪くありませんが、ゴールデンウィークは混雑します。
古宇利島と辺戸岬は同じ日に回れますか?
どちらも本部町・今帰仁村エリアから北上する流れになるため、1日で組み合わせることはできます。ただし大石林山も同日に加えると移動距離が長くなるため、観光に時間をかけたい場合は2日間で分散させることをおすすめします。
やんばるの森でヤンバルクイナを見るにはどうすればよいですか?
遭遇は運次第ですが、早朝(日の出から2時間以内)に国頭村内の山間部を走る県道2号線・県道70号線沿いを低速で走ると目撃例が多いとされています。国頭村エコツーリズム協会のガイドツアーに参加すると、より確率が上がります。
備瀬のフクギ並木は有料ですか?
並木道自体は無料で散策できます。入口付近に有料駐車場(1回300〜500円程度)があります。自転車のレンタルサービス(有料)も近くにあり、並木道を自転車で巡ることもできます。

美ら海水族館 完全ガイドも合わせてご覧ください。
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TE travel 編集部
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