ANAが羽田空港の国内線ラウンジを2027年度に拡張へ——SFC会員の増加で常態化した満席への対策。LITE向け事前予約の詳細も2027年度中に案内【2026年9月29日発表】

羽田空港第2ターミナルの国内線出発ロビー

ANAが羽田空港の国内線ラウンジを2027年度に拡張します

ANA(全日本空輸)が2026年9月29日に公開したスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度見直しページに、ラウンジそのものを広げるという一文が入りました。公式ページのよくある質問の中で、ANAは「羽田空港につきましては、2027年度にラウンジの拡張を予定しております」と明記しています。制度の線引きの話ばかりが注目されてきたSFC改定ですが、席の数を増やすという対策が公式に示されたのはこれがはじめてです。

わたしはこの一文を見つけたとき、ようやく本筋の話が出てきたと感じました。年間決済額300万円という基準をどこに引いても、ラウンジの席の数が変わらなければ混雑は解消しません。羽田空港第2ターミナルの国内線ラウンジが広がるというのは、SFC会員だけでなく、プレミアムクラスの利用者やダイヤモンド・プラチナのステイタス会員にとっても、いちばん直接的な改善です。

Aviation Wireの報道によると、ANAは2027年度の早い時期に拡張工事に着手し、2027年度内の供用開始を見込んでいるとのことです。広さや席数、どの区画を広げるのかといった具体的な数字はまだ公表されていません。

羽田空港のANAラウンジ入口
羽田空港のANAラウンジ入口。この先の空間が2027年度に広がります(写真:J o / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)

発表の全体像は3つの取り組みでできています

今回の公式ページでANAは、ラウンジの混雑に対して3つの取り組みを一体で進めると説明しています。制度・運用方法の見直し、SFC LITE会員向けの事前予約の仕組み、そしてラウンジの施設や設備の拡充です。ニュースとしては300万円の基準やラウンジ利用の可否に目が向きがちですが、ANA自身は3本の柱として並べています。

取り組み 内容 時期
制度・運用の見直し 年間決済額300万円を境に SFC PLUS と SFC LITE の2区分に。LITEも国内線ラウンジは混雑時を除き利用可 2028年4月1日から
事前予約の仕組み SFC LITE会員が国内線ANAラウンジの席を事前に確約できる仕組み。受付数に上限あり 詳細は2027年度中に案内
施設・設備の拡充 羽田空港の国内線ラウンジを拡張。ほかの空港も快適な空間づくりを継続 羽田は2027年度に予定

この3つを並べて見ると、2028年4月の新制度は入口の整理、事前予約は当日の混乱を減らす仕組み、そしてラウンジ拡張が席そのものを増やす根本策、という役割分担になっていることがわかります。わたしは、この3本目がなければ前の2本は会員に我慢をお願いするだけの話になっていたとおもいます。

羽田空港第2ターミナルの出発ロビー
羽田空港第2ターミナルの出発ロビー。朝夕の出発集中がラウンジの満席につながっています(写真:Wikimedia Commons / ume-y / CC BY 2.0)

背景にあるのはSFC会員の増加です

なぜ羽田のラウンジを広げなければならないのか。ANAは公式ページで、利用の拡大にともなってラウンジの混雑など一部のサービスで快適性を十分に維持することが難しい場面が生じている、と説明しています。Aviation Wireの報道では、その中身がもう少し具体的に書かれています。羽田をはじめとする国内主要空港のANA LOUNGEでは、出発便が集中する時間帯や年末年始などに満席や入室待ちが常態化しているとのことです。

会員数の規模感も報じられています。SFC会員は2026年時点で2019年と比べて約1.5倍に増えており、ANAの試算では2030年に現在の約1.2倍、2035年には約1.4倍まで増える見込みだそうです。一度取得すれば退会しないかぎり維持できるカードですから、毎年の新規取得者がそのまま積み上がっていきます。席の数が同じなら、混雑は年を追うごとに悪化する構造です。

わたし自身、平日の朝7時台に羽田第2ターミナルのANA LOUNGEへ行って、入口で少し待った経験があります。年末年始やお盆は言うまでもありません。会員が1.5倍になった空間に同じ数の席しかないという事実を知ると、あの待ち時間の理由がはっきりします。

時点 SFC会員の規模(報道ベース)
2019年 基準(1.0)
2026年(現在) 2019年比 約1.5倍
2030年(試算) 現在の約1.2倍(2019年比で約1.8倍)
2035年(試算) 現在の約1.4倍(2019年比で約2.1倍)

2019年比の数字はわたしが掛け合わせて出した目安です。それでも、2035年にはいまの倍以上の会員がラウンジの入口に並ぶ可能性があると見れば、拡張が1回で済むのかどうかも気になるところです。

羽田空港第2ターミナルの国内線出発ロビー
羽田空港第2ターミナルの国内線出発ロビー。ANAの国内線はここから出発します(写真:Wikimedia Commons / ノボホショコロトソ / CC BY 4.0)

SFC LITEのラウンジ利用はこう変わります

今回の公式ページでは、2026年4月に発表された改定内容と、9月に見直された新制度が並べて示されています。ラウンジに関わる部分だけを取り出すと、変わった点がはっきり見えます。

項目(SFC LITE) 2028年3月末までの従来制度 2026年4月発表の改定案 2026年9月発表の新制度
国内線ANAラウンジ 利用可 利用不可 混雑時を除き利用可。事前予約の仕組みを導入
国際線ANAラウンジ 利用可 利用不可 ANAグループ運航便の搭乗で羽田・成田・ホノルルのANAラウンジが利用可
スター アライアンスのステイタス ゴールド シルバー シルバー(変更なし)
SFCマイル特典(5,000マイル) 制度なし 対象外 対象外(PLUSのみ進呈)
ヒースローエクスプレスの優待 あり なし なし(変更なし)

見直されたのはラウンジの部分だけで、スター アライアンス・シルバーへの格下げやSFCマイル特典の対象外は4月の案のまま残っています。つまり、提携航空会社のラウンジに入れなくなる点は変わっていません。羽田・成田・ホノルル以外の海外空港では、SFC LITEのままだとスター アライアンス・ゴールドのラウンジは使えなくなります。

国内線の「混雑時」については、年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休と、出発便が集中するなど混雑が予想される期間・時間帯が例として挙げられています。細かい定義はまだありませんが、ANAは予約動向などを踏まえてラウンジの利用人数を予測し、入室後に確実に着席できる状況のときに利用を認める、という考えかたを示しています。

補足として知っておきたい点が2つあります。ひとつは、SFC LITE会員でブロンズメンバーのステイタスをもつ方は、混雑時でもマイルを使えばANAラウンジに入れること。もうひとつは、ANAカードプレミアムをもっている方は、カードの特典として国内線ANAラウンジを本会員のみ利用できることです。決済額300万円に届かなくても、ラウンジへの道が完全に閉じるわけではありません。見直しの経緯はSFC制度見直しの速報記事で、300万円の集計ルールはPLUS資格を維持する方法の記事で詳しく書いています。

羽田空港のANAラウンジの食事コーナー
羽田空港のANAラウンジ。混雑時を除けばSFC LITEでもこの空間を使えます(写真:Wikimedia Commons / Alexsh / CC BY-SA 4.0)

事前予約の仕組みは2027年度中に案内されます

SFC LITE会員向けの事前予約について、公式ページに書かれている条件を整理します。受付数には限りがあり、予約できるラウンジと便には条件があります。対象になるのはANAグループが運航するANA便名の便で、対象ラウンジは国内線のANAラウンジです。ただし成田空港のANA ARRIVAL LOUNGE(国内線出発ラウンジ)と、名古屋(中部)・関西・熊本・宮崎の国内線共用ラウンジは対象から外れています。

予約の入口は、ANAウェブサイトでのフライト予約時や発券時、予約確認画面になる予定です。電話での空き状況の確認や予約は受け付けないとはっきり書かれています。搭乗日当日の空き状況も電話やウェブサイトでは確認できず、ラウンジの受付で案内される形です。事前予約を持たないSFC LITE会員は、当日ラウンジの受付で利用できるかどうかを確認することになります。

そして肝心の予約方法の詳細は、2027年度中に公式ページで改めて案内されます。ANAはこのタイミングで詳細を出していない理由について、スムーズに利用してもらうために予約システムの調整を行っていると説明しています。Aviation Wireの報道でも、羽田のラウンジ拡張と並行して利用者数を管理するシステムを改修する、と伝えられています。

わたしの見かたでは、この事前予約の仕組みがうまく回るかどうかは、ラウンジの席数と直結しています。拡張で席が増えれば予約枠も増やせますし、混雑時と判定される時間帯も減ります。羽田の拡張が2027年度、予約の詳細案内も2027年度中、新制度の開始が2028年4月というのは、席を増やしてから入口のルールを動かす、という順番になっています。

ANAラウンジの座席エリア
地方空港のANAラウンジ。事前予約の対象は国内線のANAラウンジで、共用ラウンジは対象外です(写真:Wikimedia Commons / Asacyan / CC BY-SA 4.0)

2028年4月までのスケジュールを確認します

新制度に向けたスケジュールも公式ページに明記されています。区分を決める決済額の集計期間は2026年12月16日から2027年12月15日までの1年間で、その実績をもとに2028年4月から新しい区分でのサービスが始まります。SFCの申し込み条件そのものは変わらず、ダイヤモンドサービスかプラチナサービスのステイタス獲得、またはANAグループ運航便の搭乗で100万ライフタイムマイルに到達した方が申し込めます。

時期 できごと
2026年9月29日 制度見直しを発表。羽田ラウンジの2027年度拡張を明記
2026年12月16日〜2027年12月15日 PLUS・LITEの区分を決める決済額の集計期間
2027年度(2027年4月〜2028年3月) 羽田空港の国内線ラウンジを拡張。事前予約の詳細を案内
2028年4月1日 SFC PLUS・SFC LITEの新区分でサービス開始

100万ライフタイムマイルに到達したミリオンマイラーは、決済額に関わらずSFC PLUSになります。ただしSFCマイル特典の5,000マイルは、ミリオンマイラーでも年間決済額が300万円以上の場合にだけ進呈されます。家族会員の利用分は本会員に合算されるので、家族で航空券や日常の支払いをまとめている方は、思ったより300万円に近づきやすいかもしれません。

わたしがいま考えているのは、2027年度に羽田のラウンジがどれくらい広がるのかという一点です。席数や面積が発表されたら、2019年比1.5倍という会員の増加にどこまで追いつくのかを計算してみるつもりです。LITEになりそうな方は、2027年12月15日までの決済額をどう組むかを考える1年になりますが、羽田を使う回数が多いなら、拡張後のラウンジの広さが判断材料のひとつになります。2028年の条件変更まとめとあわせて、ご自身の搭乗パターンを見直してみてください。

羽田空港第2ターミナルと赤いアーチ
羽田空港第2ターミナル。拡張後のラウンジがどんな姿になるのか注目です(写真:Wikimedia Commons / Aimaimyi / CC BY-SA 3.0)

最新情報はANA公式ページで確認してください

羽田空港の国内線ラウンジ拡張の具体的な内容と、SFC LITE会員向け事前予約の方法は、いずれも2027年度中にANAの公式ページで案内される予定です。制度の全体像、区分ごとの特典の比較表、決済額に関するよくある質問は、ANAの「ANAスーパーフライヤーズカードのサービスについて」のページにまとまっています。続報が出たらこのサイトでもお伝えしますが、ご自身の区分や予約に関わる判断は、必ず公式の最新情報で確認してください。

ANA公式:ANAスーパーフライヤーズカードのサービスについて(制度・運用方法の見直し)

よくある質問(FAQ)

Q. 羽田空港のANAラウンジはいつ広くなりますか?

A. ANAは公式ページで、羽田空港については2027年度にラウンジの拡張を予定していると明記しています。報道では2027年度の早い時期に工事へ着手し、2027年度内の供用開始を見込んでいるとされています。席数や面積などの具体的な内容はまだ発表されていません。

Q. 拡張されるのは羽田空港のどのラウンジですか?

A. 公式ページには「羽田空港の国内線ラウンジ」と書かれています。羽田空港第2ターミナルの国内線ANAラウンジが対象で、ANA SUITE LOUNGEを含むのかどうかなど細かい区分は現時点では公表されていません。詳細はANAからの続報を待つ必要があります。

Q. SFC LITEになると国内線のラウンジは使えなくなりますか?

A. 2026年9月の見直しで、SFC LITEでも混雑時を除いて国内線ANAラウンジを利用できることになりました。年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休と、出発便が集中する時間帯は利用できない場合があります。席を確約したい場合はLITE会員向けの事前予約の仕組みが導入される予定です。

Q. ラウンジの事前予約はいつから、どこでできますか?

A. 事前予約の詳細は2027年度中にANA公式ページで案内される予定です。予約の入口はANAウェブサイトでのフライト予約時や発券時、予約確認画面になるとされており、電話での確認や予約は受け付けません。受付数には上限があり、成田のANA ARRIVAL LOUNGEと名古屋・関西・熊本・宮崎の共用ラウンジは対象外です。

Q. 新制度の区分はどの期間の決済額で決まりますか?

A. 2026年12月16日から2027年12月15日までのANAカード・ANA Payの年間決済額をもとに区分が決まり、2028年4月1日から新しい区分でのサービスが始まります。年間300万円以上ならSFC PLUS、300万円未満ならSFC LITEです。家族会員の利用分は本会員に合算され、100万ライフタイムマイルに到達している方は決済額に関わらずPLUSになります。

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この記事を書いた人
TE travel 編集部
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