ANA vs JAL 徹底比較——国内線・国際線ファーストクラスからシート、機内食、マイルまで全項目で比べた

「ANAとJAL、どっちを選べばいい?」

日本を代表する2大航空会社だが、実際に乗り比べてみると、座席・食事・マイル・料金のどれをとっても、はっきりした違いがある。どちらが「いい」ではなく、旅のスタイルによって「どちらが合うか」が決まる。

今回は、国内線ファーストクラスから国際線ビジネスクラス・ファーストクラス、マイル、料金まで、全項目を並べて比較した。


① 国内線ファーストクラス

国内線の最上位クラスは、両社とも「ファーストクラス」と呼ぶ(ANAは2026年5月19日から「プレミアムクラス」を「ファーストクラス」に改称)。

比較項目 ANA ファーストクラス JAL ファーストクラス
座席配列 2-2-2配列(B777系)/ 2-2配列(B737系) 2-2-2配列(B777系)/ 2-2配列(B737系)
シートピッチ 新幹線グリーン車比23cm以上広い 約130cmのゆったりしたピッチ
モニター 15.6インチ タッチスクリーン 搭載機種による
機内食 時間帯別・季節の素材を使ったメニュー 10日サイクルで変わる旬のメニュー
ラウンジ ANA SUITE LOUNGE
(シャワー・食事あり)
JAL FIRST CLASS LOUNGE
(鶴瓶寿司カウンターあり)
主な路線 羽田・伊丹・新千歳・那覇など幹線 羽田・伊丹・新千歳・那覇+宮古・石垣(2025年〜)
料金の目安 普通席比+9,000〜15,000円程度 同程度

国内ファーストクラスで差がつくのはラウンジ

座席の快適さは両社ほぼ互角だ。乗り心地・食事ともに十分な水準にある。

差が出るのはラウンジ。JALのFIRST CLASS LOUNGEには職人による寿司カウンター「鶴瓶寿司」があり、出発前から食事を楽しめる本格的な空間だ。ANAのSUITE LOUNGEもシャワー・温かい食事が揃っており、実力は高い。どちらを「上」とするかは好みによるが、JALのラウンジは他社にない特別感がある。

路線数では、JALが2025年以降に宮古・石垣線にファーストクラスを拡大しており、沖縄離島へのアクセスで優位に立つ。

ANA 国内線ファーストクラス(プレミアムクラス)座席
ANA 国内線ファーストクラス座席(旧プレミアムクラス) © Chihaya Sta(CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
JAL 国内線ファーストクラス座席
JAL 国内線ファーストクラス座席 © hyougushi(CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

② 国際線ビジネスクラス

比較項目 ANA ビジネスクラス JAL ビジネスクラス
主力プロダクト ANA THE Room(B777-300ER)
+ スタッガード(B787系)
JAL SKY SUITE III
(B787-9)
配列 1-2-1(全席通路直接アクセス) 1-2-1(斜め配置)
フラットベッド 180度フルフラット
THE Room:幅約100cm
180度フルフラット(約198cm)
個室ドア THE Room:あり(スライドドア)
スタッガード:なし
なし(エンベロープ型で高プライバシー)
ベッド幅 THE Room:約100cm
スタッガード:約53cm
約53cm(肘掛け収納時74cm)
注目の新プロダクト THE Room FX(B787-9・2026年〜)
個室型・幅約105cm
JAL SKY SUITE(成熟した完成度)
マットレス THE Room:専用クッション Airweaveマットレス

ANAは「革新」、JALは「完成度」

ANAのビジネスクラスは2層構造だ。B777-300ER搭載の「THE Room」はスライドドア付きの個室型で、幅約100cmのベッドと完全なプライベート空間を提供する。そして2026年からB787-9に順次導入する「THE Room FX」は幅約105cmでさらに進化した個室型プロダクトだ。B787系のスタッガード席も全席通路直接アクセスで快適。

JALの「SKY SUITE III」はAirweaveマットレスとエンベロープ型デザインで、完成度の高い乗り心地を提供する。新しさではなく「すでに安心して乗れる」という点で評価が高い。

どちらも1-2-1配列で全席通路直接アクセスが可能。隣席の人をまたぐ必要がない点は両社共通の強みだ。

ANA THE Room ビジネスクラス座席
ANA THE Room(B777-300ER) スライドドア付き個室ビジネスクラス © ANA
ANA スタッガードシート ビジネスクラス(B787系)
ANA スタッガードシート(B787系ビジネスクラス) 全席通路直接アクセス © ANA

③ 国際線ファーストクラス

比較項目 ANA THE Suite(B777-300ER) JAL ファーストクラス(A350-1000)
座席数 8席 6席
個室感 ロック付きドア付き完全個室 スライドドア付き個室(JAL国際線初)
モニター 43インチ 4K(民間機世界初) 43インチ 4K
ベッド フルフラット(幅広) フルフラット(最大203cm)、3モード切替
機内食 和・洋から選択。ミシュラン星付きシェフ監修コース 和・洋から選択。「空の上の料亭」コンセプト、著名料理人監修
就航路線 羽田↔ロンドン・ニューヨーク・サンフランシスコ 羽田↔ロンドン・パリ(欧州2路線)
正規料金の目安 129万円〜(東京↔欧米往復) 71万円〜(路線によって異なる)
マイル特典席の取りやすさ 難しい(席数が少ない) 比較的出やすい

THE Suite は完全個室、JAL A350-1000はスライドドアと43インチで並んだ

ANAのファーストクラス「THE Suite」は、ロック付きドアのついた完全個室、43インチ4Kモニター(民間旅客機世界初)で、ハードウェアの完成度では現時点で世界最高水準の一つだ。8席という希少性もあって、乗れた時の満足度は非常に高い。

JALのA350-1000型機では、国際線初となるスライドドア付き個室を採用。43インチ4Kモニターと最大203cmのベッド、3モード切替対応のシートが揃い、ハードウェア面ではANAとほぼ互角の水準に達した。6席という小ぶりなキャビンでプライベート感も高い。機内食は「空の上の料亭」をコンセプトに著名料理人が監修しており、特に和食コースの評価が高い。

どちらを選ぶかは、「ロック付きドアの完全個室と世界初スペック」ならANA THE Suite、「スライドドア個室と充実した和食、特典席の取りやすさ」ならJAL A350-1000が一つの答えになる。

JAL A350-1000 ファーストクラス スイート内部
JAL A350-1000 ファーストクラス スイート内部(1A号室)
ANA THE Suite ファーストクラス座席
ANA THE Suite ファーストクラス座席 © ANA

④ マイル・ポイント

比較項目 ANA マイレージクラブ JAL マイレージバンク
アライアンス スターアライアンス(26社) ワンワールド(13社)
提携航空会社数 多い(ルフトハンザ・SQ・UAなど) カタール・ブリティッシュ・AAなど
上級会員の維持 毎年修行が必要(SFCで終身化可) 毎年修行が必要(JGCで終身化可)
終身ステータス SFC(スーパーフライヤーズカード) JGC(JALグローバルクラブ)
マイルの使いやすさ 特典枠が少ない路線あり 比較的取りやすい(国内線4,500マイル〜)
クレジットカードとの連携 ANA VISA・ANAカード各種 JALカード各種

マイルはJALのほうが「使いやすい」と感じやすい

ANA・JALともに充実したマイルプログラムを持つが、実際に特典座席として使うときの取りやすさではJALに軍配が上がることが多い。国内線の特典は片道4,500マイルから利用でき、ファーストクラスへのアップグレードも狙いやすい。

一方、ANAはスターアライアンスの幅広い提携ネットワークが強みで、ルフトハンザやシンガポール航空などのビジネスクラスにANAマイルで乗れるルートが多い。どちらのマイルを貯めるかは、「国内でよく使うか」「海外の他社便に乗りたいか」で変わってくる。


⑤ 料金・コスパ

両社の料金は路線・時期によって大きく変わるが、傾向として:

  • 国内線:ANA・JALともに同水準。セールではどちらも安値が出る
  • 国際線エコノミー:競争路線ではほぼ同水準
  • 国際線ビジネスクラス:東南アジア往復で35万円〜、北米往復で65万円〜が目安
  • 国際線ファーストクラス:JAL71万円〜、ANA129万円〜と大きな開きがある

「料金の安さ」だけで選ぶなら、国際線ファーストクラスはJALが圧倒的に選びやすい。ただしANA THE Suiteの体験価値は価格差を超えるものがあると評価する人も多い。


⑥ 安全性・定時性

両社ともに国際的に高い安全評価を持ち、JACDEC(航空会社安全評価機関)のランキングでも上位に入る常連だ。日常的に利用する分には、安全性で「どちらが明らかに優れている」という判断はほぼ不可能だ。

定時出発率・到着率は年によって変動するが、両社ともに日本の航空会社として高い水準を維持している。


まとめ:どちらを選ぶか

こんな人は おすすめ
ファーストクラスに一度は乗ってみたい JAL(価格・特典席ともに現実的)
最高のプライベート空間を求める ANA THE Suite(ロック付き完全個室)
国際線FCでJALの和食・スライドドア個室を体験したい JAL A350-1000(欧州路線中心)
国際線ビジネスクラスで安心の寝心地 JAL SKY SUITE III(Airweave採用)
最新プロダクトのビジネスクラスを体験したい ANA THE Room FX(2026年〜)
国内線ファーストクラスのラウンジを楽しみたい JAL(鶴瓶寿司カウンターが唯一無二)
マイルを貯めて特典席に使いたい JAL(特典枠が取りやすい)
世界中の提携航空会社にマイルを使いたい ANA(スターアライアンス26社)
沖縄離島にファーストクラスで行きたい JAL(宮古・石垣線に設定あり)

どちらが「勝ち」ではなく、旅の目的と予算でベストな選択肢は変わる。「乗ったことがない方に乗ってみる」のが、両社の違いを実感する一番の近道だ。


よくある質問

JALとANAのビジネスクラス、どちらが快適ですか?

どちらも1-2-1配列で全席通路直接アクセスが可能なフルフラットシートです。JAL SKY SUITE IIIはAirweaveマットレス採用で寝心地の評判が高く、ANA THE Room FX(2026年〜)は個室型の革新的なプロダクトです。安定した完成度ならJAL、最新のハードウェアを体験したいならANAという選び方になります。

ANA THE Suiteのモニターが世界一と言われる理由は?

ANA THE Suiteには43インチの4Kモニターが搭載されており、民間旅客機の座席としては世界初の4K対応です。HDMIでの外部機器接続も可能で、映像体験の質は現時点で国際線ファーストクラスの中でも際立っています。

JALとANA、マイルはどちらが貯めやすいですか?

貯めやすさは両社ほぼ同水準ですが、特典座席として使いやすいのはJALマイレージバンクという意見が多いです。国内線特典は片道4,500マイルから利用でき、ファーストクラスへのアップグレードも取りやすい傾向があります。一方、ANA(スターアライアンス)はルフトハンザやシンガポール航空など提携航空会社が多く、海外での選択肢が広がります。

国内線ファーストクラスに乗るにはどうすれば?

ANAとJALともに、幹線(羽田↔伊丹・新千歳・那覇など)を中心に国内線ファーストクラスを設定しています。当日のアップグレードや、マイルを使った特典席として乗ることも可能です。JALは2025年以降、宮古・石垣線にもファーストクラスを導入しています。

ANAとJALのファーストクラスラウンジはどちらが良いですか?

JAL FIRST CLASS LOUNGEには職人が握る寿司カウンター「鶴瓶寿司」があり、出発前から本格的な食事を楽しめます。ANA SUITE LOUNGEはシャワー・温かい食事・豊富な飲み物が揃い、機能的な充実度が高いです。「特別感」ではJAL、「使いやすさ」ではANAという評価が一般的です。