はじめに
「Kindleで出版をしよう」
と思い立ったけれど、なにをどうしたらいいかわからず、教科書みたいなものがほしい、と思いました。
なので、Kindleで出版するための手引きを書くことにしました。
Kindleで本を出版することは、無料でだれでもに簡単にできます。
なかには、文章の校正と表紙の作成など、専門業者やココナラなどでお願いすることもあるようですが、すべて自分でできます。
Kindleで出版するメリットとしては、
・出版が無料でできる
・印税率が高い(最大70%)
・Kindleという巨大プラットフォームなので、アクセス数が多い
・長文(1万〜2万字)を書く力が高まる
などがあります。
さらに、協会やひとりビジネスをしているリーダーにとっては、読者のリストを獲得できるというメリットがあります。
今はリストを集めにくい時代なので、自分の考えや自分たちの活動について書いた本を読んでくれた人は、大切に関係を育みたい貴重な存在になります。
事前準備
Kindle Previewerをインストールする
ー 所要時間:5分
Kindle Previewerは、PagesやWordで作成した原稿をKindleで読める形式に変換したり、プレビューを見るために使います。
以下のAmazonのKindle PreviewerのサイトでWindows版かMac版をダウンロードしてインストールします。
Kindle Previewerkdp.amazon.co.jp
KDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)に登録する
ー 所要時間:10分
作成したKindle本を出版するために、Amazonが運営するKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)にアカウント登録をします。
収益があがったら振り込んでもらう口座情報とマイナンバー(番号だけで可能)を準備します。
以下ページの右側、「サインインする」から登録を進めていきます。途中でTIN値というものが出てきますが、ここにはマイナンバーの番号を登録します。
セルフ出版 | Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングkdp.amazon.co.jp
さあ、ここまでできたら、いよいよ書籍の作成準備に入りましょう。
書籍のコンセプトを考える
出版する書籍の内容について考えていきましょう。
Kindleで出版するにあたり、本の文字数の制限はありません。
一般的には、10,000字~20,000字のものが読まれやすい、と言われています。
ざっくりテーマを決めたら、書籍のコンセプトを考えましょう。
出版企画書をつくる
書籍のコンセプトを決めるにあたっては、まずは出版企画書をつくりましょう。

1〜2枚程度で出版企画書をつくります。これをもとに本文を書いていきます。
・タイトル
・著者プロフィール
・企画の内容
・対象の読者
・類書
・目次の構成
原稿を書く
ここからはいよいよPagesやWordを使って、原稿を書いていきましょう。
まず、電子書籍を出版する上で知っておきたいのは、紙の書籍でも電子書籍であっても一定の形式がある、ということです。
個人で出版されている人の場合、以下のフォーマットにしたがっていない場合も多いと思います。けれども、出版社の形式にのっとって制作するほうがしっかり感が伝わるので、なるべく出版の作法にしたがいましょう。
前付
表紙を開いた後に表示される部分です
目次
はじめに
読者が最初に読む部分です。心をこめて書きましょう
本文
章と節の2階層で書きます。
おわりに
書いたことのまとめと注意点など、御礼などを書きます
参考文献
引用もしくは参考にした書籍やWebサイトを紹介します
著者紹介
ご自身の略歴、連絡先など
お知らせ
販売したい商品やサービスがある場合は、購入につながるような提案を書きます
奥付
著者、出版年月日、著作権表示などです
書くときのポイントは、以下が重要です。
これらを無視して適当に書くと、書籍化したときにぐちゃぐちゃになるので、注意しましょう。
・「本文、見出し1・2・3」を正しく使い分ける
・改行では、Enter or Shift+Enter を正しく使う
・改ページはCtrl+Enterで行う
・目次はPagesやWordの機能にある自動生成で作成する
縦書き・横書き
縦書きにするか横書きにするかは、好みもありますが、横書きは、写真・数字・図や英語やURLリンクを多用する実用書などに向いています。
縦書きは、テキストが多いビジネス書や小説などに向いています。
校正・校閲する
ひとまず完成した原稿の校正・校閲を行っていきます。
Kindle Previewer
原稿がある程度できたら、Kindle Previewerを立ち上げて、Kindleのフォーマットで上手く表示されるか適宜確認しながらすすめます。
やり方はとても簡単です。原稿のファイルをドラッグ&ドロップすると、ファイル変換が完了し、自動でプレビュー画面になります。
個人的には、PDFファイルで書き出すようにしています。

校正・校閲する
出版する書籍に、誤字脱字がないか、言い回しは適切か、正しい日本語を使っているか、全角・半角のルールが統一されていないかなど、慎重に確認します。
多くの人に読んでもらうことを考えて、できるかぎり正しく表現していきましょう。
表紙をつくる
いよいよ最後の工程です。表紙をつくります。
表紙については、Illustratorを使って作らなくても、KeynoteやPowerPointを使ってつくることもできます。専門業者やココナラのクリエイターさんにお願いすることもできます。
いずれにしても、Amazonで目に留まるような表紙であることが、とても重要です。
表紙を依頼する際には、クリエイターさんの実績を見て判断するのがよいですが、それ以上につくっていただくクリエイターさんに書籍のコンセプトを正しく伝えることがとっても重要だと思います。その際に、出版企画書を活用してください。
さあ、表紙ができあがったら、書籍完成です。いよいよKDPでの出版作業を行います。
KDPから書籍を登録して公開する
いよいよ書籍を登録していきます。
「事前準備」で作成したKDPアカウントで、ログインします。
セルフ出版 | Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングkdp.amazon.co.jp
以下の図の左側の+ボタンをクリックし、必要情報を埋めていきます。

タイトルなどの書籍情報を入力したら、つぎにすすみます。
つぎの「Kindle本のコンテンツ」では、以下に注意します。
・デジタル 著作権管理(DMR)を「 はい」に選択を入れる
・ページめくりの方向(縦書きか横書き)を設定し、PagesやWordで作成した原稿と表紙をアップロードする
・Kindle電子書籍ISBNは、出版社はでないので入力の必要なし
最後に価格を設定します。
KDPセレクトへの登録を行うことで、ロイヤリティが「70%」に設定できるので、忘れないようにしましょう。
また、そうするのことでKindle Unlimitedにも登録されます。

最後に価格を設定します。
まずは、日本円での価格設定にするため、「主なマーケットプレイス」を「 Amazon. co. jp」に選択します。
MatchBook、利用規約、本のレンタルは未入力でOKです。
ロイヤリティを「70%」にするには「Amazon内だけの販売」、かつ「250円~1,250円での販売価格」、「すべての地域で販売」を選択する必要があるので注意です。

価格をいくら設定にするのかは難しい問題ですが、前提として、ロイヤリティを70%にしたい場合は、250円以上にする必要があります。
個人販売の場合は、有名なブロガー・インフルエンサーの方でない限り、500円以上は厳しいと言われているので250~500円が適当です。
ロイヤリティを35%にして、99円などの低価格で販売する。そうすることで多くのユーザーに読んでもらうという方法も有効です。
価格を設定し、全て入力が完了したら、いちばん下のKindle本を出版をクリックします。
審査を通ると、約72時間以内に本が出版されます。
おわりに
Kindleで出版するための全体像をつかんでいただけたと思います。おもしろそうと思った人は、ご自身の興味のあるテーマで、出版してください。
シュテルン
吉岡岳彦